ユーチューバーはもうかるのか? 借金王・安田忠夫が1年やって気づいたこと
元プロレスラーの借金王・安田忠夫(56)が9日にユーチューバー歴1年を迎える。ユーチューバーといえば、子供の憧れの職業ランキングでも上位に入るほどの人気職業だが、現実はどうなのか。
昨年11月9日に初回配信し1年が経過
元プロレスラーの借金王・安田忠夫(56)が9日にユーチューバー歴1年を迎える。ユーチューバーといえば、子供の憧れの職業ランキングでも上位に入るほどの人気職業だが、現実はどうなのか。
トホホ……。安田がスッカラカンの財布を見て思わず天を仰いだ。「プロレスファンだけだから頭打ち。利益なんか出てないよ。そんな甘いもんじゃないですよ」。昨年11月、ユーチューブを利用して動画配信を開始。「毎週金曜日の夜8時に配信します。ファンが喜ぶような相撲界やプロレス界の話題をぶっちゃけガチトーク!」と題して、さまざなま企画を世に送り出したが、壁にぶつかっているようだ。
大相撲では孝乃富士のしこ名で横綱から金星を奪うなど活躍。プロレス転向後は新日本プロレスでIWGPヘビー級王者に君臨するも、生粋のギャンブル癖が災いし、転落人生を味わった。養豚場、ソーラーシステム販売、カジノディーラー、ロシアンパブの客引き、歌舞伎町風俗、弁当屋、タイ移住、とび職など国内外のありとあらゆる職業を転々とし、昨年新たに始めたのが、ユーチューバーだった。
プロレス&相撲ファンをターゲットに一攫千金を狙ったものの、チャンネル登録者数は8日時点で3280人と伸び悩んでいる。
気づいたことが2つある。まず、ユーチューブは一見、何でも話せるように見える。話術には定評のある男だ。しかし、動画で残るからこそ、うかつな発言はできないという。「オレの場合、話せないことが多いから。ピーが多いからきついよね。軽く流しても、辛辣なコメントが来る。そういうのを見ると、ちょっと方向性変えなきゃいけない」。全編“ぶっちゃけトーク”というわけにはいかず、セーブしている。
そして、経費の問題にも直面している。「新しいことやりたいけど、それには結局、経費がかかる。そのへんが難しい」。これまでの人脈をたどって知人やレスラー仲間にゲスト出演してもらった。ただ、チャンネル登録者数を伸ばすには、プロレスの枠を超えての集客につながる“大仕掛け”が必要になってくる。「みんなに『見てる』って結構、言われる。『こういうのやれば』って言われる。やるには先立つものも必要」と安田は嘆いた。
今やユーチューバーを目指す若者は多い。ただ、成功しているのはほんの一握りというのが現状だ。若者にアドバイスを求めると「やめたほうがいいよ。無理だよね」。現在は日雇いで生計を立てているが、ギャンブルでの負けが続いて、給料を前借りする始末。借金王の生活は何も変わっていない。安田は「毎日がタダ働き。バクチで全部使っている」とぼやき、寒風吹きすさぶ雑踏に去っていった。