事故渋滞で母娘のトイレ限界…インターまで2.6キロ 「突然ドアが開いて…」現れた救世主に称賛の声

家族の楽しいドライブに、絶体絶命のピンチが訪れた。高速道路トンネル内の交通事故で足止め。2時間が経過し、母と娘がトイレを我慢できなくなってきたのだ。約2.6キロ先のトイレがある施設を目指し、2人は徒歩でトンネル脱出を試みた。寒さを耐えて歩いていると、救世主が現れた。止まっている高速バスを発見、運転手に話しかけようとしたら、「トイレですか? どうぞ」。緊急事態を救った運転手に、「ファインプレーです」「まさしく神対応」とSNSで称賛が集まっている。当事者が当時の様子を明かした。

トイレ限界の危機を救ったバス運転手が話題に【写真:本人提供】
トイレ限界の危機を救ったバス運転手が話題に【写真:本人提供】

「ドアが開く音がまだ耳に残ってます」

 家族の楽しいドライブに、絶体絶命のピンチが訪れた。高速道路トンネル内の交通事故で足止め。2時間が経過し、母と娘がトイレを我慢できなくなってきたのだ。約2.6キロ先のトイレがある施設を目指し、2人は徒歩でトンネル脱出を試みた。寒さを耐えて歩いていると、救世主が現れた。止まっている高速バスを発見、運転手に話しかけようとしたら、「トイレですか? どうぞ」。緊急事態を救った運転手に、「ファインプレーです」「まさしく神対応」とSNSで称賛が集まっている。当事者が当時の様子を明かした。

「白川郷インター手前、トンネル内で2時間通行止めくらいました。単独交通事故です。トイレが我慢できず、2.6キロ先のインターを目指しとりあえずトンネル脱出を試み。10分ほど歩いたところに高速バスが。運転手さんに話しかけようとしたら、トイレですか? どーぞ って乗車口開けてくださった。

 娘と2人トイレお借りしまして、無事旦那の待つマイカーに戻れました。富山地鉄バスの運転手さんに感謝です! そしてやっと動き出しました」

 スレッズで報告したのは、母のてるてる坊主(teruteru45453838)さん。11月下旬の出来事。大好きなダンス&ボーカルグループのライブを名古屋で鑑賞した「推し活の帰り道」だった。

 当日のリアルな状況を語る。「事故直前、普通に走っていた際、前にサイレンを鳴らしている消防車に遭遇。消防車の後ろを追うような形で走行していました。それが飛騨トンネルの中で停車し、しばらくすると前も後ろも長蛇の渋滞。消防車のサイレンは切られました」。こう着状態のトンネル。不安だけが募っていく。

 停車から約1時間が経過した頃、消防隊員のところに確認に行った。「一体いつになったら動き始めるのだろうと思い、車から降り、消防車の方に話を聞きに行きました。『これ、いつ動きますか?』『トイレがしたいのですが、非常口に行けばトイレってありますか?』と伺いました。消防隊員の方は『いやぁ、いつ動くか僕たちも分かりません。非常口にはトイレはありません。トイレはサービスエリアかパーキングしかないです! どうしたらいいか僕たちも分かりません』という返答でした」。

 仕方なく車内に戻ったが、2時間過ぎたあたりで、厳しくなってきた。「トイレが限界になる前に、トンネルからとりあえず徒歩で脱出しよう。そう家族で話し合いました。ちょうど目を細めた先に、『白川郷インター出口2.6km』の電光掲示板があったので、早歩きで30分、トイレの限界を考え今行かないと。。。と、21歳の娘と私で歩き始めたんです」。

 10分ほどのところのトンネル内で目に入ったバス。幸運にもトイレを貸してもらうことができた。「運転手さんは50代ぐらいでしょうか、優しそうな男性の方でした。ドアが開く音がまだ耳に残ってます」。まさに恩人と言える存在だ。

富山地方鉄道株式会社に感謝のメール

 善行を紹介する投稿は話題を呼び、「素晴らしい…こんな運転手さん大事」「富山近鉄バスの運転手さんに沢山の幸せが降りますように」「生まれも育ちも富山の人間なので、なんだか私まで涙が出るほど嬉しくなっちゃいました」「困った時ほど助け合いですね」「運転手さんナイス判断です」「そのバスに乗っていました。突然ドアが開いて、少しビックリしましたが。よかったですね」など、驚嘆の声が続々寄せられている。

 大反響を受けて、「私自身もびっくりです。否定的なコメントはほとんどなく、バス会社やその運転手さんへの温かいコメントであふれてて、こちらもうれしくなりました! 乗客の方も少ない中、15人いらしたかな? それくらいの乗客の中で、『バスに乗車してました!』というコメントにも驚き、ネットのすごさ、反響のすごさを感じました」と実感を語る。

 後日、バスの運営元である富山地方鉄道株式会社に、出来事の報告と感謝のメールを送った。「併せて、思わぬ反響の大きさにご迷惑をおかけしていないか心配だったため、その点についてもお詫びを添えました」。同社からすぐに丁寧な返事をもらい、感激したという。

 てるてる坊主さんは「お客じゃない私たちに嫌な顔せず、ドアを開けてくださって感謝しかないです」と話している。

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