パチンコと相性抜群!? エヴァに北斗、乃木坂46まで…33年前から始まったタイアップの歴史
今では当たり前となっているパチンコ・パチスロ機による人気アニメや人気歌手とのタイアップ。『北斗の拳』や『ルパン三世』『エヴァンゲリオン』、さらには北島三郎やAKB48に乃木坂46などパチンコ業界には欠かせないヒットコンテンツとなっている。一方で、パチンコ・パチスロ化をきっかけにアニメや原作の人気に火がつくことも珍しくない。長いパチンコ・パチスロ史の中で、いつからタイアップ機が登場するようになったのだろうか。長年にわたり専門誌のライターとして活動を続ける濱マモルが、タイアップの歴史をさかのぼる。

パチスロ初のタイアップは『ピンクパンサー』
今では当たり前となっているパチンコ・パチスロ機による人気アニメや人気歌手とのタイアップ。『北斗の拳』や『ルパン三世』『エヴァンゲリオン』、さらには北島三郎やAKB48に乃木坂46などパチンコ業界には欠かせないヒットコンテンツとなっている。一方で、パチンコ・パチスロ化をきっかけにアニメや原作の人気に火がつくことも珍しくない。長いパチンコ・パチスロ史の中で、いつからタイアップ機が登場するようになったのだろうか。長年にわたり専門誌のライターとして活動を続ける濱マモルが、タイアップの歴史をさかのぼる。(文=濱マモル)
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9月8日に導入を開始した、サミーの『スマスロ 東京リベンジャーズ』が好調だ。
『東京リベンジャーズ』は講談社の「週刊少年マガジン」で連載され、アニメ化、実写映画化、舞台化などもされた漫画家・和久井健氏の大人気作品。メーカーもかなり力を入れていたようで、導入前は渋谷を中心に大規模なプロモーションイベントを開催した。
今では当たり前のタイアップ機。記念すべき初のタイアップ機はさかのぼること33年前、1992年にリリースされたSANKYOの羽根モノ『オロチョンパII』だった。フジテレビで放送されていた『ヤマタノオロチ2』とのコラボレーションで、河内家菊水丸をキャラクターに採用。しゃべって歌うパチンコとして注目を集めた。ちなみに、品川のホテルで行われた発表会では河内家菊水丸が登壇し、歌を披露したそうだ。
パチスロ初のタイアップ機は95年に発売された山佐の4号機『ピンクパンサー』。パネルのみならず絵柄にもキャラクターが起用され、ボーナス中にもおなじみの楽曲が流れた。個人的には結構好きで打ち込んだものの、難易度が高いリプレイハズシに苦戦した記憶しかない。
以降、パチンコはSANKYOの『CRフィーバーダウンタウン劇場』、大一商会の『CR寛平笑劇場V5』、京楽産業.の『CR華観月』(演歌歌手・田川寿美とのタッグ)、パチスロはオリンピアの『コブラII』、サミーの『ウルトラセブン(30)』などが登場。まだまだタイアップ機はごく一部だったが、そんな中、パチンコ業界に大きな変革期が訪れる。
メディアで射幸性が問題視され、業界団体は「社会的不適合機」の撤去を発表。対象は検定から3年以上が経過したマシンであったため、確率変動機能が搭載されたCR機は西陣の『CR花満開』など4機種のみだったが、内規も改正されたことで「大当たり確率の下限を360分の1とする」「確変2回ループの禁止」「最高継続回数は4回まで(5回目で終了)」「時短の廃止」などが決められた。
これに伴い、パチンコは演出を強化。出玉力から、大当たりまでの過程を楽しませる方向にシフトチェンジしたのである。98年2月に幕張メッセで行われた「パチンコ産業フェア98」では三星(現サンセイR&D)が『CRがきデカ』、大一商会が『CRウルトラマン』などを出展。有名キャラクターによる液晶演出に、多くの来場者たちが興味を示したそうだ。
同年末には超有名アニメとのタイアップ機、平和の『CRルパン三世K』がデビュー。ルパンをはじめとする各キャラクターの個性を活かした演出はファンを魅了し、大ヒットを記録した。現在も、シリーズ機が定期的に世に送り出されている。
また、同時期にパチスロはCT機が誕生した。CTとは「チャレンジタイム」の略称で、ビッグ終了後、所定のゲーム数もしくは純増枚数に到達するまでの間はリプレイorボーナス成立時以外、目押しを駆使することで小役をそろえられる機能。サミーは『ウルトラマン倶楽部3』、ネットは青年漫画とのタイアップ機『クロスCT』を製造した。
とはいえ、パチスロにおいてはまだまだ出目と出玉力が稼働促進のメインだった。その後にリリースされたタイアップ機は高砂電器産業の『ダブルオーセブンSP』、サミーの『ウルトラマン』、『仮面ライダーV3』、『仮面ライダー』、ネットの『ダブルウルフVCT』、IGTの『エルビス』、山佐の『ピンクパンサー3』といった程度。では、なぜパチスロのタイアップが増え始めたのか。それは、ハードウェアの大改革が大きく関係しているのではないだろうか。
従来のパチスロは、ボーナス中のBGMや効果音、リールフラッシュなどの演出は全て役判定やリール制御などと共にメイン基板で管理されていた。それらがサブ基盤へと移行。これによって、サウンドやビジュアル演出が劇的に進化したのである。
その象徴とも言えるのが、史上初の液晶搭載機、サミーの『ゲゲゲの鬼太郎』。筐体上部の液晶画面で繰り広げられる多種多彩な演出は、リール上の出目やスベリ、告知ランプやセグだけだったこれまでのパチスロとは一線を画しており、オールドファンからは否定的な意見も少なくなかったものの、パチスロ業界に多大な影響を与えたことは間違いない。
□濱マモル(はま・まもる)フリーライター。1976年2月4日、神奈川県横浜市出身。大学卒業後、レコード会社勤務を経て、2002年に攻略誌「パチスロ必勝ガイド」でライターとしてのキャリアをスタート。パチンコ・パチスロやギャンブル系を中心に、音楽・野球・街情報など、幅広い分野で執筆する。趣味は飲酒、特技は料理。バンドマンとしての顔も持つ。
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