IMP.影山拓也を導く2人の師 坂東玉三郎と滝沢秀明から受け継ぐ“座長の心得”
7人組男性グループ・IMP.のリーダーの影山拓也が、10月4日から東京・新橋演舞場で上演中の舞台『星列車で行こう』で主演を務めている。同作は、夜空を駆ける“幻の列車”を舞台に、人生の岐路に立つ人々が出会い、自分と向き合いながら希望を見出していく姿を描いたオリジナルストーリー。脚本は小説家の真山仁氏、演出・補綴(ほてつ)は、歌舞伎俳優の坂東玉三郎が手がける。初演は2024年に京都・南座と名古屋・御園座で上演され、今回は新キャストで小波津亜廉が加わった。ENCOUNTは2年連続で座長を務める影山にインタビュー。「前編」では、舞台に懸ける思いや座長の責任について聞いた。

IMP.での歌唱とは「全く違う」発声法の壁に直面 「どうやってやるんだろう」
7人組男性グループ・IMP.のリーダーの影山拓也が、10月4日から東京・新橋演舞場で上演中の舞台『星列車で行こう』で主演を務めている。同作は、夜空を駆ける“幻の列車”を舞台に、人生の岐路に立つ人々が出会い、自分と向き合いながら希望を見出していく姿を描いたオリジナルストーリー。脚本は小説家の真山仁氏、演出・補綴(ほてつ)は、歌舞伎俳優の坂東玉三郎が手がける。初演は2024年に京都・南座と名古屋・御園座で上演され、今回は新キャストで小波津亜廉が加わった。ENCOUNTは2年連続で座長を務める影山にインタビュー。「前編」では、舞台に懸ける思いや座長の責任について聞いた。(取材・文=コティマム)
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影山が演じるのは、何不自由ない生活を送る大学生の太郎。裕福な家庭に生まれたが、どこか虚しさを感じている役どころ。気づけば乗り込んでいた星列車の中で、闇バイトに手を出し逃げてきた次郎(松田悟志)と、歌舞伎俳優を目指す五郎(松村龍之介)に出会う。3人は互いの思いを聞きながら、車掌(石井一孝)とやり取りしながら、自分自身と向き合っていく。劇中では、越路吹雪の『一寸おたずねします』や、浜田省吾の『MONEY』、ベン・E・キングの『Stand by Me』など、名曲をアレンジした歌とダンスを披露する。
――再演が決まった時の心境は。
「めちゃめちゃうれしかったです。何より、玉三郎さんとまたご一緒できるのが光栄です。今年は小波津さんも参加されるので、うれしいのと『どんなストーリーになるんだろう』というワクワク、楽しさがありました」
――影山さん演じる太郎は、恵まれた環境なのに悩んでいる役どころです。
「太郎は何不自由なく生きてきた人物。逆に、それが彼を苦しめている。台本やト書きには書かれていないけど、僕の中では、『太郎は自分の本当にやりたいことがあるんだろうな』と思っています。親に『こういう人生だからね』と決められて進んだ先で、『俺はもうこんなことしたくないよ。本当はやりたいことがあるのに』という思いがあるのかなと、勝手に思っていました」
――役作りで工夫した点はありますか。
「意識した点で言うと、あまり個性を出さないことです。パッとしない感じというか。五郎は『歌舞伎役者になりたい』という夢があって、次郎にも過去があって、他のキャラクターが濃いからこそ、太郎はある種、お客さんに何も印象を与えないようにしようと。それが個性になると思ったんです。あとは、太郎はすごく情が深いので、誰に対しても同じ熱量で優しさを持ってセリフを言うことを意識しました」
――玉三郎さんからアドバイスはありましたか。
「はい。初演時は『ただそのセリフを発するだけではなくて、ちゃんと自分の頭の中でイメージできてから発してね』と言われました。それって、“説得力”につながると思うんです。例えば僕らも日常会話で、『この間、面白いことあったんだけど』と話す時に、その面白いことをイメージしながら話すじゃないですか。それと同じで、『いかに自分が体験したかのように伝えるか』が大事なのかな。それから所作では、『あまり(手や体を)動かさないで』と。僕はセリフを言う時に(手や体で)動きをつけて話してしまうのですが、『動かないで言葉を発しても、ちゃんと気持ちが伝えられるようにしてほしい』と指導いただきました」
