親友Sareeeから「くすぶってる」と指摘 なつぽい、「尊敬のあまり悔しくなる」と語った理由

新宿FACEで9回目の「Sareee-ISM」が10日に開催される。メインはSareeeが鈴季すずと組み、Sareeeの親友・なつぽいが橋本千紘と組んで闘うタッグ対決。Sareeeとなつぽいの両者にとっては盟友対決になる。だからこそ会見でSareeeはなつぽいに対し、愛のある叱咤の言葉を浴びせた。一体両者の対決はどうなるのか。

親友・Sareeeとの盟友対決についての思いを吐露するなつぽい
親友・Sareeeとの盟友対決についての思いを吐露するなつぽい

Sareeeの活躍は「素直にめちゃくちゃ嬉しい」(なつぽい)

 新宿FACEで9回目の「Sareee-ISM」が10日に開催される。メインはSareeeが鈴季すずと組み、Sareeeの親友・なつぽいが橋本千紘と組んで闘うタッグ対決。Sareeeとなつぽいの両者にとっては盟友対決になる。だからこそ会見でSareeeはなつぽいに対し、愛のある叱咤の言葉を浴びせた。一体両者の対決はどうなるのか。(取材・文=“Show”大谷泰顕)

「最近のなつぽいって、なんかすごくくすぶってるなーって感じがすごいしてて。STARDOMのリングのなかで。なんだろう、言い方はすごい悪いけど、(STARDOMに)飼い殺しにされてるんだなあっていう感じ」

 10月29日の会見で、Sareeeがなつぽいに対してそう言い放った。かなり辛辣な物言いだったが、あきらかになつぽいを怒らせようとしていることが伝わってきた。このSareeeの発言について、あらためてなつぽいに話を聞いてみると、なつぽいは「飼い殺し……って言われちゃいましたね」と苦笑しながら、次のように答えた。

「Sareeeは私のいろんなものを見透かしてるなっていうふうには思ったし、私自身がもがいていること、感じていることは自分が一番分かるじゃないですか。それを『飼い殺し』っていう言葉だったかもしれないけど、Sareeeなりに引き出そうとしてくれているんだろうなって思いました」(なつぽい)

 さらに、なつぽいは「悔しいですね、すごく」と続けると、「ただ、その悔しいはSareeeに対して『なんてこと言うんだ』じゃなくて、自分自身への悔しさが大きいなと思います」と、あくまで自分の問題だと大人の対応を見せた。そして、「Sareeeはいろいろ言われがちですけど、まっすぐで純粋。私に対してはいつも愛にあふれているなあって思っています」との見解を示した。

 振り返るとなつぽいは、WWEとの契約を満了したSareeeが2023年に凱旋帰国して以降、親友としてその活躍を見守ってきた。その間、SareeeはSEAdLINNNGやMARIGOLDのベルトを巻きながら、昨年は女子プロレス大賞も獲得。今年の6月には、なつぽいの所属するSTARDOMのリングでIWGP女子王者にも輝いた。

 この快進撃をなつぽいは、「素直にめちゃくちゃ嬉しい」と話した。親友ならば決して不思議ではない言葉ではあるものの、やはりこの言動には若干の違和感を覚える。同じプロレスラーとして、本当にそれでいいのか、と。

会見上、なつぽい(右)はSareeeから「最近くすぶってる」と指摘を受けた
会見上、なつぽい(右)はSareeeから「最近くすぶってる」と指摘を受けた

「Sareeeは対戦相手の闘志も引き出す」(なつぽい)

 するとこちらの思いを察してか、なつぽいはその真意を以下のように語った。

「Sareeeが報われる瞬間は本当にうれしくて。実際、IWGPを朱里さんから初めて獲った時は、STARDOMの人間としてはおかしな感情だったかもしれないけど、泣いちゃって。うれしくて。っていうくらい、Sareeeが報われる瞬間はいつでもうれしいんです。どんな時でも」

 そう話したなつぽいだったが、この後、「だけどいちレスラーとしては……、なんて言うんだろうな。尊敬のあまり悔しくなるっていう感じ」と話した。

 この言葉を聞けた時に、ようやくなつぽいの本音を聞けた気がした。そうでなくては両者の対決に“乗る”ことは難しくなる。

 たしかにここ数年のSareeeの言動や行動は、さまざまな挑発を含んだ物言いや刺激的な動き方になることが多く、その分、誤解を受けることにもつながってきた面はあった。それでも、例えばIWGP女子王座を朱里から奪った試合では、Sareeeの勝利に対して本気で憤慨する観客の姿を目にすることができた。あれはSareeeでしかできない離れ業だ。

「ホントすごいと思います。SNSでも、Sareeeの発する言葉の一つひとつが良くも悪くも盛り上がっているじゃないですか。それってプロレスラーとして、ホントにすごいなって思います」(なつぽい)

 なつぽいはその熱を作ったSareeeのすごさを素直に認めながら、さらに興味深い言葉を口にした。

「SareeeがSTARDOMに上がり始めて、選手からもお客さんからもいろんな声があると思うんですけど、私が思うのは、Sareeeと闘うってなると、闘う前の選手の表情も心構えも、普段のSTARDOMの試合と全然違うんですよ」(なつぽい)

 なつぽいいわく、「(10月28日の後楽園ホールでSareeeと闘った)コズエン(COSMIC ANGELS)の水森由菜選手の表情も引き締まっていたし、覚悟を決めていたし。実際に試合では、あんな水森選手を見たことがないっていうくらい、Sareeeはそういう水森選手(の闘志)も引き出すんですよね」と語りながら、「私にできるかっていったら、どうなんだろうって。そこは悔しい」と付け加えた。

 とはいえ、さすがは親友だけあって、なつぽいの口から飛び出すSareeeへの分析はどれも的を射ている。

 最後になつぽいは、Sareeeとのタッグ対決に向けて、その内なる思いをこうコメントした。
「闘いの世界で、自分自身の殻を破るのかっていうのもありますし、いろんな意味で転機になるような闘いにしたいと思っています」

 自他共に認める親友関係にあるなつぽいとSareeeによる久々の邂逅はリング上で何を生み出すのか。両者の友情物語の行方はもちろん、果たしてなつぽいがSareeeの牙城をどれだけ崩すのかにも大きな注目が集まる。

次のページへ (2/2) 【動画】なつぽいが会見上で指摘を受けた実際の映像
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