なぜマレーシアでプロレスを開催するのか 実は高い格闘技人気…KLP48とのコラボ仕掛け人が明かす舞台裏

11月15日にマレーシアで開催されるアイドルとプロレスのコラボイベント『LOVE & PEACE』。マレーシアを拠点とするアイドルグループKLP48のライブもあり、東京女子プロレスやDDTの選手が参戦するプロレスの試合もある。そしてマレーシアのプロレス団体であるMYPWからも選手が参戦する。この開催に尽力したのが、DDTの高木三四郎(※高の正式表記ははしごだか)と、都議会議員でもある川松真一朗だ。川松は『都電プロレス』の実現にも関わり、今や高木のアイディアを具現化するには欠かせないキーマンともいえる。その二人に、今回のマレーシアでの興行について聴いた。前編は、そもそもなぜマレーシアなのか、そしてマレーシアのプロレス市場・アイドル市場について聴いた。

マレーシア大会への抱負を語った川松真一朗(左)と高木三四郎【写真:橋場了吾】
マレーシア大会への抱負を語った川松真一朗(左)と高木三四郎【写真:橋場了吾】

『女子プロレス』と『アイドル』という日本のカルチャーを届けるイベント

 11月15日にマレーシアで開催されるアイドルとプロレスのコラボイベント『LOVE & PEACE』。マレーシアを拠点とするアイドルグループKLP48のライブもあり、東京女子プロレスやDDTの選手が参戦するプロレスの試合もある。そしてマレーシアのプロレス団体であるMYPWからも選手が参戦する。この開催に尽力したのが、DDTの高木三四郎(※高の正式表記ははしごだか)と、都議会議員でもある川松真一朗だ。川松は『都電プロレス』の実現にも関わり、今や高木のアイディアを具現化するには欠かせないキーマンともいえる。その二人に、今回のマレーシアでの興行について聴いた。前編は、そもそもなぜマレーシアなのか、そしてマレーシアのプロレス市場・アイドル市場について聴いた。(取材・文=橋場了吾)

 マレーシアとプロレス。アジア圏におけるプロレス人気は、やはり日本がダントツだ。そのほかの国にも団体はあるが、日本ほど毎日のようにプロレスの試合が行われている地域はほぼない。その中で、なぜマレーシアでアイドルとプロレスのコラボイベント『LOVE & PEACE』を開催することになったのか。

高木「実は川松先生がKLP48の立ち上げに関わっていたんですよ」

川松「たまたま当時CGM48だった伊豆田莉奈さんが(高木が経営に関わっている)エビスコ酒場に来ているという話を聴いて、そこで色々な話をしてKLP48をどうにかしたいねという話が出たんですよね。それで去年8月のKLP48のデビューライブをマレーシアに見に行きまして、一緒にいたKLP48のオーナーにアップアップガールズ(プロレス)を紹介したところ、オーナーから『今度マレーシアでコラボしましょう』という話をもらったんです。なので、1年越しの実現なんです。その布石として、去年11月のDDTの大会ではKLP48のパフォーマンスをやってもらいました。今回のイベントのテーマは、日本で育まれた『女子プロレス』と『アイドル』というコンテンツを同時に持っていけば、より強く日本をアピールできるんじゃないかという、日本のカルチャーを届けようという強い思いでやってきました」

アップアップガールズ(プロレス)【写真:(C)東京女子プロレス】
アップアップガールズ(プロレス)【写真:(C)東京女子プロレス】

マレーシアには、プロレス文化もアイドル文化も開拓できる可能性がある

 では、マレーシアという国の魅力はどのようなものなのだろうか。

川松「多国籍、多民族だということですね。そういう意味でチャレンジがしやすい国だと思いますね。タイヤベトナム、インドネシアとはまた別の東南アジアの中心地として、マレーシアでうまくハマれば、東南アジア全体にこのコンテンツが広がっていくんじゃないかと感じています。親日家が多い国でもあるので、日本の文化を受け入れる土壌はありますよね。ただ、マレーシアはいわゆる娯楽が多い国ではないですし、プロレス団体は2団体(MYPWとAPAC)あるものの、広く国民的地位を得ているわけでもありません。なので、まず日本からプロレス団体がやって来て何をするんだ、何をしようとしているんだということを伝えきることは苦労しました。プロレスってこういうものですよ、プロレスとアイドルがコラボするってこういうものですよ、という説明が必要だったんです」

高木「まずMYPWに連絡を取って、会場視察に行ったんですが、プロレス会場として使用するにはちょっと堅すぎる感じだったんで、もう少し探してJioSpaceという500名ほど収容できるいい場所を見つけました。マレーシアの団体の試合も見ましたが、アメリカのインディ団体みたいなノリで、終始騒がしい感じでしたね(笑)」

 実はマレーシアは格闘技の人気が高いという。

高木「格闘技人気が高く、他のエンタメコンテンツとの競合が少ないことを考えると、マレーシアでプロレス文化が根付く可能性はすごくあるんじゃないかと考えています」

川松「アイドル文化に関しても、KLP48はデビューから1年ちょっと経って精力的に走り抜けてきたグループなので、そろそろコラボするタイミングに来たかなと思います。マレーシアはコスプレ文化はすごいんですけど、アイドル文化もまだまだの土地なので、KLP48は新しい挑戦なんです。無料イベントには3000人くらい集まりましたし、これからどんどん広がっていくと思います。プロレス文化も、アイドル文化も開拓できる可能性があるのが、マレーシアという国ですね。実は、(KLP48専用の)常打ちの会場を建設中なんですよ」

(6日掲載の後編へ続く)

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