“社会の不条理”を体現? キャラに直接指示が出せない『ドラクエ4』攻略のカギ「さくせん」とは
1990年2月11日にエニックス(現:スクウェア・エニックス)より発売されたファミコン版『ドラゴンクエストIV 導かれし者たち』(以下、ドラクエ4)ではシリーズ初のAI戦闘システムが採用された。前シリーズまではプレイヤーが直接キャラクターの行動を選択していたが、『ドラクエ4』ではプレイヤーが「さくせん」を指定すれば、それに従いキャラクターは自動で行動するようになった。

プレイヤーが直接指示を出せずモヤモヤした人も?
1990年2月11日にエニックス(現:スクウェア・エニックス)より発売されたファミコン版『ドラゴンクエストIV 導かれし者たち』(以下、ドラクエ4)ではシリーズ初のAI戦闘システムが採用された。前シリーズまではプレイヤーが直接キャラクターの行動を選択していたが、『ドラクエ4』ではプレイヤーが「さくせん」を指定すれば、それに従いキャラクターは自動で行動するようになった。
ファミコン版の本作で登場した「さくせん」は「みんながんばれ」「じゅもんをせつやく」「ガンガンいこうぜ」「いのちをだいじに」「いろいろやろうぜ」「じゅもんをつかうな」の全6種類。これらは日常にも浸透し有名人が使用するなど、ゲーム外でも目にすることも多い。そんな「さくせん」の特徴について見ていこう。
「みんながんばれ」を使うとキャラクターは平均的な行動をとる。じゅもんも使いつつ行動するため、MPの節約を考える必要がない場合はこちらを選択するとよいだろう。
「じゅもんをせつやく」を使うと回復や攻撃などで極力じゅもんを使わなくなる。そのため遠くの目的地を目指す場合やダンジョンなどでMPを温存したいときに選ぶ「さくせん」といえる。
「ガンガンいこうぜ」はMPをガンガン使用して強力なじょもんを積極的に使う「さくせん」である。短時間で敵を倒して経験値を稼ぎたいときなどに使うことが多かった。
「いのちをだいじに」を選ぶと、HPが減らないように防御をしたり、補助系のじゅもんを使って防御力をあげたりなどの安全策をとるようになる。ボスなどの強敵を相手にするときに使用した人も少なくない。
「いろいろやろうぜ」はアイテムを使用したり、新しい呪文を積極的に使用したりする「さくせん」だ。普通ならあまりやらない行動をするので、遊び心を発揮したいときに使うとよいだろう。
最後の「さくせん」は「じゅもんをつかうな」だ。この「さくせん」を選ぶとキャラクターは一切じゅもんを使用せずMPの節約が可能。ボス前の道中でMPを温存したいときに有効である。
ここまで読んだ人のなかには「さくせん」を使わないでプレイヤーが行動を選択できないのか疑問に思う人もいるだろう。ファミコン版の本作第4章まではサブキャラクター以外はプレイヤーが行動選択できる。しかし、第5章で勇者を操作するようになってからは、勇者以外の行動を選択できなくなってしまうのだ。そのため場面に合わせて適切な「さくせん」を選ぶこともゲームをクリアするうえで重要な要素であった。
大人になって社会に出ると部下や後輩に細かく指示が出せないことも多々ある。大まかな方針だけ伝えて各自に裁量を任せることもあるが、なかなかうまくいかないことだってある。『ドラクエ』のように「いろいろやろうぜ」とはなかなかいかないものだ。『ドラクエ4』の「さくせん」はそんな社会の不条理をひそかに教えてくれたのかもしれない。
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