「ダムに虹がかかりました」→実はAI加工 国交省ダム管理所が謝罪「誤解を与えかねない投稿」
国土交通省の薗原(そのはら)ダム管理支所がSNS上に投稿した画像を巡り、ネット上で生成AIの使用を指摘する声が相次いでいる。「コンプラどうなってんの」「公的機関の信用を失墜させる行為」と批判が殺到したことを受け、同所はAI加工を認めた上で「間違い探し」だったと重ねて投稿、さらなる批判を呼んでいる。薗原ダムを統括する利根川ダム統合管理事務所は、事実関係を認めた上で「誤解を与えかねない投稿」として謝罪した。

AI生成に対する指摘が殺到したのち、「間違い探し」だったと開き直り
国土交通省の薗原(そのはら)ダム管理支所がSNS上に投稿した画像を巡り、ネット上で生成AIの使用を指摘する声が相次いでいる。「コンプラどうなってんの」「公的機関の信用を失墜させる行為」と批判が殺到したことを受け、同所はAI加工を認めた上で「間違い探し」だったと重ねて投稿、さらなる批判を呼んでいる。薗原ダムを統括する利根川ダム統合管理事務所は、事実関係を認めた上で「誤解を与えかねない投稿」として謝罪した。
問題の画像は27日午前11時34分、薗原ダム管理支所の公式X上で投稿。「薗原ダムに虹がかかりました」という報告とともに、ダム上空に虹がかかった画像が掲載されているが、ダム名が記された看板には、AI生成画像特有のいびつなゆがみにより、判読不明の文字が並んでいる。投稿には「11/26 16:00に放流停止→貯留へ移行した薗原ダム。たくさん下流へ補給した薗原ダムへ自然からのご褒美が…!(写真は12時ころ撮影)秋色の山々+虹=最高の景色」といった説明と、「#薗原ダム」「#虹」「#ダムのある風景」「#秋の彩り」などのハッシュタグが添えられている。
公的機関による一切説明のない生成AIの使用に、ネット上では「仮にも『国土』『交通』を名乗る者がAI生成画像を『実際の景色です』と騙るのは、コンプラどうなってんの」「不思議な字が書いてあるけど、AI画像では?」「〇〇ゲムってなんですか?」「『薗原ダム』の文字がめちゃくちゃになってるのはあり得ない」「ゲートの形が変わっている階段はぜんぶなくなっている。良く比べると、ありとあらゆるところが違う」「政府機関が公開した写真に対する信頼を永久に損ねる可能性がある危険な行為」と批判の声が殺到している。
薗原ダム管理支所はその後、翌28日午前10時46分になって投稿を更新。「11/27ポストの虹の写真。肉眼で見たよりも写真の虹が暗めだったので、AIで虹の色調整を依頼したところ、虹以外にも色んなところが改変されています。あえて元の写真は載せません! ぜひ現地で間違い探しをしてください」とAI加工を認めた上で弁解したが、この対応にも「言いわけが苦しすぎる」「AIで事実改変されたものを“間違い探し”と言い始めるのは公式として信じられません」など“開き直り”を指摘する声が相次でおり、火に油を注ぐ形となっている。
薗原ダムを統括する利根川ダム統合管理事務所の副所長は、ENCOUNTの取材に「担当者に確認したところ、写真をAIで加工していたことが分かりました。ただ、虹がかかっていたのは事実です。国交省ではまだAIに関する細かい取り決めがなく、担当者もよりきれいな写真をお見せしようという悪気のない修正でした」と経緯を説明。投稿は利根川ダム統合管理事務所が定めるX運用ポリシーに抵触する可能性があるとして、今後は削除の上、修正前の写真掲載を予定しているという。また、「間違い探し」との弁解についても、「何か新しい企画的なことをやってみようかというなかでの投稿でしたが、こちらも不適切と判断したので、削除を予定しています」とした。
一連の投稿に対し、ネット上で批判の声が殺到している現状については「公的機関としてご指摘を真摯(しんし)に受け止め、今後は事実の発信に務めていきたい。誤解を与えかねない投稿をしてしまい、大変申し訳ございませんでした」と謝罪。担当者の処分などは特に予定していないとしている。
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