映画界のギャラ事情、有名監督でも「全くお金に自由はない」 配信時代のリアルにも言及…印税は「ほぼない」
映画『20世紀少年』などを手掛けた堤幸彦監督が10日、ABC『これ余談なんですけど…』(水曜午後11時10分)に出演。映画業界のギャラ事情を明かした。

1年使って「中古の高井戸ぐらいにあるマンションの1部屋分ぐらい」
映画『20世紀少年』などを手掛けた堤幸彦監督が10日、ABC『これ余談なんですけど…』(水曜午後11時10分)に出演。映画業界のギャラ事情を明かした。
MCのかまいたち・山内健司が「(映画監督の収入の)仕組みを知りたいというか。前、『レッドクリフ』の監督が『どうしても撮りたいシーンがあったから、自腹で何億(円)か払って、そのシーンを撮った』みたいなのをプロモーションで言われてて」と言うと、堤監督は「一番話しづらい話」と明かした。
濱家隆一が「堤監督にギャラ聞いたん、初めてや」と話すと、堤監督は「ドラマと映画ではカテゴリーが全然違うんですけど」と前置きし「例えば映画1本撮ります。企画段階に3か月、長い場合は半年以上。3か月ぐらいロケハンしたり、キャスティングしたり。そこから1か月ぐらい撮影しました。そこからまたCGやら音やら、編集やらをいろいろやります」と流れを説明。そして、「ほぼ1年使って、どうですかね、本当ピンキリですよ。その10分の1、あるいはその倍ぐらいという設定だけど、大体、中古の35年ものぐらいの(東京・杉並区)高井戸ぐらいにあるマンションの1部屋分ぐらい」と表現。濱家は「だいぶ薄めました。薄めに薄めましたね」とツッコミを入れた。上地雄輔は「全然わかんなくなった」と笑った。
濱家は「1年かけてやるからねえ」と口にすると、堤監督は「そうなんですよ。だから、金持ちっぽく、かつてはイメージされてましたけど、全くそんなことないです」と厳しい事情に触れた。濱家が「一流監督だからと言って」と話すと、堤監督は「全くお金的には自由はないです」と打ち明けた。
濱家から「バブル期はすごかったとか?」と確かめられると、堤監督は「あります。その当時はビデオ、VHSとか。その後はDVDとかBlu-rayとか。これは1本いくらっていう印税っていうシステムですから、ハッキリありました。だから、有名なテレビドラマを手掛けます、映画化しました、映画化したものがDVDになりました。そんときに入って来たお金は結構すごい」と自ら打ち明け、「これは下高井戸からちょっと新宿に寄ったぐらい」と説明。濱家は「オレらそんなに不動産、詳しくないんですよ」と告白した。
山内は「結局、監督のギャラは最初に『このギャラでお願いします』って決められてて、その映画が(興収)10億(円)目指してたのに、100億ヒットしたからって、監督に追加で『ありがとうございます』みたいな何億かのご祝儀的なものは?」と質問すると、堤監督は「なくはないと思いますけど、少なくとも私がいまやってるこの数年間の話では、そういういい話にはならないですね。最初に決めた金額でって」と打ち明けた。
上地が「昔はビデオとかDVDでもっと枚数売れたじゃないですか」と言うと、堤監督は「売れましたね」と肯定。上地は「いま配信になってるから、印税も全然違うんですか?」と問うと、堤監督は「全然違うというか、ほぼないに等しいと思います」と明言。撮影期間外の収入は「ない」とした。
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