東方神起・チャンミン、初のソロツアー完走に涙 日本デビュー20周年…キュヒョンも再び駆けつける

東方神起のチャンミンが7日、東京・豊洲のTOYOTA ARENA TOKYOで自身初となるソロツアー『CHANGMIN from 東方神起 CONCERT TOUR ~The First Dining~』最終公演を開催した。同ツアーは、8都市20公演のチケットが即完売で約6万5000人を動員。東方神起の日本デビュー20周年を祝う節目に、チャンミンがソロとしても大きな存在感を示した。

ソロツアーを行った東方神起のチャンミン
ソロツアーを行った東方神起のチャンミン

8都市20公演 チケット即完売

 東方神起のチャンミンが7日、東京・豊洲のTOYOTA ARENA TOKYOで自身初となるソロツアー『CHANGMIN from 東方神起 CONCERT TOUR ~The First Dining~』最終公演を開催した。同ツアーは、8都市20公演のチケットが即完売で約6万5000人を動員。東方神起の日本デビュー20周年を祝う節目に、チャンミンがソロとしても大きな存在感を示した。(取材・文=生島マキ)

 初のソロツアーのコンセプトは、“楽曲をコース料理に見立て、1曲1曲を味わってほしい”というもの。食卓を囲むような親密さを意識したステージは、通常の東方神起ライブでおなじみの始まりではなく、チャンミン自身のマイクアナウンスから始まった。会場には、東方神起の20周年を記念して行うソロコンサートを告げる声が静かに響き、チャンミンの声だけが先に立ち上がるという粋な演出に観客は心を傾けた。

「今日は大きい声で歌いましょう!」

 呼びかけとともに、会場はペンライトで真っ赤に染まる。オープニングは『Maniac』。フリルとレイヤーの真っ白なロングブラウスに黒いショート丈ジャケット、ダメージデニムを合わせたギャップのあるスタイルが似合っている。続く『Fever』を届けると、水色のエレキギターを手に『YAH YAH YAH』(CHAGE and ASKA)を歌唱。そのまま『Chocolate』へと続き、インタビューVTRへ移行した。

「とにかく僕の歌、音楽を何より楽しんでほしい。今回のツアーはホールという場所で、生バンドを入れて、みんなが僕に何を歌ってほしいかを考えました。きっと(みんなは)チャンミンの歌唱をじっくり聞きたいと思っているんじゃないかなって。若干大人っぽい、アーティストらしさが見えるパートを用意しています」

 5曲目『into The Water』では黒いジャケットを脱ぎ、純白の姿となったチャンミンがしっとりとバラードを聴かせた。ここからは本人いわく「セクシーなパート」。まずは「初めてのチャンミンソロ、全国ライブツアー、最終日にようこそ! さびしいんですけど、今年最後のライブというのは事実で、これ以上の追加はないからね」と笑いを誘い、「今回の僕のライブはコース料理に見立てています」。事前に公式で一部セットリストを公開している流れにも納得したようで、「“予習”するもよし、1曲を把握するだけでもよし」という親切設計になっていた理由を「それぞれの味をじっくりと満喫してほしい」と説明した。そして、「食べ物のように1曲1曲を味わってください! 最後まで大きい声で歌ってくださいね」と呼びかけた。

 ランニングするチャンミンのVTR動画をバックに歌う『道程』では、ファイナル限定の特別映像だったことを明かした。「最終日だから何か特別なことをしたい」というチャンミンに、「東京駅からTOYOTA ARENA TOKYOまでジョギングする姿を映像で流したらどうですか?」とスタッフに提案され、実現した企画だったことを伝えて照れ笑いした。

「みんなも運動してる?」というほのぼのトークから、アコースティックコーナーへ。バンド編成で届けられる『Gold Dust』、そして、「次の曲は、僕の友人のSUPER JUNIORのキュヒョンが好きな曲なんですけど……。昨日はゲストで出てくれました。でも、今日はいません。韓国に帰っちゃった」。観客がこの日もキュヒョンが登場することを知っていながらのジョークで笑わせ、バラードの『もう愛してると言えない』を歌い上げた。

 続く平井堅『POP STAR』を前に衣装チェンジ。パイピングがかわいい紺のブレザー姿に変わると、トロッコに乗ってアリーナへ。会場は一気にポップでカラフルなムードに包まれた。

 中盤の新曲『My Bad』では、ビギスト(東方神起ファンの総称)待望のダンスタイム。チャンミンが“宿題”として出していた簡単ダンスを観客全員が踊り、アリーナは大きな一体感になった瞬間、「なつかしい曲を歌います!」と声を上げた。

 その後、『世界が終わるまでは』(WANDS)をステージに戻ってギターを手に歌い、客席を見わたしてほほ笑んだ。テーマ通り、一流レストランの“おもてなし役”のように観客を楽しませ続けた。

「でも、あと2曲で終わらせたいと思います。ソロアーティストとしては曲がないから(笑)」

 笑いの中にラストスパートへの情熱を傾けながら、クライマックスへ向かった。チャンミンの高音がB’zの高音と重なる『イチブトゼンブ』、本編の最後には自身の『Human』を披露。20年をともに歩んできたファンに深く響き、壮大なスケールの歌声は、この夜のラストにふさわしい余韻を残した。

 そして、「シム・チャンミン」のコールが波のように押し寄せて、アンコールへ。バンド演奏が始まり、本人が登場。ゆずの『いちご』のカバーで、再びトロッコでアリーナへと向かった。

 一瞬、曲が止まると、メインステージに昨日に続いてキュヒョンが登場した。

「おらおら、僕が韓国に帰ったと思ったのか?」

 本編でチャンミンが「今日は来ていません」と冗談めかして場内をくすぐらせていた伏線が回収され、キュヒョンもトロッコでアリーナへ。会場が絶叫の渦に包まれる中、ゴールデンボンバー『女々しくて』で大盛り上がりを見せた。

 ラストは『Rise As One』『Over』を歌唱し、激しいコール&レスポンスを求めた『Rock with U』でフィナーレへ。チャンミンのロックな高音は、会場と心に強く残った。

 2時間30分で、全22曲。チャンミンは、その全てを揺るがぬ集中力とち密な表現力で届け、MCでも会場を笑わせ続けた。今回は踊るより“歌手・チャンミン”としての真価を示すステージに徹した。このソロツアーに臨んだ努力が痛いほど伝わってくると同時に、ビギストは至福のフルコースを味わい尽くした。

 そして、やり切ったチャンミンは目を潤ませて言った。

「TOYOTA ARENAでの公演は僕が4回目なんだそうで、1回目じゃないから堂々とおめでとうではないんだけど(笑)。でも、ソロとして初めてこのような場所で、この規模のライブができたことに感謝します」

 20周年真っただ中の東方神起。続いていく2人の先のために、ソロとしてのチャンミンが見せたかった世界。相方のユンホは韓国でソロアルバムをリリースした。来年4月に開催される東方神起にとって3回目の日産スタジアム公演へに向け、お互いの魅力を集結する準備は整った。

次のページへ (2/2) 【写真】東方神起・チャンミンソロツアーの様子
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