北村匠海、映画『しびれ』のオファーは朝ドラ撮影時 「かなり迷った」と回想も監督の言葉で出演決断
俳優の北村匠海が22日、主演を務める映画『しびれ』(内山拓也監督、2026年公開)のワールドプレミア舞台あいさつに登壇した。

映画『しびれ』ワールドプレミア舞台あいさつ
俳優の北村匠海が22日、主演を務める映画『しびれ』(内山拓也監督、2026年公開)のワールドプレミア舞台あいさつに登壇した。
第26回東京フィルメックス・コンペティションに選出された本作は、内山監督が『佐々木、イン、マイマイン』よりも前から執筆を続けてきた構想十余年のオリジナル脚本。内山監督の故郷である新潟を舞台に、居場所とアイデンティティを模索する少年の物語を自伝的作品として描いた作品となっている。
青年期の大地を演じた北村は、どこにも居場所がない孤独な少年期をくぐり抜け、自分のもとを離れた父への静かな怒り、そして女手一つで自分を育てた母に対し、憎しみと愛、相反する感情に揺れる心の内を見事に体現。本作のオファーを振り返り「監督が人生で一番最初に書いた脚本、自分自身の人生の話だということで、最初、僕は朝ドラをやっている最中だったので、向き合いきれるかどうかというところで、かなり迷った」と明かし、「何度も話し合いを重ねていく中で、一緒に『この映画で一緒に心中してくれ』というソリッドな言葉ですけど、僕はそこに胸をうたれまして、この映画を誰よりも愛そうという思いでやりました」と語った。
撮影については、「ある意味、監督にとって自傷行為とも言えるくらい自分を削って作品を作っていた」と言及。「目の前で巻き起こる僕たちの芝居も監督が1番感じて涙し、時に笑ったりというのを僕は肌で感じていたので、僕は絶対に監督が言うことにNOを出さない。北村匠海という要素をかき消した。ほくろを消したり、とにかく北村匠海であることを消して演じていました」と熱弁し、「オールアップして監督と抱きしめあった時に、この日々は間違いではなかったという気持ちになりました」と自信を覗かせた。
「役者というものは8割、役作りという面で役になっていると思っていて、残り2割は僕自身が歩んできた人生、感じてきたこと、言葉にしてきたこと。2割は残せというので100%お芝居は成り立っているのだと思う」と語ると、「今回は僕自身の2割残すところを、とにかくかき消す作業をずっとやっていた」と説明。「今回は心の枯渇というのが大事だった。寝ない、食べない、肉体的なところもやりました。見た目で伝わる部分ではなく、僕が大地という役と向き合ううえで大事だった。北村匠海史上1番くまが出ている。僕にとってはすごく必要な時間でした」と
舞台あいさつには、内山監督、少年期の大地を演じた榎本司、加藤庵次、穐本陽月の3人も参加した。
あなたの“気になる”を教えてください