【ばけばけ】マーサ役女優の驚きの経歴 制作統括「ハーバード大学を卒業しMITでも…」
俳優・髙石あかりがヒロイン・松野トキを、トミー・バストウがレフカダ・ヘブンを演じるNHK連続テレビ小説『ばけばけ』(月~土曜午前8時)の第53回が10日に放送され、ヘブンの悲しい過去が描かれた。第53回の中盤からヘブンが過ごした1800年代後半のアメリカ・シンシナティを舞台とした映像となり、外国人キャストだけで約7分間物語が描かれた。制作統括の橋爪國臣氏に制作の舞台裏を聞いた。

セットにこだわり19世紀後半のシンシナティはプロ野球チームできたばかり
俳優・髙石あかりがヒロイン・松野トキを、トミー・バストウがレフカダ・ヘブンを演じるNHK連続テレビ小説『ばけばけ』(月~土曜午前8時)の第53回が10日に放送され、ヘブンの悲しい過去が描かれた。第53回の中盤からヘブンが過ごした1800年代後半のアメリカ・シンシナティを舞台とした映像となり、外国人キャストだけで約7分間物語が描かれた。制作統括の橋爪國臣氏に制作の舞台裏を聞いた。
アメリカを舞台にした設定でヘブンの過去がしっかり描かれた。まずその狙いを聞いてみた。
「地球の裏側で、波長が合う2人がたまたま出会ったというのがこの作品の核。今までトキの話をずっと展開してきましたが、一方のヘブンの話もちゃんと入れようということで書いたのがこの話です。ヘブンのモデルである八雲が日本に来るまでには生まれの話やアイルランド時代などいろんなエピソードがありますが、全てをドラマにすることはできませんので、どこかを抽出して彼のパーソナリティーがしっかり見えるようにしたいと考え、選んだのがシンシナティ時代の話です」
19世紀後半のシンシナシティ。人種差別の激しい時代に黒人女性と結婚したことで、仕事を失い、結局別れた悲しい過去が描かれた。
「ヘブンは定住を求めない通りすがりの人だったはずが、実は過去に一度結婚していたことが、この物語の彼のパーソナリティーを描く核になると思いこのエピソードを選びました。居場所のなかった彼が結婚して、うまくいかなかったことを描くことで、彼の背景を全部説明できますし、かつドラマチックに描けると思いました」
全員外国人キャストで英語だけのシーンが約7分続いた。
「このドラマを最初に作る時から、英語のセリフを日本語に吹き替えはせずにちゃんと生のリアルな声を届けようということは決めていました。日本の朝ドラとは思えないような英語の量があり、しばらく字幕が続き、朝の忙しい時間帯に見るのは大変かもしれませんが、ヘブンを演じるトミーの芝居が吹き替えでは台無しになると思ったんです。芝居の大切さをしっかり出したいと考え、思い切って字幕でいくことにしました」
アメリカの設定だけにセットも今までの松江の雰囲気から一変した。19世紀後半のアメリカの雰囲気を出す上でのこだわりも聞いてみた。
「19世紀後半当時のアメリカ・シンシナティは、プロ野球チームができたばかりです。シンシナティでは、レッドストッキングスが誕生しており、映像には野球を感じさせることが忍ばされていると思います。シンシナティらしさにこだわって作っていました」
外国人キャストにも気になる存在がいた。ヘブンの結婚相手・マーサを演じたミーシャ・ブルックス。どういう人物なのか。
「ミーシャさんもオーディションで決めました。日本でお芝居をしている黒人の女性の方は少ないので、海外からも呼ぶことにしました。ミーシャさんはアメリカにいる俳優で日本でも芝居をやりたいと言っていて、とても才能のある方というご紹介を受け、オーディションに参加していただきました。実際にお会いすると芝居がとても上手で、過去に日本への留学経験もあり日本語もトミー以上にペラペラ。とても才女でハーバード大学を卒業し、MIT(マサチューセッツ工科大)でも学んでいます。理解力があり、芝居の基礎ができていて、すごく演技力のある方。トミーとの英語での芝居を見て楽しいと思いましたし、アメリカの空気感が出ていたと思います」
作品は松江の没落士族の娘で、小泉八雲の妻・小泉セツとラフカディオ・ハーン(小泉八雲)をモデルに、西洋化で急速に時代が移り変わっていく明治日本の中で埋もれていった人々を描くオリジナルストーリー。「怪談」を愛し、外国人の夫と共に、何気ない日常の日々を歩んでいく夫婦の物語をフィクションとして描く。
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