マリーゴールドは「本当、色々話題にはなる団体になった」 エース林下詩美が振り返る激動の1年半
誰が何と言おうと、マリーゴールドはこの選手が熱くならなければ盛り上がらない。そう、第2代マリーゴールド・ワールド王者の林下詩美だ。マリーゴールドの旗揚げから1年半、多くの大会でメインイベントを任されてきた林下だが、真夏の最強レスラーを決めるリーグ戦『DREAM*STAR GP 2025』ではブロック予選で敗退、同大会で優勝した青野未来に挑戦状を叩きつけられた。その林下に、この激動の1年半弱の時間を振り返ってもらった。

マリーゴールドのエース・林下詩美が旗揚げからを回想【インタビュー前編】
誰が何と言おうと、マリーゴールドはこの選手が熱くならなければ盛り上がらない。そう、第2代マリーゴールド・ワールド王者の林下詩美だ。マリーゴールドの旗揚げから1年半、多くの大会でメインイベントを任されてきた林下だが、真夏の最強レスラーを決めるリーグ戦『DREAM*STAR GP 2025』ではブロック予選で敗退、同大会で優勝した青野未来に挑戦状を叩きつけられた。その林下に、この激動の1年半弱の時間を振り返ってもらった。(取材・文=橋場了吾)
2024年5月20日、林下詩美がジュリアと組み、Sareee&ボジラ組と対戦したマリーゴールド旗揚げ戦のメインを務めた。それから1年半近くが経過した。
「まだ1年半しか経っていないんだなって感じです。3~4年くらいやってきた感覚ではありますね。本当、色々話題にはなる団体になったかなと思います。山岡聖怜や心希のデビュー、高橋奈七永の引退、そして技の失敗集……いいことも悪いことも話題になる団体ですね。技の失敗は、正直自分がデビューしたときもめちゃくちゃありましたよ。マリゴは特にキャリア1年未満の選手が多いので、もちろんお客様にお金をいただいて試合をしているので失敗は良くないんですけど、そりゃ失敗するだろうというキャリアの子たちが多いので、特にそれが目立って取り上げられて、技の失敗が多い団体というイメージがついてしまったのかなと。
私もあのくらいのキャリアだったら失敗していますよ、にしても多すぎましたね。道場がなかったので技の練習が足りなかった、というのは言い訳ですよ。急に大勢のお客さんの前で試合をして、という経験はなかったと思うので、プロ意識が足りなかったとは思います。成長を見守りたいタイプのファンの方には良かったのかもしれないですけど、自分たちはやっぱり試合を見せないといけない仕事なので。どうやったらできるようになるのか伝えるもどかしさはありましたよね。その中で近藤(修司)さんが入っていただいたのは本当に大きくて、指導の仕方が上手すぎて助かっています」

アイコン・岩谷麻優は変わらな過ぎて逆に安心した
今年1.3大田区大会で、林下はSareeeを破り第2代マリーゴールド・ワールド王者となった。王者として、今のマリーゴールドをどう見ているのか。
「団体として大きく成長していると思いますし、逆に成長している人としていない人の差が出てきたなとも思います。『この子が将来ベルトを取るんだろうな』と『スター性が見えてきたな』思う選手もいますし、『この子はまだ厳しいな』と思う選手もいますよ。(天麗)皇希は欠場が続いていますが、私もデビュー直後にケガで休んでいるんです。タイトルマッチも多かったので、前向きに考えて“神からの休暇期間”だと思って2か月休んだんですけど、復帰してすぐに骨折して。その時はとにかく辛かったですね。
“神からの休暇期間”を使ったばっかりなのに……ほかの選手の試合を見ていて、盛り上がっているとめちゃくちゃ悔しかったですね。本当だったら、私がこのリングでお客さんの前でカッコよく立っていたはずなのに、でも、当時は見ることしかできないから、見て勉強しようと思っていました。先輩の受け身だったり、動きだったりを見て、勉強する期間にしていました。皇希はこの期間中、何を考えるかが大事なんじゃないかと思いますね。将来性はありますけど、皇希には“まだ見えていないプロレス”があるはずなので」
マリーゴールドの最近の明るい話題のひとつといえば、岩谷麻優の加入だろう。林下とは、スターダム時代からの長い付き合いとなる選手だ。
「華やかさが加わりましたね。岩谷麻優がいる・いないで試合の華やかさが全然違うなと思います。やっぱりアイコンはスターだなと感じさせられましたね。(岩谷は)変わらな過ぎて安心しました(笑)。私的には、岩谷麻優という存在が凄すぎてマリゴの皆が“腫れもの扱い”してしまうことを心配していたんですけど、ゴチカ(後藤智香)が元気に絡んでいって、岩谷麻優にとっても過ごしやすい環境なんじゃないかなと思いました。(15分時間切れで終わった久々のシングルマッチは)短いですね。でも楽しかったですよ、昔から知っている人とのシングルは。(1年半)離れていた時間が関係ないくらい、変に気を遣うことなく試合ができて、体が勝手に岩谷麻優向けの試合をしていましたね」
(12日掲載の後編へ続く)
