俳優の北村匠海が7日、映画『愚か者の身分』（全国公開中）公開御礼舞台あいさつに出席した。当日は、共演者の林裕太と田邊和也、嶺豪一も登壇。4人は同作撮影時のエピソードなどを語っていた。

　冒頭、MCから同作の反響を聞かれた北村は「役者仲間からいろいろ言っていただけます。見ようと思ってくれるだけでうれしいですよね。今年はすごく邦画の力が強かったと思っています。僕らは今年の最後に出したわけですけど、仲間が見てくれて評価してくださるのがすごくうれしくて、先輩の松本潤さんからもご連絡いただきました。すごい作品だったんだと思いました。いざ公開してみると、これだけ深く、皆さんに届けることができてよかったです」としみじみと答えていた。

　また、同作で悪役として出演したジョージ役の田邊と佐藤役の嶺に向けて、「今日はお2人が、本当はいい人と伝わればいいと思っています。でも撮影で2人と会うのが嫌でした」と会場の笑いを誘った北村。続けて、「お2人の本当に“いそう感”が洗練されていましたね。視覚的にすごく嫌だったことを覚えています」と振り返った。

　さらに、北村は「役者って怖いですよね。始まれば違う誰かですし、カット掛かればわちゃわちゃもできる。だから、今、『愚か者の身分』でいろんな舞台に立ってきましたが、今が一番落ち着かないです」と伏し目がちに、今の心境を明かしていた。

　同作は闇ビジネスから抜け出そうとする若者3人の3日間にわたる逃亡サスペンス。彼らの拠点である新宿・歌舞伎町から大金が消えた事件をきっかけに、息もつかせぬギリギリの逃避行を3つの視点をたくみに交錯させながらサスペンスフルに描く。