ウルフは「ヒールをやったほうがいい」 高田延彦には「どうしちゃったの!」…“暴走王”小川直也がエール
「俺だったらウルフをボコしに行く」――。バルセロナ五輪柔道銀メダリストの小川直也が自身のYouTubeチャンネル「暴走王チャンネル」を更新した。動画内で小川は、東京五輪柔道男子100キロ級金メダリストのウルフ アロンのデビュー戦について言及。また小川は、ハッスル時代の盟友・高田延彦の柔術挑戦についても注目発言を行っている。

柔術家・高田延彦にはエール
「俺だったらウルフをボコしに行く」――。バルセロナ五輪柔道銀メダリストの小川直也が自身のYouTubeチャンネル「暴走王チャンネル」を更新した。動画内で小川は、東京五輪柔道男子100キロ級金メダリストのウルフ アロンのデビュー戦について言及。また小川は、ハッスル時代の盟友・高田延彦の柔術挑戦についても注目発言を行っている。(取材・文=“Show”大谷泰顕)
先月13日、両国国技館で、新日本プロレスの悪徳集団ハウス・オブ・トーチャー(HOT)の面々がヤングライオンらを暴行していた際、練習生としてセコンドに就いていたウルフが突然リングイン。HOTのメンバーを柔道技で蹴散らした。
その際の映像を確認した小川は、「柔道家なんて来る相手に臨機応変に投げれるんだからさ。それくらいはなんでもできるっしょ」と話すと、「ただ、俺の経験上だと、シューズを履いてリング上で投げるっていうのは、なかなか難しいんだよ、あれ。シューズも薄っぺらいレスリングシューズだと、それでまた違うんだよ。なぜかっていうと柔道って裸足じゃん。裸足とシューズを履くと違うんだ、あれが」と発言。
「柔道は摺り足だけど、プロレスはバタバタ(ステップ)して歩く」と話しながら、「別に(ウルフも)それにすぐ適応できると思うよ」とも話した。
しかし小川からすると、それよりも気になることがある。それがウルフがマイクで何を話すか。
「そこで(ウルフが)何を言って、人が感情移入ができるかできないかだから。役者でもなきゃいけないし。自分がなりきれるかなりきれないか。それはヒールだろうがベビーだろうが」と話すと、「俺なんかウルフはヒールでやったほうがいい気もするんだけどね」との見解を述べる。
それでも、対戦相手は新日本プロレスの極悪レスラー・EVILに決定したことを告げると、「ヒールのオーラが出ていたのはウルフのような気がする。EVIL選手のほうがベビー(フェイス=善玉)っぽく見えたよ。俺の目にはそう見えちゃったよ」と話し、「俺だったらね、ウルフをボコしに行きますよ」とまとめた。
その後、ウルフはEVILの持つNEVER無差別級王座を賭けたタイトルマッチとしてデビュー戦を行うことになったが、小川はタイトル戦云々を抜きにして、「俺にしてみれば、この展開はキツいんじゃねえかな。クリーンスタートはキツいんじゃねえかな」と話した。
小川いわく、「ヒールは関係ないもん。やりたいことを自分のペースで突っ込んじゃえばさ。(ウルフは)ヒールな気がするけどな。ヒールぽいじゃん。あれでどうやってベビーに持っていくんだって。そっちのほうがね。そういう見方をしちゃいますね」と語った。
ウルフがヤングライオンとして他の若手と同列に近い状態からデビューする道を進むのに対し、小川の場合はプロ入りを表明してからわずか2か月で、当時のIWGPヘビー級王者だった橋本真也とのノンタイトル戦でデビューを果たした(1997年4月12日、東京ドーム)ため、あくまで「外敵」としての扱いだった。
小川が盟友・高田延彦との対談を公開要望
しかもその際の小川は柔道着を着たままリングに上がったが、「あれはまだ柔道家のカラダだったから。これからの方向性を含め、急なことだったから。最初は半年、1年かけて(デビューさせる)って話だったからさ。それが(諸事情により)急遽(デビュー戦)になっちゃったから。『これは柔道着を着よう』って(アントニオ)猪木さんからの提案もあって」と柔道着でのデビューを果たした裏に、師匠・猪木の存在があったことを明かした。
ちなみにプロとしてデビューした後、猪木は小川に対し、「次、(柔道着を脱いだ姿を)お披露目した時にはガラッと変わる。それが大事だから」と指導し、小川いわく、「(体型が)ガラッと変わるまでの猛特訓」として、3か月で20キロ減量という肉体改造に至ったことをコメントした。
そして小川は、そもそも論として「(ウルフは)柔道の時のイメージが全く薄れている。それが狙いなのかわからないけどね」と話すと、「一番大事なのは柔道の選手が別の世界で成功すること」と語り、ウルフのデビュー戦を楽しみにしている様子だった。
さらに小川は、最近、ハッスル時代の盟友である高田延彦がヒクソン・グレイシーに柔術を習い、茶帯を獲得。茶帯の大会に出場し、体重制限のある階級(94キロ以下の茶帯ヘビー級)で優勝を果たしたことを聞きつけ、「どうしちゃったの!」と嬉しそうな表情を見せつつ、「開花したねえ! どうしちゃったの! 素敵だねえ。挑戦は素敵だけど、どうしちゃったの?」と満面の笑顔で話すと、「今度、そういうことを含めたらノブちゃんと対談したいね」と衝撃発言。
小川はその理由を「だってさアマチュアでしょ、それ。アマチュアのチャンピオンじゃん」と話すと、「アマチュアは大変だよ。俺もアマチュアをやってきたから。俺的にはアマチュアの先輩だから」と話し、プロ入り前にアマチュアを究めて柔道の世界王者に登り詰めた経験を持つ男だからこそ、独自の見解を示す。
「(高田は)今現役でしょ? 俺はアマチュアの先輩だけど、今の年齢で現役をやって、楽しんで……楽しんでいるんだよなあ! 俺も(最近取得した)宅建(資格)の話とかぶるけど、楽しいんだよ。(高田は)減量までしてんじゃん。すごいなあ。やるなあ、ノブちゃん」と語り、「高田さん、是非是非、対談をお願いします!」と対談を要望した。
アマチュアとプロの世界双方を知る小川が、ウルフと高田の進む方向性を俯瞰して見ていく姿は、なかなか興味深い。果たしてウルフのデビュー戦の結果やいかに? 小川と高田の対談は実現するのか……?
(※一部敬称略、高田延彦の「高」の正式表記ははしごだか)
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