「マジで迷惑」猟友会怒り…駆除用の箱わなドアが連続盗難 異常事態にネット「最悪の嫌がらせ」
有害鳥獣の駆除のために設置した「箱わな」に異変が――。鉄製のドアが何者かによって盗まれる被害が続出しているのだ。地元猟友会のメンバーが、SNSを通して困っている実情を報告。今回、不審人物が箱わなを蹴って閉めてしまう被害が発生したため、防犯カメラの映像公開に踏み切った。相次ぐ異常事態に、「やるせない気持ちでいっぱいです」。怒りと困惑で、頭を抱えている。

「ご連絡をいただければ話し合いでご説明もできた」
有害鳥獣の駆除のために設置した「箱わな」に異変が――。鉄製のドアが何者かによって盗まれる被害が続出しているのだ。地元猟友会のメンバーが、SNSを通して困っている実情を報告。今回、不審人物が箱わなを蹴って閉めてしまう被害が発生したため、防犯カメラの映像公開に踏み切った。相次ぐ異常事態に、「やるせない気持ちでいっぱいです」。怒りと困惑で、頭を抱えている。
福岡県内の山中に設置された、おりの形をした箱わな。真夜中に懐中電灯を持ち、半袖・半ズボンで軽装の人物が近付く。おもむろに足で蹴ると、箱わなのドア部分が勢いよく落ち、わなが閉まった。その人物は一度振り返り、立ち去っていった。
防犯カメラが記録していた迷惑行為の生々しい様子だ。
「箱罠のドアをパクられ続けたので『カメラ撮影中』とデカデカと看板もかけたのに撮ってないと思ったんかな? 何を考えてるん? マジで迷惑なんやけど」
猟友会メンバーは、Xアカウント「とある県下の猟友会(@k_f_ryoyukai)」で窮状を訴えた。11月22日の日中に設置し、同30日の夕方に箱わなの状況を確認。「(迷惑行為は)11月22日深夜から30日未明の時間と思われます。嫌がらせだとは思いますが、我々にも彼(彼ら?)に何の利があるか不明です」。理解し難い行為にため息をつく。
取材に応じた猟友会メンバーは、福岡県でイノシシ、シカ、アナグマ、アライグマなどを対象に、法律に基づいて自治体からの許可を得て行う有害駆除を中心に猟を行っており、「本業はサラリーマンですので、ほぼボランティア活動になります」という。
そもそも、箱わなをなぜ設置しているのか。「福岡県にはクマはいないので、イノシシ、シカ、アナグマが対象のわなになります。目的としては、保護林内の鳥獣数の管理になります。加害鳥獣が増え過ぎると、植生に壊滅的な影響が発生します」と説明する。
一方で、箱わなが使用不能になるドアの盗難被害が、8月下旬と11月上旬に相次いで発生。今年9月にはXで、「箱罠のドアをパクられた。この箱罠をここまで持って来るのどんだけ大変かパクった奴に分からせてやりたい」とSOSを発信していた。この時は、カメラのメンテナンスなどによって証拠映像を押さえることはできなかった。
今回は防犯カメラで不審者による迷惑行為が確認された。警察への通報に関しては「現在、過去の盗難と合わせて相談を検討しております」。さらなる対応を考えているという。
一連の迷惑行為に対して、ネット上では、「何者で何がしたいんだよ」「獣達よりよっぽど怖い」「ホラー映像やん」「え、怖っ、なにやってんの」「こんな装備でよく夜の山に行ける」「最悪の嫌がらせですね」「本当に許せない、悪質な行為ですね」など、批判の声が殺到している。
狩猟の箱わなが狙われる被害。「箱わなには管理のために連絡先など明記しております。何かあれば、ご連絡をいただければ話し合いでご説明もできたのにもかかわらず、卑劣な行為に出られたことを残念に思っております」。過去の盗難2件でなぜドアだけ盗んだのか。今回のドアを蹴る迷惑行為と関係があるのか、判然としないが、不可解なトラブルの連続に、猟友会は不安を強めている。
全国的にクマ被害が最悪ペースになっており、狩猟という行為自体に注目が集まっていることは確かだ。猟友会メンバーは狩猟の意義について考えを深めているといい、「生き物の命を奪う行為を行っているのは間違いない事実です。それを理解したうえで、本当に自分にできるか? ということを自問自答した後に猟師になられることを強く勧めます。また、その行為について自分には合わないと思い、猟師にならないのも立派な決断です。中途半端な気持ちで猟師になると鳥獣にとっても自分にとっても最悪な結果しか生みません」と話している。
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