上田竜也、旧ジャニ退所の7ORDERも迎え、異色フェス開催 堂本光一「壁を越えたのは大きなこと」

元KAT-TUN・上田竜也がプロデュースの音楽フェス『MOUSE PEACE FES.2025 2nd Bite』が、29日、30日の両日に東京・代々木第一体育館で開催された。公演のテーマは「究極のハロウィンナイト」で上田は、「魔王」の立ち位置で独自の世界観で会場を包んだ。動員数は2日間で約2万人。ENCOUNTは、旧ジャニーズ事務所に所属していた5人組・7ORDERも出演した30日の公演をレポートする。

『MOUSE PEACE FES.2025 2nd Bite』に出演した上田竜也(左)と堂本光一
『MOUSE PEACE FES.2025 2nd Bite』に出演した上田竜也(左)と堂本光一

上田竜也プロデュース『MOUSE PEACE FES.2025 2nd Bite』

 元KAT-TUN・上田竜也がプロデュースの音楽フェス『MOUSE PEACE FES.2025 2nd Bite』が、29日、30日の両日に東京・代々木第一体育館で開催された。公演のテーマは「究極のハロウィンナイト」で上田は、「魔王」の立ち位置で独自の世界観で会場を包んだ。動員数は2日間で約2万人。ENCOUNTは、旧ジャニーズ事務所に所属していた5人組・7ORDERも出演した30日の公演をレポートする。(取材・文=生島マキ)

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 オープニング前、場内は薄暗く、青い光がわずかに揺らめいてた。ざわめきと期待が膨らむ中、午後6時に大きな鐘の音が鳴り響いた。

「モンスターが現れる時には必ず前兆がある……風がないのに開くドア、自ら燃え上がるろうそく、漂う怪しい気、そして、呼んでもないのに現れるお客さま。そう、あなたたちですよ」

 荘厳なナレーションが響き、巨大スクリーンには怪しげな伯爵(はくしゃく)が登場。「私はこの城の主人……」と語り始めたその人物は、堂本光一。会場はどよめきと歓声で揺れた。

 上田がハロウィーンイベントを開催するのは、昨年の神奈川・パシフィコ横浜公演に続き2回目。前回同様、“魔王”上田が豪華アーティストたちとともに繰り広げるハロウィーンナイトが始まった。ハロウィーン仕様のホラーセットが空間を支配し、観客も思い思いの仮装で参加。渋谷が丸ごと“魔界の城”へと変貌したかのような没入感だ。

 重低音とともにドラキュラ姿のTravis Japan・川島如恵留が現れ、続いて7ORDERの5人が登場した。中央ステージを指差すと、ビジョンに映し出された神殿の扉が「ギギッ」と開き、“魔王”の上田が姿を現した。

 エクステが揺れるヘアスタイル、輪郭を外すように塗られた赤いリップ、深紅のファー。全身からオーラが放たれるカリスマで、会場中の視線が一気に吸い寄せられた。

公演のテーマは「究極のハロウィンナイト」
公演のテーマは「究極のハロウィンナイト」

上田と7ORDERが久々共演

 トップバッターは上田。炎とレーザーの特効が連続し、重厚なロックサウンドがとどろいた。冒頭からシャウトし、指先で観客をあおった。3曲目『RABBIT OR WOLF』では、ダンサーに液体の媚薬をそっとかけるような演出や、衣装のジップをゆっくり下ろす仕草で、会場の熱を一気に引き上げた。

『ヤンキー片想い中』では「お前が好きだよー!」と言い、観客と大合唱。さらに上田は「もっと、声出せ! 俺のこと好きじゃねーのか!?」と、Sっ気たっぷりにあおると、歓声はさらに大きくなった。そして言った。

「マウスピースです。今日は最後まで盛り上がっていきましょう。次はこいつらだ!」

 紹介を受けて飛び込むように登場したのは7ORDER。「俺たちが7ORDERです!」と叫び、センターステージへ向かった。そして、ダークヒーロー風の衣装で、切れ味鋭いラップとダンスを繰り広げた。

 メンバー5人は全員が、旧ジャニーズ事務所に所属。2016年に7人組のLove-tuneを結成し、活動していた。そして、18年11月から19年3月にかけて全員が同事務所を退所。7人は行動をともにし、同年4月には、7ORDERが結成された(2人は後に脱退)。上田はこの時期、インスタグラムなどで「場所は違えど変わらず楽しめる関係っていいよな」「うちの事務所を辞めても、今も変わらず自分達の手で頑張っている子達です」といったコメントとスリーショットを公開していた。

 上田との共演は7ORDERが退所後は初。旧ジャニーズ事務所の流れをくむSTARTO ENTERTAINMENTと契約中の上田がプロデュースするこの舞台で、堂々とステージングできるというエモーショナルな瞬間だ。

