中村獅童、AI通訳搭載の“超歌舞伎人力車”をお披露目 10周年の節目に「400年後も残る作品に」
歌舞伎俳優の中村獅童が2日、東京・中央区の歌舞伎座前で行われた松竹創業百三十周年『十二月大歌舞伎』で上演する“超歌舞伎”の人力車お披露目・試乗会に出席した。

人力車好きの息子たちには「報道見せない(笑)」
歌舞伎俳優の中村獅童が2日、東京・中央区の歌舞伎座前で行われた松竹創業百三十周年『十二月大歌舞伎』で上演する“超歌舞伎”の人力車お披露目・試乗会に出席した。
『十二月大歌舞伎』の第一部では、中村獅童が主演する超歌舞伎Powered by IOWN『世界花結詞(せかいのはなむすぶことのは)』を上演。超歌舞伎は古典歌舞伎とNTTの技術を始めとした最新テクノロジーを融合したもので、2016年に誕生。今年で10年目を迎え、これまでに上演されてきた作品の趣向や演出を取り入れた新たな物語が繰り広げられる。
今回は超歌舞伎10周年を記念し、AI翻訳機『ポケトーク』を搭載した超歌舞伎デザインの人力車をお披露目。超歌舞伎に出演する獅童と、バーチャルシンガーの初音ミクが掲載されたポスターが人力車背面に掲げられている。上演期間の26日までは、歌舞伎座前が発着場となり、超歌舞伎人力車が東銀座エリアの街をめぐる予定だ。
人力車を見た獅童は、「これでいろんな所を走るわけですから、我々にとってもとても良い宣伝になると思いますし、外国の方も人力車に乗るのをとても楽しみにしていらっしゃる方が多いみたいなので、外国の皆さんにも是非、超歌舞伎を見ていただきたいです」とアピール。「ミクさんのコスプレをしてらっしゃる方や、お子さま、広い世代の方たち、いろんな国の方たち。多くの人に乗っていただけたらうれしいですね」と呼びかけた。
今年は超歌舞伎10年の節目。獅童は「2016年に『ニコニコ超会議』のイベントの一環として始まり、まさか自分たちも10年続くとは思っていなかった」と明かし、「3年前(23年12月)に歌舞伎座でやっとやらせていただくことができました。徐々に超歌舞伎というものが定着してきているのかなと思います。やっぱり東京の“歌舞伎座”というのが我々のホームグラウンドなので、歌舞伎座でやらせていただくというのは感慨深いものがございます」と喜んだ。
また、「初音ミクさんは永遠に年をとらないので。我々がこの世を去った後も、この作品が300年、400年残ってくれたらうれしい。今は最新技術でやっておりますが、400年後にはこれが古典となって、『昔の人はこういうパネルで映像を出してたんだね』なんて言われる時代が来るのかもしれない。400年後に私のAIが、『超歌舞伎初演からずっと演じてきた中村獅童です』ってお客さまにごあいさつしている時代も来るのではないかと思っております」と期待。「超歌舞伎は、『古典歌舞伎』『最新技術』の融合でございます。『古典歌舞伎・過去へのリスペクト』と『未来へのロマン』ということで、夢を持って熱い気持ちで演じていきたいと思っています」と意気込んだ。
また、お練りなどで人力車に乗ったことがあるという息子の中村陽喜くん、夏幹くんも人力車が大好きだと言い、「今回、子どもを呼べばよかったかなぁ(笑)」とパパの顔。「今日の朝、子どもたちより早く家を出たので、『パパどこ行くの?』って言われちゃったんですよね」と明かし、「『歌舞伎座に決まってるだろ』って言いましたけど、これを見たら『いいな、乗りたかったなぁ』って言うかもしれないので、この報道は見せないようにします(笑)」と話し、笑いを誘った。
超歌舞伎人力車は、築地本願寺など歌伎座座を中心とした東銀座エリアを約10分周遊し、写真スポットなどをめぐる。期間中は1台で運行し、料金は2人で10分5000円。ポケトークが搭載されているため、観光ガイドも41言語の同時通訳に対応する。
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