全治1年の顎の重傷から復帰、両親に2年ぶり勝利届け涙 竹林エル「安心させられて良かった」
第9試合では、顎の負傷から約2年ぶりの復帰となった竹林エル(伊澤星花チャレンジ)がサラ(fightbase都立大)に判定勝ちを収めた。両親が見守るなかでの激闘。試合後には「良かったぁ」と自らの胸を叩き、目には涙を浮かべていた。

作戦通りの動き「試合中にだんだんと自信がついた」
格闘技イベント「DAYS Presents DEEP JEWELS 51」(2025年11月23日、東京・ニューピアホール)第8試合 DEEP JEWELS 49kg以下 5分×2R
第9試合では、顎の負傷から約2年ぶりの復帰となった竹林エル(伊澤星花チャレンジ)がサラ(fightbase都立大)に判定勝ちを収めた。両親が見守るなかでの激闘。試合後には「良かったぁ」と自らの胸を叩き、目には涙を浮かべていた。
「星花さんの名前を汚しちゃいけない」。現役無敗王者を師匠に持つ竹林には試合前から大きなプレッシャーがあった。
「今までがもう緊張で、試合中に全く動けなくなったりとか、パンチ出そうって思ってるのに手が出ないこともありました。試合が始まって自分のしたいことができなかったり」
この日はこれまでと違っていた。1Rからバチンと会場に大きな音が響き渡るほどの強いローキックを繰り出し、パンチにミドルキックと上下に打ち分け、1Rからリズムを作っていった。「試合中にだんだんと自信がついた」という。
「練習でやってきたこと。間合いへの出入り、ステップ、足を使いながら散らして打撃を打つとかが、そのまま試合に出せました。『大丈夫大丈夫、できるできる』って」
セコンドの伊澤からの指示が常に飛んでいた。1Rの中盤には、突然打撃の展開から切り替えてテイクダウン。2年ぶりの試合だったが緊張はなく、頭も落ち着いていた。
セコンドと観客をひやりとさせたのがサラの足関節だ。グラウンドの展開でたびたび足を狙われ、対応に追われた。
「結構しつこかったですね。足関節の怖さを知れていないから怖さはなかったんですけど、2R目始まったときに、若干動きづらい、やりづらさは感じました」
惜しくもフィニッシュをすることはできなかったが、ラスト30秒には執念とも言えるパウンド。技術面での成長だけではなく、気持ちも見せていた。
終了のゴングが鳴ると我慢していたものがあふれた。竹林の視線の先に映ったのはケージの外で試合を見守った福井に住む両親だった。“伊澤星花チャレンジ1期生”に選ばれて一番喜んでくれた存在だ。「お父さんとお母さんが試合終わった後に泣いているのが見えて、安心させられて良かった」とにっこりと笑った。
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