――とても難しそうですね。
「めちゃくちゃ、難しいですよ! でも、セリフを言う時に自分の中でちゃんとイメージしてやるしかないんですよね。だから、『小手先でやるなよ』ということ。動きがあって伝えられるものもあるけど、動きがなくてもちゃんとその気持ちが届くようにお芝居しないと、伝わるものも伝わらないと思いました」
――往年の名曲も歌っています。IMP.の活動で歌唱は慣れていると思いますが。
「これが本当に難しいんですよ! とにかく発声方法が全く違うんです。自分が触れてこなかった、やったことのない発声です。普段歌っているものとは声の出し方が違う。例えば、スペイン語を全く話せない人が短期間で覚えて話しているような。『そんな言葉、発したことないよ! どうやってやるんだろう』と慌てているような感じです」
――IMP.で歌う時との違いは何でしょうか。
「IMP.でのライブはある意味、その時の気持ちやテンションで歌えます。それは自分たちの楽曲だから。どんなやり方でも、僕たちが正解になるので。『星列車で行こう』に関しては、もともと歌っている方がいる楽曲で、そのイメージを崩してはいけない。自分の歌い方だけで成り立つものではないし、その曲を好いてくれている方もいっぱいいるから、自分勝手にできない。ちゃんと敬意を持って、発声方法も玉三郎さんが指導してくださるやり方でやっています」
「全ての人の責任を持って」滝沢秀明社長から受けた影響
――座長という立場で、玉三郎さんから学んだことはありますか。
「玉三郎さんは本当に細かいところまで見てくださる。それは『主演だから』『座長だから』ではなくて、アンサンブルの方も含めて、誰に対しても同じ熱量で接して指導されます。僕もIMP.でグループ活動している時、ライブも舞台も毎公演、必ず映像をチェックしているんです。これは(TOBEの社長である)滝沢秀明さんからの教えで、ずっとやってきました。ただ、回数や年数を重ねると、『もしかして、やりすぎなのか? 細かすぎるのか?』と不安になることもありました。でも、玉三郎さんも毎公演チェックされているので、『間違っていない!』と思えてうれしかったですし、これからも続けようと思いました」
――5月から6月にかけて、IMP.7人で主演舞台『IMPACT』を務めました。その時に滝沢社長から「リーダーとしてのあり方」を学んだとお聞きしました。滝沢社長から受けた影響はありますか。
「あります! 映像チェックもそうですが、『自分たちが良ければいい』という考えはできないんですよね。それではダメ。座長というのは、全てのものの責任を背負っています。他のキャストさんやスタッフさんへの責任もそうですし、来てくださるお客さまにも夢をお見せしたい。『楽しかったな』『今日来てよかったな』と思ってもらえないといけない。滝沢社長からは、『全ての人の責任を持っていないとダメだよ』と教えていただいたので、その意識はずっと持ってないといけないと思っています」
インタビュー「後編」では、影山が抱いてきた信念を語っている。
□影山拓也(かげやま・たくや)1997年6月11日、東京都生まれ。7人組男性グループ・IMP.のメンバーとして2023年8月、デジタルシングル『CRUISIN’』で世界同時配信デビュー。24年10月からはメンバーそれぞれが全国7局の番組で単独レギュラーを務め、同年10月期放送のテレビ東京系『Qrosの女 スクープという名の狂気』では、個人で連続ドラマ初出演。今年1月からは、初の単独ツアー『IMPERIAL』を開催。5月には7人で初主演舞台『IMPACT』を上演。今年8月8日スタ―トのMBS『私の彼が姉の夫になった理由』では、個人で連続ドラマ初主演。同作では、IMP.の『Reckless Love』がエンディング主題歌に起用された。血液型O。
ヘアメイク・大島智恵美、スタイリスト・YAMAMOTO TAKASHI(style3)
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