『新語・流行語大賞』決定 世情急変で「新語をすべて把握している選考委員は誰もいなかった」
今年最も話題となった言葉を選ぶ現代用語の基礎知識 選「2025 T&D保険グループ新語・流行語大賞」の発表・表彰式が1日に都内で行われ、年間大賞は、内閣総理大臣となった高市早苗首相が自民党総裁に選出された直後に口にした「働いて働いて働いて働いて働いてまいります」に決定した。

辛酸なめ子、やくみつるらが担当
今年最も話題となった言葉を選ぶ現代用語の基礎知識 選「2025 T&D保険グループ新語・流行語大賞」の発表・表彰式が1日に都内で行われ、年間大賞は、内閣総理大臣となった高市早苗首相が自民党総裁に選出された直後に口にした「働いて働いて働いて働いて働いてまいります」に決定した。
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年間大賞は、高市首相の「働いて働いて働いて働いて働いてまいります」。その他の受賞後には「トランプ関税」、「エッホエッホ」、「緊急銃猟/クマ被害」、「国宝(観た)」、「古古古米」、「戦後80年/昭和100年」、「二季」、「ミャクミャク」、「オールドメディア」となった。
また、「選考委員特別賞」として「ミスタープロ野球」が選ばれている。
選考委員のコメントは以下の通り。
○神田伯山(講談師)
「はじめて流行語大賞の選考委員を仰せつかることになりました神田伯山です。今年は政治が大変に動いた年、SNSの力がさらに増した年でもあったように感じます。あらゆるエンターテインメントよりも政治の動向そのものが、それを超える『エンタメ』のような群像劇を感じさせられました。その他に映画の『国宝』や『鬼滅の刃』、さらに『ひょうろく』など純粋なエンタメの充実もあり、スポーツワード以外は充実の年と言えるでしょう」
○辛酸なめ子(漫画家・コラムニスト)
「ノミネート語を見ると、2025年は節目の年だったと感じます。『戦後80年/昭和100年』に史上初の『女性首相』が誕生し、映画でも現実でも『教皇選挙』が行われ、『7月5日』には日本に何かが起こってリセットされるところでした。それでも無事に大阪・関西万博は開催され、最初不吉に見えた『ミャクミャク』も今では国民的キャラクターに。『国宝』やヒット曲からのワードも話題になり、スポーツ系の言葉がないぶん文化系が強い年だったのかもしれません。『チャッピー』と延々会話して、このままますますインドア派になりそうですが……」
○パトリック・ハーラン(お笑い芸人)
「近年、日本の情報環境がどんなに多様化してきたかが流行語から伺えますね。昔はテレビ由来の『新語』が中心だったはずですが、今はテレビもあれば、TikTokなどのSNSでバズったものや巷で生まれたトレンドなども数多くランクインしています。選考委員の情報源もバラバラで新語をすべて把握している選考委員は誰もいなかったと思います。我々数人の間でも今年流行ったものが結構バラバラだったし、ミャクミャクへの評価も様々! 日本も日本語もますます面白くなっている気がします!」
○室井滋(俳優・エッセイスト)
「『昭和100年』というメモリアルな年には、さぞかしパッと華やいだ言葉が並ぶものと思いきや、実際には私達国民の生活に余裕がなくなって来ているのが浮きぼりになった。何てったって初の女性首相の『働いて働いて働いて働いて働いてまいります』が政治のキャッチフレーズになるくらいなのだから。『トランプ関税』や『古古古米』や『卒業証書19・2秒』にゲンナリし、『国宝』と『ミャクミャク』と『麻辣湯』で少し元気をもらったかんじ。数年前から被害総出の異常気象とクマ被害はさらなる局面をむかえて『二季』『緊急銃猟』と言葉の表現が変わった。来年こそ、誰もが笑顔で話したくなる流行語がもっともっと登場しますように」
○やくみつる(漫画家)
「今年前半を終えたあたりではコメ不足関連の語が多く口の端に上っていたものの、それ以外はめぼしい語が乏しく、先が案じられた。しかし、その後世情は急変。春を飛ばしてやって来たような夏はいよいよ苛烈を極め、地方政界では素っ頓狂な御仁が一人また一人……。そして秋には初の女性総理が颯爽と登場し、威勢のいい発信を連発してくれた。一方、生息域でのクマ被害が連日のように報じられ、『熊害』の文字も見たが、あれは『くまがい』?『ゆうがい』?どう読むのが正しかったのか。そしてスポーツ関連ではついに30候補に入る語が出ずじまいだった。そんな年に、発言のことごとくが流行語となっていた『ミスター・プロ野球』長嶋茂雄さんが亡くなった。ご本人とともに幾多の『長嶋語録』にも合掌――」
○大塚陽子(「現代用語の基礎知識」編集長)
「トランプ米大統領と米騒動の『米』関連だけがキーワードになりそうな上半期でした。時代とともに言葉も労働環境も変わるものですが、ワークライフバランスは捨てるものではないはずです。閉塞感の漂う言葉もノミネートされた中で、現在のSNSの無秩序な状況を考えると『オールドメディア』ばかりを批判するのではなく、真実を見つめる目を養う必要がありそうです。言葉は時代をあらわします。戦後80年という区切りの今年がどんな年だったのかを振り返り、言葉をひろう作業を続けます」
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