「仮面ライダーになりたい」宣言通りに掴んだ夢 知念英和、上京直後はバイトしながら「できることを探す日々」
俳優の知念英和が10月9日、自身初の書籍『ひでのよんな~らいふ。』(ワン・パブリッシング)を発売した。アイドル誌『POTATO』で、2024年12月から連載した内容を1冊にまとめたもので、撮り下ろしカットやプライベートフォトなども収録した。このほど、知念が取材に応じ、同書の見どころや俳優という夢をかなえた思いを熱く語った。

自身初の書籍『ひでのよんな~らいふ。』を発売
俳優の知念英和が10月9日、自身初の書籍『ひでのよんな~らいふ。』(ワン・パブリッシング)を発売した。アイドル誌『POTATO』で、2024年12月から連載した内容を1冊にまとめたもので、撮り下ろしカットやプライベートフォトなども収録した。このほど、知念が取材に応じ、同書の見どころや俳優という夢をかなえた思いを熱く語った。(取材・文=水谷賀奈子)
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「お時間をいただき、ありがとうございます。知念英和です。お願いします!」――テレビで見せる、さわやかな笑顔が印象的だ。178センチというスタイルの良さが際立つジャケット衣装での取材で元気よく取材現場に登場。記者が感心していると「『身長が高いのは意外』ってよく言われるんです」と“予想外”のエピソードを明かし、笑いを誘った。
今回発売する『ひでのよんな~らいふ。』は、そんな知念の、かわいい、かっこいい、大人っぽい、など多彩な表情を楽しむことができる一冊となっている。
「(本の出版は)ずっと憧れだったので、念願がかなってうれしかったです。発売が決まった時は『いち早くファンの方に伝えたい』と思いました」
今回の書籍には、『POTATO』の連載グラビアの未公開カットに加え、知念の生まれ故郷・沖縄での新たな撮り下ろし写真のほか、初公開という幼少期の貴重なカットなども収録されている。
「沖縄では有名な観光地や僕も知らない場所での撮影もありました。僕は、地元の人しか知らない場所をロケ地として提案したので、この本を見て『行ってみたい』と思ってもらえたらうれしいです。沖縄の魅力が伝わってほしいですね!」と地元愛をアピールした。
実際に書籍を手に取り、パラパラとページをめくりながら「どれも思い入れがあって、“お気に入りの一枚”は選べないですね(笑)。撮影は、衣装や場所ごとにテーマを決めて撮っていました。制服ショットは、10代の学生時代をイメージしながら撮影しました。学校終わりに一緒に海に行っている、みたいな。沖縄ならではの写真になったと思います!」と自信を見せた。

『スター☆オーディション』でファイナリストに
現在は、沖縄を離れて東京で暮らしている。初めて東京に来たのは、芸能界入りのきっかけとなった2021年開催の第2回『スター☆オーディション』(スターダストプロモーション主催)だった。
「ずっとテレビっ子で芸能界に憧れがあって、中学生の時に『俳優になりたい』と思いました。沖縄では部活と勉強に励んでいて、芸能界には縁のない生活でした。でも、高校2年生の時に進路を考える中で『後悔したくない』と思って、冬休みと夏休みを使ってオーディションを受けました」
家族や友達も応援してくれていたようで「両親は教師なのですが『やりたいことならやっていいよ』と言ってくれました。友達も『ひでは、いつか芸能界に行くと思っていた』と背中を押してくれました。環境に恵まれていたと思います」と明かした。
そのオーディションについては「なぜか『絶対に受かる』と謎の自信があったんですよね」と語ると、顎に手を添えて考えるポーズに。というのも、オーディションを通じて自分と対話する時間ができたといい、「オーディションでは、みんなが特技などを披露していたんです。『今の自分には何があるんだろう』と自分を見つめ直すきっかけになりました」と当時を振り返った。
結果、ファイナリストに選出され、大手事務所の「スターダストプロモーション」への所属が決まり、本格的に東京での生活が始まった。
「上を目指して頑張っている仲間が多い環境で、毎日刺激をもらっています。上京したばかりの頃は、アルバイトをしながら、いろんな作品を見て、お芝居のワークショップにたくさん行って、自分にできることを探す日々でした」
ホームシックで寂しさを感じることはなかったが、沖縄を懐かしむ時間もやる気につながっていた。
「昔から聞いていた沖縄の曲として、BIGINさんの『国道508号線』を移動中に聞いて『がんばろう』と自らを奮い立たせていました」
そして、常にモチベーションを保つために“あること”を今も続けていると言う。
「目標を達成するために、上京した日から毎日、日記をつけています。その日の出来事や日々の生活で思ったこと、撮影現場での悩みなどを書いています。自分と向き合える唯一の時間として、目標なども書くようにしています」
その目標の一つだった「仮面ライダーに出演すること」は、事務所に所属してから2年もたたないうちに、かなった。令和の仮面ライダー6作目となるテレビ朝日系『仮面ライダーガヴ』(2024年9月~25年8月)で主人公・仮面ライダーガヴ/ショウマ役に抜擢された。折りに触れ強い思いを口に出していただけに、運も呼び込んだようだ。
「『スター☆オーディション』では2000人の前で『仮面ライダーになりたい』とスピーチもしましたし、日記にも書いていました。かなったのは言霊もあったのかなと思います。仮面ライダーに出演する1年前までは沖縄で制服を着て学生していたので、人生が180度変わりました。まさか1年後、おもちゃ売り場に自分の顔写真があるとは思ってもみませんでした。お芝居は、一からの挑戦だったので、現場での立ち居振る舞いや作品づくりの楽しさや難しさを教えていただきました」
当時、撮影で一番大変だったのは「アクション」とし、「映像で強さや迫力が伝わるパンチをすることが難しかったです。小学生から空手をやっていたのですが、アクションとは全然違いました。監督から何度も指摘をされて、オフの日も一人で公園に行って子どもたちが遊んでいる横で、マスク姿でアクションの練習をしていました(笑)」と奮闘した日々を打ち明けた。
その努力もあって、放送終了後の反響は大きく「俳優として、一生『仮面ライダー』という意識で、子どもたちのお手本であるべきという誇りを持っていたい」と心の中で誓っている。
さらに収穫もあった。『仮面ライダー』でのアフレコシーンをきっかけにアニメにも興味を持ち、「声だけで感情を表すのが難しかったのですが、今もアフレコの勉強をしています」と、声優などの幅広い活動準備にも余念がない。
そして今、新たな目標に向かって、まい進する。
「NHKの朝ドラ(連続テレビ小説)と大河ドラマに出演することです。もちろん、いろんな作品に出て、5~10年後に『あの時があったから今がある』と思えるように、まずは一つひとつのお仕事と丁寧に向き合っていこうと思っています。お芝居を楽しんで、役作りに悩む充実した日々を送りたいです」
20歳の挑戦は、まだ始まったばかりだ。
□知念英和 2005年3月19日生まれ、沖縄県出身。20歳。2021年にスターダストプロモーションが開催した第2回『スター☆オーディション』の応募総数1万5918名の中から選ばれたファイナリストの一人になった。現在は俳優としてドラマなどに出演。テレビ朝日系『仮面ライダーガヴ』(2024年9月~25年8月)で主人公・仮面ライダーガヴ/ショウマ役を演じた。10月9日に初の書籍『ひでのよんな~らいふ。』を発売した。
