8年連れ添った愛車と生きる新婚女性 総額70万円超のカスタム、ドリフト挑戦…手放す理由見当たらず

車に一途に乗り続けるのは、オーナーだけでなく、車にとっても幸せなことだ。今年9月に入籍した新婚のIZUMIさんは、愛車を8年にわたり乗り続けている。夫から男まさりと称されても、手放すつもりはない。新婚生活の中心に、1台の愛すべき車もいる。

レッドカーペットのポーズも決まっている【写真:ENCOUNT編集部】
レッドカーペットのポーズも決まっている【写真:ENCOUNT編集部】

【愛車拝見#348】新車価格300万円超…レガシィから乗り換える

 車に一途に乗り続けるのは、オーナーだけでなく、車にとっても幸せなことだ。今年9月に入籍した新婚のIZUMIさんは、愛車を8年にわたり乗り続けている。夫から男まさりと称されても、手放すつもりはない。新婚生活の中心に、1台の愛すべき車もいる。

 愛知県から早朝4時半に出発し、新東名を走って東京のイベント会場へ。渋滞に巻き込まれながらも、笑顔で到着したIZUMIさん。彼女の愛車は2014年式スバルBRZ、購入から8年がたつ相棒だ。

「人生に一回はクーペに乗りたいなと思って」

 元々レガシィに乗っていたIZUMIさんが、このBRZに一目惚れしたのは発売当時のことだった。マニュアル車で理想の色を探し続け、ようやく出会ったのがこの黒のBRZ。内装はプレミアムスポーツパッケージのタンレザー仕様で、「すごいおしゃれだったので、すぐ決めました」と当時を振り返る。

 新車価格は300万円超のこの車に、IZUMIさんはさらに60~70万円のカスタム費用を投じた。ヘッドライト、テールレンズ、リアウィング、マフラー、オイルクーラー、車高調、スタビライザー、ホイール……パーツ交換だけではない。インパネやドアトリム、シフトノブまで茶色のレザーに合わせて張り替え、さりげなく花柄をあしらったレース塗装も施した。

「内装が一番気に入っています。自分で色を合わせて張り替えたりしてるので」

 女性らしい繊細さと、走りへのこだわりが共存する。それがIZUMIさんのBRZだ。

 このBRZに乗り換えてから、IZUMIさんのクルマ人生は新たな展開を迎えた。元々四駆に乗っていた彼女が始めたのが、ドリフト走行。お世話になっているショップの走行会で、スキー場の駐車場を使った公認のサーキット走行に参加している。

「難しいです。まだ全然、FR(フロントエンジン・リア駆動)の感覚が全然つかめてないので」

 照れくさそうに笑いながらも、「もうばっちりできたらなと思います」と目標を語る姿は、まさに走りを愛する女性ドライバーそのもの。定常円からコツコツと練習を重ね、これまで3回ほど参加したという。

 IZUMIさんにとってもう一つの大きな思い出が、“クルマ女子の祭典”と呼ばれるガールズカーコレクション(GCC)への参加だ。BRZに乗り換えてから参加するようになり、今年で9回目。欠席は一度だけで、「皆勤賞狙ってただけにちょっと残念」と悔しがる。今回のドレスコードは「派手な靴」で、迷彩柄のブーツで参戦した。

 そんなIZUMIさんを支えるのが、今年9月に入籍したばかりの夫だ。IZUMIさんのBRZに加え、夫はBMW2台、ロードスター2台と家族で5台を所有する。うち2台はショップに預け、残りは自宅周辺の駐車場に分散させている。

 2人は籍を入れる5年も前から一緒に暮らしていた。「新婚感は別にない」と笑い合う2人の関係性は、まるで長年連れ添った夫婦のようだ。

 最初から通じるものがあった。

 夫にIZUMIさんの第一印象を聞くと、「男らしい子やなーと思って」と即答。BRZに乗る女性という存在に驚きはなかったというが、そのギャップが逆に魅力だったのかもしれない。

「趣味が一緒なんで。派手派手しくなく、シンプルにまとめた車っていう印象です」と続けた。

 共通の趣味が多く、「一緒にいて楽しい時間が多い」ことが結婚の決め手だったという2人。以前は2台でツーリングに出かけることも多かったが、最近は1台で出かけることが増えた。「別に1台で良くね?」と夫が言えば、「2台出さなくてもみたいな」とIZUMIさんも笑う。イベントの時は2台体制だが、普段は一緒に1台で走る。それが今の2人のスタイルだ。

 家族が増えれば、選ぶ車の種類も変わるものだ。泣く泣くクーペを手放す人も少なくない。

 しかし、「このお車、いつまで乗り続けますか?」という問いに、IZUMIさんは言った。

細部に女性ならではのこだわり【写真:ENCOUNT編集部】
細部に女性ならではのこだわり【写真:ENCOUNT編集部】

車のある人生のだいご味…共通の趣味がもたらす喜び

「乗れるだけ乗ります。今のところ乗りたい車が他にないので」

 マニュアルでガツガツ走るタイプの車。それ以外には目がいかないという。休日には愛車のハンドルを握って各地のイベントへ。時にはドリフト走行で腕を磨き、時には夫と一緒に1台でツーリングを楽しむ。このスタイルを変えるつもりはない。

 イベントが終わると、その日のうちに愛知へ帰る。「毎年それなんで、もう慣れました」とほほ笑むIZUMIさんの横顔には、車を愛する人特有の充実感が浮かんでいた。

 夫婦で5台。一見すると多いように思えるが、2人にとってそれは家族の一部であり、人生を豊かにする大切な存在。ロードスター1台は減る可能性があるというものの、IZUMIさんのBRZが手放されることは、当分なさそうだ。

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