俳優・鈴木福が出演を務める映画『ヒグマ』の公開日が、当初全国公開が予定されていた11月21日から延期になることが24日、2025 映画『ヒグマ!!』製作委員会から発表された。昨今のクマによる被害を踏まえての対応となる。

　本作は、使い捨て闇バイトの若者たちが最強ヒグマと対峙するアドベンチャーバトル。『ミスミソウ』や『許された子どもたち』などで、10代の子供たちの生きづらさ、リアルな姿を描き続けてきた内藤瑛亮が監督・脚本を務める。主演を鈴木が務め、円井わん、宇梶剛士、上村侑、岩永丞威、住川龍珠らの出演が予定されていた。

　そのなかで、「この度、2025年11月21日に公開を予定しておりました映画『ヒグマ!!』の公開時期について延期することを決定いたしました」と発表された。

　理由を説明する前に、「まず初めに、昨今のクマ被害に遭われた方々、そしてクマの出没警報の下で日々を過ごされている地域の皆さまに、心よりお見舞い申し上げます」とクマ被害に遭った人たちをおもんぱかるメッセージを発信。そして、延期決定の経緯について、「現実の被害が続く状況を真摯に受け止め、関係者と綿密に協議を重ねた結果、落ち着いた環境の中で映画を楽しんでいただける公開時期を再調整することといたしました」と述べた。

「本作は、闇バイトとクマ被害という二つの現代的恐怖を交差させた、リアリティ追求型のスリラー映画です。物語には襲撃・食害の描写も含まれますが、それは過激さを目的としたものではありません。モンスター・スリラーが本来持つ――『恐怖を通して現実をシミュレーションし、人の生を映す』という寓意に根ざした表現であり、現実への配慮を大切にしながら、ご鑑賞の皆さまが安心して没入できる上映環境を整えてまいります。新たな公開日は、改めて確定次第発表いたします。お手持ちのムビチケはそのままご利用いただけますので大切にお持ちください。引き続き、映画『ヒグマ!!』を応援くださいますようお願い申し上げます」

　昨今、全国各地でクマによる被害が相次いでおり、今年度クマの被害により死亡した人は、10月24日時点で計10人となり、統計がある2006年度以降で過去最多を更新していた。