火事で窮地の林家ペー、拍手に「紅白でトリを取った気分」 「来月で84歳」と年齢も公表

自宅マンションが火災に遭い、窮地に陥っている寄席芸人でタレントの林家ぺー、パー子夫妻を救うチャリティーイベント「がんばれ!ペー・パー子 有志応援団の集い」が20日、東京・浅草の東洋館で開催された。同じ一門の落語家・林家たい平が短期間で実現したもの。ピンクの衣装でステージに登場したペーは「こんなに拍手もらったのは生まれて初めて。紅白(歌合戦)でトリを取った気分」と晴れ晴れとした表情を見せた。

チャリティーイベントに登場した林家ぺー、パー子夫妻【写真:ENCOUNT編集部】
チャリティーイベントに登場した林家ぺー、パー子夫妻【写真:ENCOUNT編集部】

松本明子、全身ピンクでサプライズ乱入

 自宅マンションが火災に遭い、窮地に陥っている寄席芸人でタレントの林家ぺー、パー子夫妻を救うチャリティーイベント「がんばれ!ペー・パー子 有志応援団の集い」が20日、東京・浅草の東洋館で開催された。同じ一門の落語家・林家たい平が短期間で実現したもの。ピンクの衣装でステージに登場したペーは「こんなに拍手もらったのは生まれて初めて。紅白(歌合戦)でトリを取った気分」と晴れ晴れとした表情を見せた。(取材・文=渡邉寧久)

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 たい平の思いに賛同した桂米助、タレントの松村邦洋らが駆けつけたほか、タレントの松本明子らもサプライズで飛び入り出演。明るい会場を一層明るく彩った。

 火災直後、たい平がブログで呼びかけたことで、事態は動き始めた。ノーギャラで出演するから、というタレントの声が次々に届き、会場の使用料も、浅草演芸ホールの松倉由幸社長の粋な計らいで無料。即日完売した200席のチケット代、たい平がデザインした「ペーシャツ(Tシャツのしゃれ)」の売り上げが、ペー・パー夫妻の今後を支える。

「(焼けた自宅の)近所の新しいところに住んでいます。ちょっと落ち着きましたね」と現状を伝えるペーはこの日、クライマックスで高座に上がった。

 全身ピンクの衣装。首回りが黒くすすけている。「奇跡的に焼け残った。これ1枚しかないから」(ペー)という、まさに芸人にとっての一張羅だ。

 ペーが登場する前、多くの芸人が会場を温め続けた。

 たい平の長男で弟子の落語家・林家咲太朗が口火を切り、柳亭こみち、飛び入り参加の太神楽の翁家和助、ペーとは近所付き合いの桂文雀、ペーの「余談ですが」のフレーズを自作講談に取り入れわかせた神田茜、たい平の弟子の三味線漫談・林家あずみと続き、「大事なことは父(林家木久扇)よりたい平師匠に教わった」と笑わせる林家木久蔵が前半を締めた。

 後半は桂三木助がトップバッター。続く、松村が「今年は阪神とペーさんが燃えていますから」ときつい洒落で会場を沸かせ、その最中に、全身ピンクの衣装でタレントの松本明子が乱入。その後も桂ヨネスケが得意の野球ネタを披露、タレントのせんだみつおが「ペー・パーさんだけが困っているわけじゃない」と自虐ギャグで笑わせ、その後をたい平が引き取る。

 そしていよいよクライマックス。ペー・パー子夫妻の登場に、会場は、メジャーリーガー・大谷翔平の登場時に負けず劣らず沸騰した。

「芸能生活長いですけど、こんなに拍手をもらったのは生まれて初めて」と笑顔を見せるペーは、「今回はご迷惑をおかけしまして」と改めて謝罪。「古いぺー・パーで紙ですから。時代のペーパーレスの時代。捨てる神もあれば拾う神もある。たい平師匠に拾ってもらって、これだけの一流芸能人が集まって、感動しきりでございます」とギャグを織り交ぜっつのトークで「今は、紅白(歌合戦)でトリを取ったような気分。経験ないですけど」と興奮を伝えた。

 終演後の囲み取材でもペーは「分不相応。たい平師匠が、こんなにしてくれた。感謝以外の何物でもない」とほんの少し涙ぐみ「長生きするもんですね」としみじみ。「ますます頑張らないと。来月で年男、84になります」と非公表だった年齢を自ら公表し、「少なくともあと20年近くは生きる。落語協会(所属芸人の最高齢の)記録を作る」と、100歳芸人を宣言した。

 11月4日には第2弾のチャリティーイベントを、東京・大井町のきゅりあん大ホールで開催する。収容人員は1024人で、残席は約半分だという。

「ご連絡をいただいている方がいますので、飛び入り参加もあると思います。落語を落ち着いて聞いていただくというか、大演芸大会になると思います」とたい平。「みんなで和気あいあい、やらせてもらいます」と次回に向け告知した。

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