平井 大、アリーナツアー開幕 サプライズでファンが公開プロポーズ、第2子へのメッセージソングも披露

シンガー・ソングライターの平井 大が、自身最大の全国ツアー『HIRAIDAI TOUR 2025』のライブを24日、東京・国立代々木競技場第一体育館で開催した。3日間にわたる東京を皮切りに、全国8都市15公演をめぐるこのツアーは、全体で約12万人を動員予定。その初日をENCOUNTはレポートする。

全国8都市15公演をめぐるツアーを開催【写真:越野遥】
全国8都市15公演をめぐるツアーを開催【写真:越野遥】

自身最大の全国ツアー『HIRAIDAI TOUR 2025』がスタート

 シンガー・ソングライターの平井 大が、自身最大の全国ツアー『HIRAIDAI TOUR 2025』のライブを24日、東京・国立代々木競技場第一体育館で開催した。3日間にわたる東京を皮切りに、全国8都市15公演をめぐるこのツアーは、全体で約12万人を動員予定。その初日をENCOUNTはレポートする。

 定刻の午後7時を少し過ぎたあたりで、波の音が聞こえ始めた。ざざーっと寄せては返す波打ち際でまどろむような心地よさを感じると、ズンズンと体に響く重低音が被さり、ステージにはビンテージジカーのセットとバンドメンバーが登場。一気にロックサウンドとコーラスの音が舞い、平井 大がそでからステージへ、そしてビンテージカーの荷台へと上がるとマイクスタンドを立て、「HIRAIDAI TOUR トゥエンティーファイブ!」と流暢な英語でツアー名を叫んだ。そして、「僕の音楽とともに、最後まで一緒に楽しみましょう」と、アコースティックギターを抱えて会場へ呼びかけた。

 1曲目は『Country Road』からスタート。メインステージのビジョンには、アメリカ西部を車で駆け抜けるような映像が広がり、旅(ライブ)の始まりを示唆している。7曲目の『I’ll be there for you』までウエスタンの世界観が続き、8曲目の『ALOHA』からは海の世界感へとトリップ。10曲目は『リトル・マーメイド』のポピュラーソング『Under the Sea』、魚や海亀が泳ぐ映像とともにシャボン玉が会場中を舞い、本当に海の中にいるよう。ロックサウンドから始まった会場の空気は一瞬で“平井 大のサーフワールド”へと染まった。

 ウエスタンからビーチワールドへとつながる温かなサウンド、そしてどこまでも優しい歌声。「僕のライブは、歌ったり踊ったり、写真や動画を撮ったり、家族や恋人と語り合ったり、それぞれが好きなスタイルで楽しんでほしい!」と本人が語るまま、客席に降りてたくさんのオーディエンスと写真を撮ったり、握手したり。自由な雰囲気も、平井 大のライブの大きな魅力だ。

 中盤では、10月15日にリリースされたばかりの新曲『f.r.i.e.n.d.s』を披露。楽曲のテーマである“ともだち”にちなみ、ファンクラブを通じて子どもたちから募集した絵がビジョンに映し出される心温まる演出が会場を包んだ。

「僕は友だちが少ないけれど、今日ここに来たらこんなに友だちがいっぱい! うれしいよ」と笑顔を見せ、そのまま14曲目の『I’ll be by your side』へ。客席から1組のカップルがステージへ招かれるという、思わず息をのむようなサプライズが待っていた。

「今日、この会場で大切な人と来ていて、プロポーズしたい人、手を挙げて!」と呼びかけ、選ばれた幸せそうな2人を前に、平井がそっとギターを奏で、歌声を届けたその瞬間、会場全体が涙の渦に包まれた。音楽を通じて人と人をつなぐ“平井 大の原点”が、アリーナという大きな舞台でもまったく変わらずに息づいていた。

 20曲目の『Happy birthday to my son.』は、この7月1日に妻でフォトグラファーのLady Brown Picturesとの間に生まれた第2子の長男へのメッセージソングで、ライブ初披露となった。そして、生まれた息子は4か月になった今の心境がとてつもなく大きな愛だと語り、この日のために音楽をやってきということ、そして、「この会場にいるみんなが、もし今、つらいことがあって人生をやめたいと思っていても、もとをたどれば大きな愛に包まれ、かけがえのない愛に包まれているということを忘れないで、まだ人生を頑張ってほしい」と呼びかけた。

28曲を披露した平井大【写真:Lady Brown Pictures】
28曲を披露した平井大【写真:Lady Brown Pictures】

 この日のライブは、ファンから愛され続ける代表曲やサブスク億再生の人気曲を織り交ぜた盛りだくさんのセットリスト。会場は男女ともに、そして年齢層も上から下まで網羅したファン層で、多くの心に響いていることを実感。動員は1.1万人。東京公演3日間で計3.3万人となるが、すべて即完。

 今ツアーについて本人は、「昨年は全国30公演のホールツアーを回り、お客さまを近くに感じることができ、すてきな思い出になったのですが、今回はアリーナツアーということで、これまでよりもスケールの大きなセットやステージとなっています。僕のライフスタイルには欠かせないビンテージカーも登場しますし、僕の好きな世界観をみんなとシェアできたらうれしい」と事前に語っていた。その言葉通り、アメリカ西部やビーチ、そして心地よい音が広がる未知の場所へタイムトリップしたようなワクワク感に満ちていた。

 アンコールは、『祈り花』、そしてその場で観客の声に応えるリクエスト3曲をフォークギターで奏でると、最後は『Show & Easy』から『また逢う日まで』。赤紫のグラデーションが輝く夕日のビジョンをバックに、エンドロールのように流れる音の余韻の中で、観客の胸には“大きな愛”というシンプルなメッセージが灯った。

 全国をめぐるこのツアー初日は、2時間45分の28曲を披露。彼にとっても、ファンにとっても絆が深まったといえる新しい“ともだち章“のはじまりだ。

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