夜間のごみ集積所から「助けて」 クマ出没地域で「身構えました」 驚きの真相…「怖すぎる」ネット騒然
クマの目撃情報がある地域、夜間のごみ集積所で、“異変”が生じた。不審な何かが動いている。通りがかりに気付き、「クマかと疑って身構えました」。闇の中から聞こえてきたのは、「助けてー」と叫ぶ人間の声だった。切迫した状況、閉じ込められていた高齢女性……。SNSで「命の恩人ですね」と反響を呼んだ。高齢女性を助けた当事者に詳細を聞いた。

「先月も近所の神社にクマが現れて騒動となり、生ごみを漁る姿も目撃されていました」
クマの目撃情報がある地域、夜間のごみ集積所で、“異変”が生じた。不審な何かが動いている。通りがかりに気付き、「クマかと疑って身構えました」。闇の中から聞こえてきたのは、「助けてー」と叫ぶ人間の声だった。切迫した状況、閉じ込められていた高齢女性……。SNSで「命の恩人ですね」と反響を呼んだ。高齢女性を助けた当事者に詳細を聞いた。
「町内会のごみかごの中で何かが動いていて、熊が生ごみを漁っているかと思ったら、中から『助けてー』という悲鳴。ご近所さんだった。ごみを出しに中に入ったら強風で扉が閉まり出れなくなったそう。凍死するところだったわ~と大泣きするお婆さんを連れて寺井湯に行った。北陸に冬がやってきた夜」
石川県内で起きた救助事案をXで報告したのは、団体職員のノムラ(@nomu1010)さん。寺井湯は地域で親しまれる銭湯で、週2回風呂掃除のボランティアをしており、高齢女性とは顔なじみだという。
「先月も近所の神社にクマが現れて騒動となり、生ごみを漁る姿も目撃されていました。夜9時半頃でしたので暗くてよく見えず、クマかと疑い身構えました。暗闇から『野村くん助けてー』という声が聞こえ、よく見ると顔見知りのおばあさんでした」。当日の様子を振り返る。
このごみ集積所は、扉が閉まると内部からは開けられない構造になっている。風で閉まってしまい、不運が重なった。
それに、12月に入って真冬の気温になっている。特に高齢者にとっては、命の危険に関わる重大事案だった。「当地は車社会の田舎町ですので、夜に徒歩移動する人はほぼいません。車に手を振っても気付いてもらえず、閉じ込められて30分程たったところで、私がたまたま自転車で横を通りがかりました。あと数時間遅ければ生命の危険があったと思います。本当によかったと思う一方、同じ事案が発生しかねないことに恐怖を覚えました」。深刻な顔つきで語る。
人命救助の投稿は2.7万件以上の“いいね”を記録しており、「助かってよかった」「衝撃すぎる…」「危なかったですね、ご無事で何よりです。扉が閉まらない対策が必要ですね」「怖すぎる…無事でよかった」「ごみ出しにはスマホも必携ですね」「寒いから命に関わるよね。気付いたのナイスです」など、驚きと安堵(あんど)の声が多く寄せられている。
緊急事態を受けて、町内会は改善策に乗り出した。「無事でよかっただけで終わらせてはいけない。そう思い、翌日に町内会長さんと議員さんに事のてん末を伝えました。『回収業者以外はごみかごの中に入らないでください』という掲示を、町内のごみかご全箇所に貼り付けることが決まりました」とのことだ。
日常生活に潜む命の危険を考える契機になった。ノムラさんは「地域社会の希薄化も進んでおり、また同じことが起こったら……と思うとゾッとします。本件は単なる美談としてではなく、みなさんが身近に潜むリスクについてご近所さんと問題共有し、対策を考える機会になりましたら幸いです」とメッセージを寄せた。
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