16歳・青山姫乃、初演技挑戦を支えた満島ひかりの存在 撮影初日に3秒のハグ「安心できた」

ファッション誌「nicola(ニコラ)」の専属モデルとして活躍し、ティーンから支持を集めてきた16歳の青山姫乃が、俳優として新たな一歩を踏み出した。11月28日に公開された『兄を持ち運べるサイズに』では、初映画出演にしてメインキャストの座をオーディションでつかみ取った。「女優として大きくなりたい」と明確な目標を掲げる青山の素顔に迫った。

インタビューに応じた青山姫乃【写真:くさかべまき】
インタビューに応じた青山姫乃【写真:くさかべまき】

今後は役者としての飛躍を誓う「とにかくいろんな作品に出てみたい」

 ファッション誌「nicola(ニコラ)」の専属モデルとして活躍し、ティーンから支持を集めてきた16歳の青山姫乃が、俳優として新たな一歩を踏み出した。11月28日に公開された『兄を持ち運べるサイズに』では、初映画出演にしてメインキャストの座をオーディションでつかみ取った。「女優として大きくなりたい」と明確な目標を掲げる青山の素顔に迫った。(取材・文=中村彰洋)

 本作は、作家の理子(柴咲コウ)が、疎遠だった兄(オダギリジョー)の急死を知らされ、兄の元妻・加奈子(満島ひかり)とその娘・満里奈(青山)と共に兄の人生の後片付けをする4日間を描いた物語。村井理子氏によるエッセイ『兄の終い』を中野量太監督が映画化した。

 母親が応募した「ニコラ」オーディションで専属モデルに選ばれたことをきっかけに芸能界デビューを果たした青山。それまでファッションへの興味も薄く、チアダンスに夢中だったが、合格したことでモデルとしての生活が始まり、ファッションやメイクの知識をつけ、おしゃれを楽しむようになっていった。

 そんな青山にとって、今回が初の映像作品への挑戦。2025年3月に東海テレビ・フジテレビ系『介護スナックベルサイユ』でドラマ出演はしているものの、先立って今作の撮影は行われていた。そんな初の演技挑戦は、オーディションで射止めた役だった。

「それまでにもいくつかオーディションを受けていました。初めての映像のお仕事が映画になるとは思ってもみなかったので、合格の連絡をいただいた時は、とてもびっくりしたことを覚えています。まさか満島ひかりさんや柴咲コウさんと共演させていただけるとは思ってもいませんでした」

 オーディション時には、中野監督から丁寧な演技指導をしてもらったが、実際の撮影現場では、「等身大のそのままでいいから」というアドバイスが多かったとも明かす。

「私と満里奈は似ている部分もたくさんあったので、役作りというイメージはあまりありませんでした。監督さんも『素のままでいいよ』と何度も言ってくださって、リラックスして臨むことができました」

 撮影が青山の地元・山形県の隣県・宮城県で行われたことも何かの縁だったのかもしれない。母親役の満島とは撮影外でも密にコミュニケーションを取り、本当の親子のように過ごしたことを振り返る。

「撮影初日はとても緊張していましたが、満島さんが『ハグしよう』と声を掛けてくださったんです。3秒ぐらいでしたが、その時間がすごく温かくて、とても安心することができました。

 いろんなところにも連れて行ってくださって、カフェやご飯屋さん、一緒に差し入れの買い出しに行ったり、お芝居の話よりも日常的な会話をずっと隣で話せるような距離感を作ってくださって、すごく優しかったです」

 現場では、百戦錬磨の先輩たちの姿から学ぶことも多かった。「監督に質問をする勇気をもらいました」と今後の演技にも大きく影響を与える経験を積むことができた。

『兄を持ち運べるサイズに』で初映画出演を果たした青山姫乃【写真:くさかべまき】
『兄を持ち運べるサイズに』で初映画出演を果たした青山姫乃【写真:くさかべまき】

高校進学を機に親元を離れ上京、成長を実感「自分で何でもやるように」

 ニコラ専属モデルとしてデビューした当時は中学1年生。山形から1人で新幹線に乗り、撮影のために上京するという日々を送っていた。「それまでは、東京に行く機会もほとんどなかったので、最初はテンパってしまって、何回か乗り遅れそうになったこともありました」と苦笑いで振り返る。

「モデルの活動をしていく中で、ニコラの仕事に夢中になっていきました。撮影やファッションを勉強することが楽しかったです」

 一方で、事務所の演技レッスンを重ねる中で、次第に役者という仕事への興味を抱くようにもなっていた。

「演技はいろんな人格になることができるので、本当に楽しいです。いろんな現場で経験を重ねていきたいです。いろんな監督さんや作品と出会って人生経験を積んでいければと思っています」

 高校進学を機に、生活の拠点も東京に移した。親元を離れ、5つ上の姉と同居しながら、慣れない東京での生活を楽しんでいる。「お姉ちゃんとは、洗濯やゴミ出しなど、家事の押し付け合いをしています」と笑う。これまでは母親頼りだったスケジュール管理なども「自分で何でもやるように変わりました」と成長を実感しているようだ。

 今後は「女優さんとして大きくなりたいです」と明確に未来を見据えている。憧れの俳優は杉咲花。「表情がとても魅力的で、『私もこんな女優さんになれるように頑張りたい』と思っています」と役者目線で作品を見るようになったことも明かす。

「まずはとにかくいろんな作品に出てみたいです。お菓子が大好きなので、お菓子のCMにも出てみたいです」。これからどのような道を歩むことになるのか、16歳が描くこの先の未来に注目だ。

□青山姫乃(あおやま・ひめの)2009年8月4日、山形県出身。22年に第26回ニコラモデルオーディションでグランプリに選出され、専属モデルとしてデビュー。25年3月に東海テレビ・フジテレビ系『介護スナックベルサイユ』でドラマ初出演。11月28日公開の映画『兄を持ち運べるサイズに』で映画初出演を果たした。特技はダンス、趣味は猫のひげ集めで実家に2匹の猫を飼っている。

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