 諸星翔希は「10年前、上田くんと出会って、10年後の今日、同じステージに立てています。感謝とリスペクト!」と熱く語り、会場を沸かせた。

 最後は「この機会だから歌える」と、Love-tune時代の楽曲『Superman』を披露し、フロアを揺らした。

動員数は2日間で約2万人に及んだ
動員数は2日間で約2万人に及んだ

人気アーティストらが続々登場

 その後に登場したBALLISTIK BOYZは、昨年に続く出演。前回は仮面だけで空気を読まなかったことを反省したという日高竜太は、今回は海賊風の仮装で、「パイレーツオブバリビアンです!」と笑顔で宣言した。そして、キレのあるダンスとパフォーマンスで空気を掌握した。

 ファントムシータはレトロホラーコンセプトの衣装と歌詞で、“本物のハロウィーン”を感じさせる迫力。Adoプロデュースでデビューした彼女たちが、ダークで鮮烈なステージを展開した。

 鬼龍院翔(ゴールデンボンバー)は、とんがりヘアに裸+パンツ、漫画のキラキラ目を描いたアトム風コスチュームで登場。「昨日はレオタードで、今日は裸のロボットです。上田くんはOKでしたが、突っ込みが入りました。全責任は僕にあります」と言って、『首が痛い』では会場と振り付けで楽しむ。振り付けの指南役にゴールデンボンバーが動画で登場するなど、にじむユーモアで会場を和ませた。

 Dream Amiはレオパードと猫耳の愛らしい姿で登場。「かわいいー!」の声が飛び交い、観客のテンションがキュッと明るく跳ね上がった。

 川島は吸血鬼スタイルで登場し、『アンダルシアに憧れて』を情熱的に披露。フラメンコさながらの動きにゴージャスマントを使った演出で、観客の視線を奪った。「トラヴィスって言ったら!」「ジャパン!」とコールを引き出し、会場の一体感は最高潮になった。

 幕を締めくくるのはNovelbright。竹中雄大が赤髪パンク×X JAPAN初期のHIDE風スタイルで登場し、すさまいじい美高音のロック曲を歌い上げた。「ギャップ萌え!」という声が上がるほど鮮烈な印象で、『カノープス』、『愛とか恋とか』を熱くならし、彼の力強いボーカルが余韻を残した。

この日ならではのコラボステージも

 ステージが暗転し、再び明かりがつくと、そこには本物の堂本の姿。昨年の“伯爵動画”に続き、今年は本人がサプライズ来場だ。今回は「行けたら行くよ」と約束をしたその言葉通りに、本当に来たという。しかも、上田以外、すべての出演者に内緒にしていただけに、ずっと楽屋で影を潜めていたという。

 そして、コラボステージでは、上田、川島、7ORDERと並んで、堂本が「こうやって壁を越えて俺らが一緒にライブができたのはすごく大きなことだし、全て上田のおかげ。上田は大変だったと思う。来年もやってくれるよね?」。その言葉に、会場中から涙と拍手が広がった。

 timeleszのオーディション参加で人気者になったROIROMも加わり、仮装した“モンスター軍団”とのダンスセッションで、異世界感がさらに加速した。このコラボパートでは、ここでしか見られない貴重なセッションが続いた。Amiとの『Follow Me』では、キュートなダンスを交えた愛らしいコラボレーションが展開され、会場からは歓声が飛び交った。さらに、三代目 J SOUL BROTHERSの楽曲『R.Y.U.S.E.I.』では、出演者全員がランニングマンをそろえて披露。客席も自然と体が動き出すほどの一体感になった。

 コラボ終幕は、鬼龍院による『女々しくて』。出演者全員がステージに合流し、全力の振り切ったパフォーマンスで笑いと熱狂を誘った。

“魔界のステージ”に笑顔と躍動が弾け、フェスは一瞬も気の抜けない祝祭空間として沸き続けた。

「みんなが楽しいと思うこと、俺らが楽しめることを追求していきたいと思います。出演者、スタッフ、会場のみんなに感謝します。ありがとう!」

 上田の言葉に、再び大きな歓声。フィナーレは上田の『MONSTER NIGHT』とともに、出演者がトロッコで客席の近くまで駆け巡り、観客も手を振って応える。ライブならではの幸福感が、会場を包み込んだ。

 音楽、演出、衣装、世界観。すべてが“上田竜也そのもの”で構築された夜。『MOUSE PEACE FES.』は、ハロウィーンを超えた体験型フェスとして、今後は秋の風物詩になりそうだ。

○出演ラインアップ

Day1
上田竜也、小山慶一郎(NEWS)、川島如恵留(Travis Japan)、矢花黎、菅田琳寧、鈴木悠仁、稲葉通陽(B&ZAI)、鬼龍院翔(ゴールデンボンバー)、BALLISTIK BOYZ、Novelbright、ファントムシータ

Day2
上田竜也、川島如恵留(Travis Japan)、7ORDER、BALLISTIK BOYZ、ファントムシータ、Dream Ami、鬼龍院翔(ゴールデンボンバー)、Novelbright

※日高竜太の「高」の正式表記ははしごだか

次のページへ (2/2) 【写真】7ORDERの仮装姿
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