櫻坂46卒業から1年、yousti名義でソロデビュー 小林由依が表現したいこと「時間をかけて向き合った」

元櫻坂46の小林由依が8月27日、yousti(ユースティー)名義で1stミニアルバム『yousti』をリリースした。全編にわたり温かみのあるソウルフルな歌声を披露し、得意のダンスナンバーからアコースティックナンバーまで多彩な全8曲を収録している。2024年2月にグループ卒業後、モデル活動などを経てのソロデビュー。進化する26歳に話を聞いた。

今年、yousti名義でアーティスト活動をスタートさせた元櫻坂46の小林由依【写真:冨田味我】
今年、yousti名義でアーティスト活動をスタートさせた元櫻坂46の小林由依【写真:冨田味我】

全曲で作詞を手掛けた1stミニアルバム『yousti』

 元櫻坂46の小林由依が8月27日、yousti(ユースティー)名義で1stミニアルバム『yousti』をリリースした。全編にわたり温かみのあるソウルフルな歌声を披露し、得意のダンスナンバーからアコースティックナンバーまで多彩な全8曲を収録している。2024年2月にグループ卒業後、モデル活動などを経てのソロデビュー。進化する26歳に話を聞いた。(取材・構成=福嶋剛)

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――今回youstiとしてアーティスト活動をスタートさせました。その理由を聞かせてください。

「ソロ活動を始める上で、楽曲を通して『頑張りすぎなくていいよ』とか『逃げてもいいよ』といった私自身の経験をもとにメッセージを伝えていきたいと思いました。そこでアーティスト名は、”由依”(yui)と”現実逃避”の意味を持つダチョウ(ostrich)を組み合わせ、さらに、『「i」私には、「you」あなたが、「st」最上級だ。』というファンの方へのメッセージも込めてyoustiとしました」

――ソロ活動は、櫻坂46を卒業する前から考えていたのでしょうか。

「違います。グループに在籍していた時は、メンバーとしての役割を全うすることだけを考えていたので、その先何かをやりたいと思っていませんでした。卒業した後のことは何も考えていなくて、むしろやりたいものが定まっていない段階で中途半端に何かを始めるのは違うと思いしばらくお休みをいただきました」

――音楽活動をやろうと決めたのはいつですか。

「卒業して半年が経った昨年8月くらいです。しばらく普通の生活をしていたのですが、やっぱりこれで音楽活動を終わらせてしまうのはちょっと寂しいなって思うようになりました。また、ファンのみなさんからも『またステージで歌う姿をみたい』というコメントをたくさんいただいたので、もう一度ファンのみなさんの前に立つ機会を作りたいと思って、ソロ活動に興味を持ち始めました」

――音楽活動を始める決心から、ちょうど1年後にyoustiとして初のミニアルバムが完成しました。今の気持ちを聞かせてください。

「今年の1月にミニアルバムを出すことが決まって、そこから半年以上の期間をかけて作りました。初めてのことばかりで苦労も発見も多かった分、『長かったな』『大変だったな』という感想です」

――具体的には。

「今回は作詞や歌入れだけでなく、ジャケット写真に至るまで、私から『こういう風にしたいです』と意見を出し、初めて作品全体の工程に携わりました。全部で8曲をレコーディングして、途中、終わりが見えなくてこんなにレコーディングスタジオにいたことがないというくらい時間をかけて自分と向き合いました」

――ミニアルバムに収録した8曲はバラエティーに富んでいて、幅広い音楽性を感じました。

「ありがとうございます。アルバムタイトルが『yousti』なので全体を通して自己紹介的な意味合いもあり、私らしさと新しい一面の両方を見せたいと思いました。また、どの曲も自分の感情や私が考えていることをしっくりくる言い回しで歌詞にしたいというこだわりがあって、時間をかけて書きました。今回のアルバムで一番自分らしさが表現できているのが、最初の『day dreamer』かなって」

――アルバムの中でも一番の“自己紹介曲”ですね。

「そうなんです。歌詞は『いっそ全部終わりにして』とか、『そう簡単に未来なんて変わるわけでもないから』といったネガティブな表現から『逃げたって罪じゃない』『I’m a 無敵なHERO』といったポジティブな表現へと変わっていきます。サウンドも明るめになっていて良い形で自己紹介曲が完成したと思っています」

「これからどんどんyoustiらしさを見つけていきたいと思います」【写真:冨田味我】
「これからどんどんyoustiらしさを見つけていきたいと思います」【写真:冨田味我】

誰かに伝えることが苦手だった自分の気持ちや意見を歌詞で表現できた

――4曲目の『one-sided love』は、片思いの曲ですね。

「片思いでもありますが単純に恋愛だけじゃなくて、ペットでも趣味でも聴いた人の好きなものに例えてもらえたらいいなと思っていて、メモしていた言葉を見ながら歌詞を考えました」

――6曲の『Shabon』については。

「これは聴いた瞬間、リズム重視で言葉を選ぼうと思い、あまり深く考えずに書きました」

――8曲目『Sing for you』は、ポジティブな言葉で誰かの背中を押してくれているような曲です。

「この曲は私からファンのみなさんに伝えたいことを書きました。すごく遊び心のあるノリの良い楽曲なので、いつかステージで、みなさんと一緒に楽しめたらいいなって思っています」

――全曲通して小林さんの温かみのある歌声がさまざまな楽曲に合っていると感じました。

「うれしいです。今まではグループの1人としてレコーディングに携わっていましたが、今回、ちゃんと自分の歌声と向き合ってみて『こんな声をしていたんだ』って新たな発見になりました。それと私は昔から自分の気持ちや自分の意見を誰かにハッキリ伝えることが苦手で、それを歌詞という形で表現できたと思います。誰かに向けて書いているようで自分に向けて書いている部分もたくさんありましたし、完成した曲を聴きながら自分の気持ちともう一度向き合うみたいな貴重な体験もできました」

――最後に、youstiとしての今後の目標を聞かせてください。

「『これから頑張るぞ!』みたいな気負いはなくて、これからも私の考え方、生き方、あり方を、youstiとして表現できれば良いなと思っています。そして、ミニアルバムを聴いたファンのみなさんの感想やご意見から、新たに気が付くこともあると思いますので、これからどんどんyoustiらしさを見つけていきたいと思います」

□小林由依(こばやし・ゆい)1999年10月23日生まれ。埼玉県出身。2015年8月、欅坂46の1期生オーディションに合格。16年4月、1stシングル『サイレントマジョリティー』でCDデビュー。20年10月に櫻坂46に改名後も、グループをけん引した。モデルや俳優としても活動し、18年7月、女性ファッション雑誌『with』(講談社)の専属モデルに起用される。20年11月には映画『さくら』に出演した。24年1月31日と2月1日に代々木第一体育館で卒業コンサートを開催し、公演最終日をもって櫻坂46を卒業。25年5月、yousti(ユースティー)名義でソロデビューすることを発表し、同年8月27日に1stミニアルバム『yousti』をリリースした。

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