「ここからスタート」 堂本光一、変化を経てたどり着いた4年ぶりソロツアー横浜公演で完全解放の28曲
DOMOTOの堂本光一が11日、横浜アリーナで「KOICHI DOMOTO LIVE TOUR 2025 RAISE」神奈川公演初日を開催した。4年ぶり6枚目のオリジナルアルバム『RAISE』を引っ提げての全国4都市11公演を巡るツアーで、神奈川では3日間4公演で約6万人を動員予定。この日は、約1万5000人を前にアンコールを含む全28曲を披露した。

アンコールを含む全28曲を披露
DOMOTOの堂本光一が11日、横浜アリーナで「KOICHI DOMOTO LIVE TOUR 2025 RAISE」神奈川公演初日を開催した。4年ぶり6枚目のオリジナルアルバム『RAISE』を引っ提げての全国4都市11公演を巡るツアーで、神奈川では3日間4公演で約6万人を動員予定。この日は、約1万5000人を前にアンコールを含む全28曲を披露した。(取材・文=幸田彩華)
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開演前、スクリーンには「1曲目は演出の都合上、コールやペンライトの点灯を控えて欲しい」と表示された。「守らなかったら10曲くらい減らす。以上」。会場には早くも笑いが広がった。
定刻の午後6時に会場が暗転した。1曲目はアルバムのリード曲『The beginning of the world』。タイトルが示す通り、“新たな世界の始まり”を告げるような壮大な旋律が会場全体を包み込んだ。
センターステージには、マントをまとった一人の姿。薄暗い明かりのなか、ゆっくりとメインステージへ歩み出し、観客の視線が集中する。そのマントを脱ぎ捨てた瞬間、白い衣装をまとった光一が姿を現した。12人のダンサーを従え、ミュージックビデオの世界観を示したダイナミックな演出。観客の目を一瞬で釘付けにしたオープニングだった。
「みなさん、ようこそいらっしゃいました。今日が最高の日にしましょう! よろしく!」
あいさつの後、光一は『Time to go』『Tik Tik Tik』を立て続けに歌唱。照明とレーザーが織りなす演出、圧巻のダンスパフォーマンス、生バンドによる極上のサウンドで会場を包み込んだ。
最初のMCでも、“光一節”がさく裂した。初めて自身のライブに来た観客に向けて「いいんですか?(timeleszの)寺西じゃなくて」とボケてみせた。公演数の話題になると、どこか懐かしそうに「昔、横浜アリーナで3日間で1回、2回、2回ってあったのよ。ちょうどやってる時にHey! Say! JUMPが1週間で10公演の発表があったんだよね。よくよく考えると3日間で5公演の方が密じゃないかって(笑)」と回想。さらに、ボヤきで笑いを誘った。
「昔からそうなんです。『光一なら大丈夫っしょ』みたいな何かがある。私、根がM気質なもので、それを言われると頑張っちゃうんですけど……。まあ、いいです。明日(2公演)のことは考えずに今日は今日のことを。舞台もライブも、今しかできない。今しか作り上げられない空気感がありますから。今という時間を楽しんでいきたいと思います」
03年にリリースされたKinKi Kids『薄荷キャンディ―』のカップリング曲で、光一が作詞、作曲を手掛けたせつない女性の心情を歌い上げる『I』を披露した。
その後、黒のハットに赤いスパンコールがびっしりあしらわれたジャケット、そしてタイトな黒パンツに衣装チェンジ。妖艶な魅力あふれる『More & More』や『ホテル・ミラージュ』をパフォーマンスした。
2度目のMCでは、NEWSの増田貴久が楽屋を訪れたことや、自身が中学時代からハードコンタクトレンズを使用していることを明かした。また、スマートフォンを操作しながら「あれ? 携帯どこやったかな」と探してしまう“老化”を感じる瞬間を笑い交じりに語った。
新型コロナウイルス感染症の影響で、着席制限、座席数制限、声出し禁止など、厳しい制限の中で行われた「KOICHI DOMOTO LIVE TOUR 2021 PLAYFUL」から4年。満を持して完全解放のソロツアーとなり、会場には「PLAYFUL」(遊び心)の世界観を再現するコーナーも設けられた。振り返ると、この4年間に24年間続けてきたミュージカル『Endless SHOCK』の終幕や、KinKi Kidsの公式ファンクラブの閉鎖、グループ名をKinKi KidsからDOMOTOへ改名するなど、さまざまな変化があった。それらを受け止め、ついて来てくれたファンに思いを伝えた。
「いろんな環境が変わったり、いろんなことがありましたが、こうして滞りなくコンサートをやれることに感謝ですし、急きょ作ったファンクラブにも入会していただけて、こうして足を運んでいただけることをうれしく思っております」
続けて、「会社も変わったり、ファンクラブも変わったり、いろんなことが大変。オープニングの『The beginning of the world』はとにかく突き進んでいくんだというメッセージも込められた曲になっています」と言い、実感を込めた。
「ソロをやるにあたってアルバムを作るのも悩んだんですよね。一体、自分はどんな曲を表現すればいいんだろう……。スタッフの方とも相談しながら、なかなか決めることができなかったんですけど、『今の状況だからこそ、ここからスタートなんだよ。ここから幕が上がっていくんだよ』みたいな。そんな強いメッセージが込められないかなと相談しながら作っていった曲です」
『Endless SHOCK』が終幕したことについては、「まだ実感がない」と言った。映像化に向けて準備を進めていることも明かし、会場ではダイジェスト版のPR映像が上映された。映像を見終えると、「こうやって見たら、おれ、かっこいいな」と自画自賛。客席からは大きな拍手が起こった。
『愛の十字架 ~Promise 2U~』では、ステージの演出がさらに進化。観客の上空には「浮き橋」が登場。これは12年の「KOICHI DOMOTO Concert Tour 2012 Gravity」以来。アルバム収録曲『LOVE CRISE』の歌詞にあるキーワード“夢浮橋”を体現したような幻想的な演出が広がった。
アンコールでは、胸元が開いたシルバーのトップスに黒パンツというスタイリッシュな装いで登場。トロッコでアリーナを一周し、ステージを飛び出し、ファンと間近で交流した。
最後に、光一は「雨ですから気を付けて現実に帰っていただけたら。夢の空間だったでしょ。夢心地のままだったら何があるか分からないので現実に戻っていただきたいと思います。また、こんな夢の世界をみなさんと作っていけたらいいなと思っています。ありがとうございました!」と言い残し、公演は終了。予定を超える2時間35分に及ぶ音楽とパフォーマンスの全てが、「堂本光一」という表現者の真髄を示していた。
