『ガンダム』ジオン軍の“水泳部”? 地球侵略のため開発された「水陸両用MS」たち
地球連邦軍とジオン公国軍の戦いが描かれた『機動戦士ガンダム』。両軍ともに優位に戦闘を進めるためにさまざまなモビルスーツ(以下、MS)が開発されてきたが、特にジオン公国軍は俗に“水泳部”と呼ばれる「水陸両用MS」の種類が多い。そこで今回はジオン公国軍の水陸両用MSについておさらいしてみよう。

開発とともに進化した水陸両用MS
地球連邦軍とジオン公国軍の戦いが描かれた『機動戦士ガンダム』。両軍ともに優位に戦闘を進めるためにさまざまなモビルスーツ(以下、MS)が開発されてきたが、特にジオン公国軍は俗に“水泳部”と呼ばれる「水陸両用MS」の種類が多い。そこで今回はジオン公国軍の水陸両用MSについておさらいしてみよう。
そもそもジオン公国軍は地球侵略を遂行するために、運輸の大動脈である海洋の攻略を重要視していた。陸地だけでなく海の割合が多い地球に適したMSの開発が求められ、そこで登場したのが「水陸両用MS」。模索しながらの開発だったので、多様なMSが誕生することになった。
そして初の制式化された水陸両用MSが「MSM-03 ゴッグ」。時速130~140キロほどに達する水中最高速度や、200メートル前後の限界深度といった機能を有し、ジオン公国軍の海洋戦略を支えた。もちろん武器も装備しており、腹部にメガ粒子砲、尖った爪のようなアイアン・ネイルで攻撃可能だ。
陸戦能力が低いという弱点があったが、後に登場する水陸両用MSの最高傑作「MSM-07 ズゴック」はゴッグ以上の高性能を誇った。高水準の水中戦能力と陸戦性能を兼ね備えており、腕部のメガ粒子砲は長射程、さらに高火力化されている。
ズゴックといえば「シャア専用」の「MSM-07S ズゴック(S型)」も有名。S型とは陸戦能力を向上させたシャア専用機で、後に生産されたズゴックはすべてS型に切り替えられた。また地球連邦軍の本部であるジャブローの場所を突き止めた後に、シャア専用ズゴックがアイアン・ネイルによって地球連邦軍の量産型MS「ジム」の体を貫通させた場面を覚えている人も多いだろう。
戦闘に適した機体以外には、「MSM-04 アッガイ」という偵察機として多く使用されたMSも存在する。「廉価版の水陸両用MS」といわれているアッガイは、既存機種のパーツを流用することで開発費を低コストに抑えることに成功。生産性も向上し、多くの機体を送り出せたことでジャブローの厳重な警戒網をかいくぐることにも貢献した。
ゴッグ、ズゴック、アッガイは水陸両用MSの主要3機種になるが、ガンダムとも交戦した「MSM-10 ゾック」も見逃せない。ゾックは水陸両用MSの中で最も大きな機体で、前後対称の形状も特徴的だ。多数のメガ粒子砲は水平、垂直に発射できるため、「移動砲台」のような役割を担うこともできる。
「ずんぐりむっくり」なビジュアルのために見た目から「強さ」は感じないが、ジャブローの正確な位置を発見してジオン公国軍に大きく貢献。シャアが初めてゾックを見た時は「使えるのか?」「見かけ倒しでなけりゃいいがな」と酷評していたが、結果的に大活躍する形となった。
特徴的なフォルムで多くのファンから愛されている水陸両用MS。ガンダムやザクといった定番MSではなく、ジオン軍水泳部の中からお気に入りの1体を見つけてみてはいかがだろうか。
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