俳優の岡田結実が16日、都内で行われた舞台『醉いどれ天使』の製作発表に、渡辺大らとともに登壇。初舞台出演を喜んだ。

　映画監督・黒澤明さんと、その多くの作品で主演を務めた三船敏郎さんが初めてタッグを組んだ映画が『酔いどれ天使』。映画公開の半年後に舞台作品として上映され、それから長い間眠っていた当時の台本が近年発見されたことで2021年に舞台化に至った。今回上演が決まった25年版では、新たなスタッフ・キャストにより、日本映画最強コンビの原点とも言える作品が再び舞台によみがえる。演出を務めるのは、深作健太氏。

　そんな同作の舞台は、敗戦後の東京。戦争で帰る場所を失った人々は、荒れ果てた都市に流れ着き、闇市でその日を生き延びる生活を送っていた。かつて三船さんが演じた闇市を支配する若いやくざ・松永を演じるのは、6年ぶりの主演舞台となる北山宏光。松永に密かに思いを寄せる居酒屋で働く同郷の幼なじみ・ぎんは、岡田と横山由依がダブルキャストで演じる。

　今回が初舞台出演となる岡田は「初舞台でこんなにすてきな皆さんとできることをかみしめています。すてきなものを届けられるように頑張ります」と意気込み、さらに「戦後すぐのお話です。今の時代も戦争から目を背けられない、向き合っていかないといけない現実がそこにあります。深作さんが常におっしゃられるように『偽物にしたくないこの現実を。戦争を偽物に感じてほしくない、本当にあるから』ってことを胸に、思いを込めて、偽物を演じないように頑張りたいと思います」と力強く語った。

　この日は、同作のポスター撮影を実施した日のことも話題に上がった。初舞台ということもあり、舞台ポスター、ちらしへの掲載は「すごくうれしくて」とにっこり。しかし「前日に髪の毛が超きれいになるトリーメントに行ってしまっていて、コテの熱が入らなくて……。本当は髪の毛を上げる予定だったんですが、熱が入らないってなったので、一人だけストレートになってしまった」と告白し、「大変申し訳ありませんでした！」と他登壇者に謝罪した。

　この話を聞き、渡辺は「このとき（ポスター撮影）金髪なのよ」と言い、「別の舞台でブリーチで金髪にしていたんです。その間だったからスプレーで塗って、（ポスターが）モノクロだったからなんとかなった。そういう意味でも髪問題は僕もありました」と打ち明けていた。

　制作発表には、北山、横山、阪口珠美、佐藤仁美、大鶴義丹も出席した。

　なお同作は、11月7日～23日に東京・明治座、11月28日～30日に愛知・御園座、12月5日～14日に大阪・新歌舞伎座で上演される。