KAT-TUN異例の解散後ライブ、デビュー曲で元メンバーが音声“出演” 「青春だった」涙のあいさつでファンに感謝

KAT-TUNが8日、千葉・ZOZOマリンスタジアムでラストライブ「Break the KAT-TUN」を開催した。今年3月をもって解散したKAT-TUNが、ファンに感謝を伝えるべく異例の“解散後ライブ”を実現させた。会場に集った約3万人とFAMILY CLUB onlineでの生配信で見守るハイフン(KAT-TUNファンの総称)に、全シングル曲51曲のラストパフォーマンスを届けた。

KAT-TUNがラストライブを開催
KAT-TUNがラストライブを開催

3月末で解散した3人、一夜限りの復活

 KAT-TUNが8日、千葉・ZOZOマリンスタジアムでラストライブ「Break the KAT-TUN」を開催した。今年3月をもって解散したKAT-TUNが、ファンに感謝を伝えるべく異例の“解散後ライブ”を実現させた。会場に集った約3万人とFAMILY CLUB onlineでの生配信で見守るハイフン(KAT-TUNファンの総称)に、全シングル曲51曲のラストパフォーマンスを届けた。(取材・文=水谷賀奈子)

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 会場のメインステージにはKAT-TUNのライブの象徴とも言える海賊船のセットが組まれており、デビュー前のライブやグループの歴史に思いを馳せたハイフンも多かったはずだ。開演時間の午後5時になると、元メンバーの赤西仁、田中聖、田口淳之介を交えた6人のライブ映像がスクリーンに流れた。そして、『ハルカナ約束』の1フレーズをアカペラで歌いながら、3人(亀梨和也、上田竜也、中丸雄一)がメインステージ上のゴンドラから姿を現した。上田による「最後の出航だ!」の合図と楽曲『GOLD』に花火や炎の特効演出があわさり、KAT-TUNらしいど派手なスタートとなった。

 続く『WILDS OF MY HEART』『青天の霹靂』『SHE SAID…』ではムービングステージに乗りながらセンターステージ、バックステージへと移動。「準備はできてんのか!」「最高の歴史を作るぞ」とハイフンをあおり、亀梨がサングラスを外して顔を覗かせるとハイフンからは“悲鳴”があがった。

 メインステージに3人が戻るとステージには6色のメンバーカラーの照明が。照らされながら歌うのは、KAT-TUNデビュー曲の『Real Face』だ。スクリーンに写された当時の6人の映像に加えて、かつての元メンバーのソロパートを3人が代わりに歌うのではなく当時の元メンバーたちの音声が流れるというエモーショナルな演出で魅せた。

 3人が海賊風衣装からジャケットスタイルに衣装チェンジして歌ったのは『RESCUE』『ONE DROP』『喜びの歌』『僕らの街で』など。メンバーが主演を務めたドラマ主題歌で思い出を振り返っていく。

 スタジャンやデニムなどカジュアル衣装に着替えた3人は『Going!』『In Fact』『FACE to Face』『UNLOCK』『YOU』『CHANGE UR WORLD』などをノンストップで歌唱。花道やトロッコから、歌詞に合わせてハイフンを指差すなどの“ファンサービス”をする度に歓声が上がっていた。

花火と炎を組み合わせた迫力満点の演出も
花火と炎を組み合わせた迫力満点の演出も

最後の曲は『Real Face #2』

 3人がメインステージにそろうとMCタイムへ。中丸が「このコンサートの概要を簡単に……。実は僕ら、解散してます!」と切り出すと、ハイフンは「えー!」と反応。続けて「ですけれども、その声が届いたんです。最後、皆さんと集まる機会が今日実現しました」と説明した。

 中丸は「でも、解散したグループのMCって何話せばいいの? 元気してた? なにか変わった?」と2人に目を向ける。グループ解散と同時に独立した亀梨が「俺は結構変わってるかな」と明かすと、上田は中丸に「最近何してた?」と質問した。中丸が「文春の連載を書いてました」と一言。中丸のスキャンダルを報じた週刊文春での連載に、上田は「どんな気持ちで書いてるの?」とさらに突っ込んだ質問。「一周回っておもしれぇなって。媒体がどうこうというよりは、書ける喜びを感じていますね」と笑顔で答え、会場の笑いを誘った。

