中村獅童、初音ミクとコラボする超歌舞伎が10周年 息子との共演に感慨「夢にも思っていなかった」

歌舞伎俳優の中村獅童が14日、都内で行われた超歌舞伎 Powered by IOWN『世界花結詞(せかいのはなむすぶことのは)』の取材会に出席。今作の見どころを語った。

取材会に出席した中村獅童【写真:ENCOUNT編集部】
取材会に出席した中村獅童【写真:ENCOUNT編集部】

超歌舞伎 Powered by IOWN『世界花結詞』取材会

 歌舞伎俳優の中村獅童が14日、都内で行われた超歌舞伎 Powered by IOWN『世界花結詞(せかいのはなむすぶことのは)』の取材会に出席。今作の見どころを語った。

 初音ミクを中心としたバーチャルシンガー(ボーカロイド)とコラボレーションした“超歌舞伎”は、古典歌舞伎とNTTの技術を始めとした最新のテクノロジーが融合。2016年から始まり、誕生から10年を迎え、再び歌舞伎座に登場する。

『十二月大歌舞伎』(初日12月4日~26日千穐楽)の第一部で上演される『世界花結詞』は、これまでに上演されてきた作品の趣向、演出を取り入れて新たに紡がれる物語。源朝臣頼光と袴垂保輔(はかまだれやすすけ)の2役を中村、傾城七綾太夫(けいせいななあやだゆう)将門息女・七綾姫を初音が演じ、歌舞伎ならではの様式美と醍醐味、NTT社の技術を用いた分身の術など、古典歌舞伎と最新の技術が融合した超歌舞伎ならではの大作が誕生する。

 会見に登壇した獅童は、「2年ぶりに歌舞伎座に超歌舞伎が帰ってまいりました。私もうれしく思っています」とあいさつ。「2016年に作らせていただいて、その時はこんなに長く続くとは思っていませんでした。その時は自分の子ども2人が誕生していませんので、自分の子どもと超歌舞伎で共演するとは夢にも思っていなかった」と感慨深げに語り、「とても長い道のりでございましたが、歌舞伎専門の劇場に進出できたことは、僕だけではなく長い間、応援し続けてくださったファンのおかげだと思っています」と感謝した。

 開始当初は、バーチャルチームと意思疎通ができず、何度も衝突したことを告白すると、「バーチャルは作っているのは人間なので、人間の心が通っているんです」と言及。過去作の冒頭(オープニング映像)を振り返り、「僕もあとからスタッフの人から聞いて分かったんですけど、私の母が本当に1秒、2秒くらい一瞬映るんです。赤ん坊の(長男)陽喜を抱っこして和服を着ている母が一瞬映る」と明かした。

「陽喜が誕生した時には、もう母は亡くなっていたので、孫を抱くことができなかったのですが、バーチャルの絵を作っていらっしゃる方がちょっとした遊び心で(作ってくれた)。うれしいですよね。心が通うというか、超歌舞伎に母も出演しているんだと感じました」と思いを伝えた。

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