timelesz原嘉孝、目薬なしで挑んだ初主演映画 役作りは「その場で生きることを目標に」
timelesz・原嘉孝の初主演映画『初恋芸人』(夏目大一朗監督)が、今月19日に公開される。同作は、作家・中沢健氏による同名小説が原作でドラマ化、漫画連載も経た恋愛物語。公開が迫り、主人公の売れないピン芸人・佐藤賢治を演じた原が、合同取材会に対応。撮影時のエピソードやグループのメンバーに対する「もどかしい思い」などを明かした。

ロケ地となった広島・因島では、オフの時間に一人で銭湯に足を運ぶこともできた
timelesz・原嘉孝の初主演映画『初恋芸人』(夏目大一朗監督)が、今月19日に公開される。同作は、作家・中沢健氏による同名小説が原作でドラマ化、漫画連載も経た恋愛物語。公開が迫り、主人公の売れないピン芸人・佐藤賢治を演じた原が、合同取材会に対応。撮影時のエピソードやグループのメンバーに対する「もどかしい思い」などを明かした。(取材・文=幸田彩華)
突然に現われた市川理沙(沢口愛華)。自分を「面白い」と言ってくれる彼女に、賢治は初恋のときめきを感じていた。だが、恋愛にも仕事にも奥手…。そんなもどかしいキャラクターを演じる原は「最近、『もどかしい』と感じたことは?」と問われ、timeleszの年下メンバー・橋本将生、猪俣周杜の2人の名を挙げた。
「彼らが芝居に挑戦していたんですが、僕としては『もっと、聞いてきてくれよ』と思いましたね(笑)。指導したい自分がいるのに、もっとガツガツ来てほしかった。チャンスがあれば伝えたい」
先輩としての“指導熱”が空回りしたことへのもどかしさからだった。だが、その口調からは、成長著しい2人への期待と愛情が垣間見えた。
『初恋芸人』の撮影は2024年。
「映画の主演は初めてですし、(公開が)メンバー加入のわりとすぐのタイミングだったので、『timeleszにメンバーになって主演をやる人がいるんだ』と思ってくださった方もいたと思います。それはグループに還元できる一つの形かなと。ただ、撮影当時は俳優として一本でやっていく覚悟もしていた時期でした。でも、こうしてtimeleszのメンバーになれたことで、本来より何倍ものお客さんに届けられるようになったのは、うれしいことだなと思います」
役作りを問われると、原は意識しているポイントを具体的に説明した。
「自信のなさや、コミュニケーションが得意ではない部分を意識しました。相手の目をまっすぐ見て話せないとか、自信がなさそうな歩き方を心がけました。うそをつく時に瞬きが増えるような細かな所作も取り入れました」
だが、生来の低い声が裏目に出た場面もあったという。夏目監督から「自信があるように見えてしまう」と指摘されたといい、「本読みの際、1回目は自分が思う賢治を演じたんです。声もいつもの高さでやったのですが、監督からそう言われて。そこから作り直そうと思いました。声の高さで印象がこんなに変わるんだと実感しました」と振り返った。
ロケ地となった広島県の因島では、オフの時間に一人で銭湯に足を運ぶこともできたという。
「因島は街全体がゆったりとしていました。学校のチャイム、商店街のおばあちゃんの声などを肌で感じられて良かったです」
涙を流すシーンにも挑戦した。原は感情の流れを切らないために監督に「長回しで撮ってください」と伝え、リハーサルの段階から本気の涙を流したという。
「目薬とかは差したくないんです。何回も感情の浮き沈みを作るのは無理じゃないですか。何とか集中して、確か全部、無事に泣けました」
タイプロではよく涙を流していた。その印象から、ファンや視聴者から「原はすぐ泣く」と思われているが、「得意なわけじゃなくて、感情がグッと入ると涙が出るんです」と自己分析した。
「タイプロは自分の人生が懸かっていたので、そのぐらいのグッとなる感覚を役でもやらなきゃいけない。そこまでの下準備をやらなきゃ、泣きにはつながらないなと思いました。泣くことが正解とは限らないんですけど、賢治は泣いてもいいなと思ったので、泣きました」
自身の人生が変わった瞬間と同じ熱量をこの役にも注ぎ込んでいた。
振り返ると、原の俳優活動は舞台が主であり、映像作品での主演は新たな挑戦だった。
「役者をやる上で『その場で生きる』ことを目標にしています。僕は舞台畑だったので、これまでは1か月稽古ができました。でも、映像は相手の出方も分からない状態で役を作って現場に持っていかないといけない。その作業にまだ慣れない部分はあります」
その一方で「でも、そこを逃したくない。映像の中でも(自然に)存在しているような俳優はたくさんいるし、見ている側もそういう人の方がのめり込める。そういう役者を目指しています」と力強いまな差しで語った。
そんな原が、「目指している人物像」として挙げたのが、松岡昌宏だ。
「共演もさせていただいていますし、たまにプライベートでもお世話になっています。等身大の感じが、かっこいいなと思いますね。男気がすごくてプロフェッショナルな感じ。『知らない分野ないんじゃないか』と思うくらいです。みんなが兄貴と慕いたくなる存在には憧れます」
タイプロで人生が変わった30歳は今、俳優としても、人としても「進化の時」を迎えている。
□原嘉孝(はら・よしたか) 1995年9月25日、神奈川県生まれ。19年8月、『THE BANK ROBBERY!~ダイヤモンド強奪大作戦~』で舞台初主演。『Endless SHOCK』をはじめ数多くの舞台に出演。24年には、「timelesz project」に参加。今年2月、timeleszに加入。血液型O。
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