 白の衣装でスタートした後半戦は、『CRYSTAL MOMENT』『EUPHORIA』『BIRTH』などで3人は息のあったダンスとハモリでハイフンを魅了した。

 そして、真っ赤な衣装に雰囲気をガラリと変えて歌ったのは『We Just Go Hard feat. AK-69』『LIPS』『DON’T U EVER STOP』などのメドレーだ。時にははだけたジャケットから肩をのぞかせたり、花火や炎の演出、3人が手に持った“ガン”でジェットを噴射するなど、暴れに暴れてラストスパートをかけていく。

 しっとりとしたピアノが特徴的な『PRECIOUS ONE』では、「君のそばにいる」との歌詞に思いを込めて歌う3人の柔らかくあたたかい声がハイフンを包みこんだ。

 エンドロールが流れ、本編が終了するも「KAT-TUNコール」は鳴り止まない。コールに応えるべく、3人はフロートに乗って登場。『ノーマター・マター』『KISS KISS KISS』『ど~にかなるさ』などアップテンポの楽曲に明るい照明をかけあわせ、会場を彩った。

 さらには、センターステージで3人が向かい合って頷き歌い始めた『Will Be All Right』では、花道ですれ違うメンバー同士がハグをする場面も。オープニングでもワンフレーズだけ歌った『ハルカナ約束』を、ラストには小指を立てる振り付けとともに披露した。

 楽曲のメロディー音が小さくなると、上田は会場を見渡しながら「本日は本当にありがとうございました」と一言。また「始まる前までは『この日が来なきゃいいな』という気持ちと『またKAT-TUNとしてステージに立ちたい』という気持ちが合わさっていました。今この景色を見ると、すごい幸せでした。KAT-TUNの上田竜也としては最後のコメントになりますが、10代からすてきな人生を歩ませてくれてありがとう。24年間応援してくれた方、本当にありがとうございました。この瞬間を一緒に見届けてくれて、ありがとうございました。そして、これからもよろしくお願いします。以上、KAT-TUNの上田竜也でした」と涙をにじませながら語った。

 中丸も「日々思っていたことが確信に変わりました。『人に恵まれたな』と。関係者の方もそうですし、一緒に歩んだメンバー、それを支えてくださったファンのみなさんのあたたかさの中で自分は楽しく過ごせたのかなと思います」と言うと思いがあふれ、こらえきれず涙を流した。

「悲しいとかじゃなくて、表に立つものとしては、『皆さんに悲しい思いをさせることを避けないと』と思いながらやっていました。最後まで花道のようなものを設けさせてもらったのはこれ以上にないことです。でも、今後も6人ともエンタメの世界にはいるし、未来のことは分からないけどどこかで交わることがあったら面白いなと思いました」と未来に期待を込めた。

 最後に亀梨は「10代の時に結成させていただいて、とにかく自分の青春だったし、最初から最後までKAT-TUNが大切でした。これからは、これまで歩んできたものを心にしまってふとした時に温もりを与える、キラッと輝く存在であってくれたらうれしいです。最高の未来に進んだ時に『最高の形だった』と思えるように、次の一歩を踏み出さなければと思っています。また、なにか一緒に青春ができたらと思っています。その時には思い切り騒ぎましょうね。本当に本当にありがとうございました」と締めくくった。

 メインステージの真ん中で3人が手をつなぎ「ウィーアー?」と問いかけ、ハイフンが「KAT-TUN!」と答えると、空には花火が打ち上がった。最後を締めくくる曲として『Real Face #2』を歌うとともに“海賊船を壊す”勢いの花火と炎を組み合わせた迫力満点の特効とメンバー同士のシャンパンファイトといったまさかの演出で盛り上がりは最高潮に。結成から24年、CDデビューから19年のこの日、ZOZOマリンスタジアムでKAT-TUNは幕を閉じた。

 KAT-TUNは2001年に6人で結成し06年にデビューするも、赤西、田中、田口が脱退&退所。田口が抜けた約1か月後の16年5月1日の東京ドーム公演を最後に「充電期間」となり、17年12月31日まで活動休止していた。亀梨は解散と同時にSTARTO ENTERTAINMENTを退所。上田と中丸は個人としての契約を継続している。

次のページへ (2/2) 【写真】KAT-TUNのラストライブのアザーカット
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