「なんで自分が…」“クレイジージャーニー”出演の洞窟探検家が栄誉に驚き「一番未踏の世界に」

一流の登山家や冒険家、探検家など、名だたる本格派のアウトドアズマンが一堂に会する野外フェス「NEW WORLD OUTDOORSMAN FESTIVAL」が7日、茨城・涸沼自然公園キャンプ場で開幕し、日本を代表する冒険家に贈られる「植村直己冒険賞」受賞者4人による豪華座談会が催された。

昨年、植村直己冒険賞を受賞した洞窟探検家の吉田勝次氏【写真:ENCOUNT編集部】
昨年、植村直己冒険賞を受賞した洞窟探検家の吉田勝次氏【写真:ENCOUNT編集部】

「植村直己冒険賞」受賞者4人による豪華座談会

 一流の登山家や冒険家、探検家など、名だたる本格派のアウトドアズマンが一堂に会する野外フェス「NEW WORLD OUTDOORSMAN FESTIVAL」が7日、茨城・涸沼自然公園キャンプ場で開幕し、日本を代表する冒険家に贈られる「植村直己冒険賞」受賞者4人による豪華座談会が催された。

トップアイドル時代にバイクでアメリカ横断、ベンツ、ロードスター…多彩な愛車遍歴(JAF Mate Onlineへ)

『クレイジージャーニー』などのテレビ出演で知られ、昨年同賞を受賞した洞窟探検家の吉田勝次氏を迎える形で行われた座談会。はるかなる人類の足跡“グレートジャーニー”をたどった探検家で同賞の選考委員も務める関野吉晴氏、日本人初となる南極点への無補給単独踏破を達成した極地冒険家の荻田泰永氏、北海道分水嶺積雪期単独縦断を成し遂げた登山家の野村良太氏ら豪華ゲストが集うまたとない機会に、聴衆からは大きな歓声が上がった。

 受賞の喜びについて、吉田氏は「『1000以上の洞窟に入った男』って紹介されるんですけど、オリンピックで金メダルを取ったとか、何か記録的な成果があるわけじゃない。なんで自分がって考えたんですよ。そこで初めて、多分日本で誰よりも一番未踏の世界に行ってるだろう、と。そこだけです。ただただ未踏に行ってる、誰も行ったことがない世界を見てる人間だからと、自分で納得した感じですね」と振り返った。

 選考委員の関野氏は「推薦委員が偏ってるんですよ。アルパインはいるけど、キャニオニングとか渓谷、沢登りなんていないし、洞窟もいない。だから実は一昨年、彼(吉田)は落ちてたんです」と裏事情を暴露。「このままだったら僕、審査員辞めますからって言って。審査員は4人だから、僕は『いや、この人すごい人だから、みんな』って。館長も知らなかったんだから」と強い推薦があったことを明かした。

 吉田氏は、賞の名を冠した故・植村直己氏について「本当に僕の憧れの人で、登山を始めた時にちょうどたまたま植村さんのビデオをレンタルコーナーで見つけたんですよ。21、22歳ぐらいのときで、当時は植村直己さんって知らなくて。僕もめちゃめちゃスポーツができるわけじゃないし、体もそんな強くなかったから、植村さんを見た時に『これは自分だ!』って思って」と回想した。

 その後、話題は受賞者の今後の挑戦に。荻田氏は「北極は面白いんですよ。北極に飽きたわけじゃない。ただね、なんでだろう、『自分がどこまでできるんだろう』みたいなことに対する興味がだいぶなくなってしまった。それよりも、今は北極という自分が立ってきた物語の舞台そのものに興味がある」と本音を口にし、4人の中で最年少の野村氏は「2年前に登れなかった(ヒマラヤの)未登峰に登ろうっていう計画はあるんですけど、それとは別でやっぱり単独の山が好きだなっていう感覚はずっとあって。それで何かやれないかなっていうのはずっと思っている。日本海から太平洋まで、アルプスを冬につなぎたいなっていうのはもうずっと思ってる」と長年温めている夢を明かした。

次のページへ (2/2) 【写真】気球やパラグライダー、カヤックなど、様々なアウトドアアクティビティーがそろったフェス会場
1 2
あなたの“気になる”を教えてください