若村麻由美、別れ回想で目に涙 昨年亡くなった母と恩師・仲代達也さんに思い「私たちの心に一緒にいる」
俳優の若村麻由美が23日、都内で行われた舞台『飛び立つ前に』のプレスコールと取材会に出席。初の老婆役で出演する舞台への意気込みを語り、大切な人への思いを明かす場面があった。

舞台『飛び立つ前に』プレスコール&取材会
俳優の若村麻由美が23日、都内で行われた舞台『飛び立つ前に』のプレスコールと取材会に出席。初の老婆役で出演する舞台への意気込みを語り、大切な人への思いを明かす場面があった。
本作は、フランス演劇界の名優ロベール・イルシュのためにゼレールが書き下ろした作品であり、彼が91歳で出演した最後の舞台。国際的に高く評価されている作品で、日本では待望の初上演となる。主演の橋爪功が著名な作家・アンドレを演じ、若村は妻・マドレーヌ役で出演する。
劇中の衣装で取材会に登場した若村は、「この格好をすると自然とこういう(腰が曲がった)姿勢になってしまいます。条件反射のようにおばあちゃんのように。舞台の上では初のおばあちゃんの役ということで、いろいろ大変でした」とコメント。「幸せな家庭に嵐が呼び起こされ、そして最後に飛び立つ。ラストシーンが本当に美しいので、楽しみにご覧いただけたら」と予告した。
「感情を揺さぶる作品となりますが、どんな人に届けたいか?」という質問には、「大切な人を失ったことがある人に見ていただきたいです」と回答。「個人的には昨年、母が飛び立ちました。そして今月、私の恩師・仲代達矢さんが飛び立ちました。奥様はずいぶん前に飛び立たれました」と大切な人との別れを回想すると、目に涙をにじませ「今この世にいない人たちも私たちの心に一緒にいるというあたたかな光を感じていただけるような作品ですので、安心して見にいらしてください」とメッセージを送った。
今作のオファーを受けた際、出演をためらったという若村は、「第1作目『Le Pere父』(2019年)で父と娘役をさせていただいた橋爪さんと今回は50年連れ添った仲のいい夫婦をさせていただくことにあたり、『とてもできないな……』と正直思ったんです。なので、全く自信がないです。作品を台無しにしかねないので、『私にはできません』と最初にお話ししました」と告白。共演者の岡本圭人は「何も問題ないです」とフォローを入れた。
プレスコールと取材会には、奥貫薫、前田敦子、剣幸、演出家のラディスラス・ショラー氏も参加。主演を務める橋爪も参加する予定だったが、体力面を考慮して急遽欠席となった。
本作は、11月23日から12月21日まで東京芸術劇場シアターイーストにて上演。東京公演後は、兵庫、島根、宮崎、秋田、富山での上演が予定されている。
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