菅首相の“気配り内閣”に潜む矛盾点 舛添前都知事が閣僚人事を舌鋒鋭く採点

肝心のコロナ対策に潜む矛盾を厳しく指摘

 反感を呼ばない気配りと、主要な省庁を実力者で固める二段構え。最初の大仕事はひとまず合格かというと、そうではないと舛添氏は言う。新型コロナウイルス対策を担う経済再生大臣に西村康稔氏が再任、厚生労働大臣だった加藤勝信氏は官房長官に格上げとなり、繰り上げで田村憲久氏が新たに厚生労働大臣に就任したが、「この3人でコロナ政策が果たして変わるのか。西村、加藤はコロナ対策をきちんとできたとは言えないし、田村からは改革マインドが感じられません。同じ厚労大臣経験者なら塩崎恭久のほうがまだ改革しようという気がします。一番喜んでるのは厚労省の役人でしょう。コロナ対策で山ほどある課題を解決していく人ではない」とバッサリだ。

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「菅さんが矛盾してるのは、縦割り行政を変える、前例主義を辞める、既得権益をたたくと言ってるのに、コロナ政策を担当するトップに、既得権益を守ろうとする悪しき前例主義の親玉みたいな人たちを据えたこと。このまま終息すればいいが、第3波、第4波が来た時に乗り切れるのか非常に心配」と厳しく指摘する。

 首相補佐官の人選にも疑問は残る。森友学園、加計学園、桜を見る会といった一連の問題の責任を取り、今井尚哉氏、佐伯耕三氏、長谷川栄一氏と経産省出身の3人は役職を解かれた。一方、国交省出身でスキャンダルも報じられた和泉洋人氏の再任が決まった。「国交省を大事にするのはインバウンドで観光庁とのつながりがあるからでしょうが、あれだけ報じられらた人を置いておくというのは“火種”になるかもしれない」と懸念を寄せる。

 いよいよ本格始動となった菅内閣。その船出は順風満帆とはいかなそうだ。

次のページへ (3/3) 【画像】リモート取材で舌鋒鋭く切り込む舛添氏
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