本田望結、5人きょうだいで「私が一番の妹キャラ」 心地よい家族の中の“居場所”

俳優・本田望結が、現在放送中のABCテレビ・テレビ朝日系連続ドラマ『すべての恋が終わるとしても』(日曜午後10時15分)で、恋に揺れる男性主人公の妹・大崎莉津を好演している。3歳の時に芸能活動とフィギュアスケートとスタートさせ、すでにキャリアは15年を超す。今回は同世代の等身大ともいえる役だが、恋愛ドラマには独自の難しさも感じているという。

インタビューに応じた本田望結【写真:舛元清香】
インタビューに応じた本田望結【写真:舛元清香】

ドラマ『すべての恋が終わるとしても』に出演

 俳優・本田望結が、現在放送中のABCテレビ・テレビ朝日系連続ドラマ『すべての恋が終わるとしても』(日曜午後10時15分)で、恋に揺れる男性主人公の妹・大崎莉津を好演している。3歳の時に芸能活動とフィギュアスケートとスタートさせ、すでにキャリアは15年を超す。今回は同世代の等身大ともいえる役だが、恋愛ドラマには独自の難しさも感じているという。(取材・文=大宮高史)

トップアイドル時代にバイクでアメリカ横断、ベンツ、ロードスター…多彩な愛車遍歴(JAF Mate Onlineへ)

 本作は、冬野夜空氏による同名の140字の超短編小説シリーズが原作(Xに投稿していたものを書籍化)。その原作の中から8つのエピソードをモチーフにした群像ラブストーリーで、ダブル主演の葵わかなと神尾楓珠が演じる2人の主人公を中心に、4組のカップルを軸にドラマ化した。本田が演じる大崎莉津もその4組のうちの一人。神尾扮(ふん)する大崎真央の妹で、幼なじみの西颯(なにわ男子・藤原丈一郎)に片想いをしている。本田は原作を読んでおり、縁があったようだ。

「中学生ぐらいの時に初めて冬野さんが(Xに)投稿していたお話を読みました。恋愛に対する憧れとか、失恋したら何を感じるんだろうといった想像が膨らんだ思い出があります。私にとっての恋愛の教科書の一つだったので、お話をいただいた時は運命的だなと思ってしまいました」

 相手役の藤原とは今回初共演に。21歳の本田より8歳年上だが、同じ関西出身ということもあり、リラックスした現場を作れた。

「藤原さんとのお芝居は初めてで、撮影初日は緊張して『どんな人なのか観察しようかな』と考えていました。それにドラマの中では3歳差なので私が『大人っぽく見せよう』と構えていたんですが、バラエティーでご一緒した時よりも同世代に感じました。私がやりやすいように距離を縮めてくれましたし、現場でも話題を作ってくださって。よく藤原さんがうまいボケをされたりツッコミをされるんですが、そんな時は関西人のポジションを取られたようで、ちょっと悔しかったです(笑)」

 物語が進むと、莉津の兄・真央が抱えているものが明らかになり、時間とともに、莉津と颯の環境も変わっていく。シリアスな展開に「普段から台本を閉じると、一瞬で本田望結に戻れます。特技ですね」と笑うが、実のところ今回はかなり感情移入した。

「神尾さんとドラマの中の真央が重なって見えてしまって、オンオフがうまくできない時がありました。現場で神尾さんがちょっと抜けると寂しさを感じ、戻ってこられると私も莉津同様に笑顔になれるような。『入り込みすぎ』とちょっと反省するくらいでした」

プライベートについても明かした【写真:舛元清香】
プライベートについても明かした【写真:舛元清香】

「すごい考えます」プライベートは超計画的

 子役から芸能活動を始め、今年はネット発の都市伝説の映画化作品『きさらぎ駅 Re:』に主演するなど、着実に実績を積むが、恋愛ドラマは一筋縄ではいかないという。

「恋愛ドラマって、すごく特殊だなと思っています。私と相手の方の解釈が違っても、その違いをドラマの中での感情のすれ違いとして撮っていただけることもあるんですね。だから、莉津を演じる上でも、無理に正解を出そうとせず、曖昧な感情を抱えて挑んでみました」

 そのアプローチは、自分一人で完結するものではない。相手との空気感や、その場で生まれる化学反応を大切にする、本田のスタイルだ。

「役作りは、相手を見てから完成させる部分も大きいです。だから、撮影初日に、自分の中で考えていた役の方向性をガラッと変えることもあります。相手をしっかり見て、その関係性の中で役を作っていくことを大切にしています」

 丁寧な役作りへの姿勢は、彼女自身の性格に根差しているのかもしれない。プライベートでも、かなり慎重な面がある様子。

「何も考えずに行動するってことが基本ないんです。すごい考えますね(笑)。プライベートで出かける時も、徹底的に計画を立てます。もし乗る予定の電車に乗れなかったら次はこれって代替案まで全部考えます。着ていく洋服も3日ぐらい前にはもう決めています。しっかり考えないと不安なんです」

 一方で、5人きょうだいの中で育った彼女が気を張らずにいられる場所もある。

「家族の前では、もう何もできなくなっちゃいますね(笑)。私が一番の妹キャラで、妹の紗来にも姉って思われてない気がするくらいです。皆さんが抱くイメージとのギャップはあると思います」

 そんな本田は、今作を「ターニングポイントだったかも」と振り返る。3歳から足を踏み入れてきた芸能界のドラマ最前線で、共に作品を作る仲間からの視線の違いを感じた。

「今回の現場では、スタッフの皆さんが私のことを『子役の経験がある本田望結』としてではなく、一人の女優として見て、接してくださっているのをすごく感じたんです。それがうれしかったですね。もちろん今までのお仕事も財産ですが、私の中では大人の役者と子役って、やっぱり区切りというか違いがあるなと感じていたので。今回は大きなステップを踏めたと思います」

 確かな手応えを自信につなげ、次のステージへと歩みを進める。

□本田望結(ほんだ・みゆ) 2004年6月1日生まれ、京都府出身。俳優、フィギュアスケーター。3歳から芸能活動を始め、11年の日本テレビ系ドラマ『家政婦のミタ』で注目を集める。以降、数多くの映画やドラマに出演。近年の主な出演作に、ドラマでは、NHK連続テレビ小説『らんまん』(23年)や25年1月期のTOKYO MX『ふたりソロキャンプ』ほか。映画では、24年の『カーリングの神様』、22年の『きさらぎ駅』や続編『きさらぎ駅 Re:』(25年6月)、今年7月4日公開の映画『愛されなくても別に』などに出演している。

次のページへ (2/2) 【写真】本田望結のインタビュー別カット
1 2
あなたの“気になる”を教えてください