野口五郎69歳、今もパワフルな歌声は「ギフト」 親子共演したピアニスト長女「とても尊敬しています」

来年芸能生活55周年を迎える歌手の野口五郎がこのほど、NHK-BS音楽特番『歌える!青春のベストソング~ザ・ヒットパレード~』(10月18日午後9時)の公開収録で、ピアニストの娘・文音と共演した。収録にはバイオリニスト・廣津留すみれも参加し、3人でミュージカルの名曲や1975年の代表曲『私鉄沿線』を披露した。特に『私鉄沿線』は、文音自らアレンジを担当。これまでも父娘共演し同曲を歌ったことはあるが、今回の“スペシャル版”も注目される。公開収録を終えた3人に話を聞いた。

(左から)廣瀬智美NHKアナ、平野ノラ、野口五郎、文音、廣津留すみれ、DJ KOO【写真:(C)NHK】
(左から)廣瀬智美NHKアナ、平野ノラ、野口五郎、文音、廣津留すみれ、DJ KOO【写真:(C)NHK】

野口五郎、長女・文音と音楽特番で親子共演

 来年芸能生活55周年を迎える歌手の野口五郎がこのほど、NHK-BS音楽特番『歌える!青春のベストソング~ザ・ヒットパレード~』(10月18日午後9時)の公開収録で、ピアニストの娘・文音と共演した。収録にはバイオリニスト・廣津留すみれも参加し、3人でミュージカルの名曲や1975年の代表曲『私鉄沿線』を披露した。特に『私鉄沿線』は、文音自らアレンジを担当。これまでも父娘共演し同曲を歌ったことはあるが、今回の“スペシャル版”も注目される。公開収録を終えた3人に話を聞いた。(取材・文=福嶋剛)

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――ミュージカル『レ・ミゼラブル』から『夢やぶれて~I Dreamed a Dream~』、『私鉄沿線』は聞き入ってしまいました。野口さんが歌い終わるとお客さんから感動の拍手が鳴り止みませんでしたね。『レ・ミゼラブル』(1987年に日本初演)はかつて出演された作品でした(初代マリウス役)。

野口「うれしいです。本当に今日の収録は『楽しかった』のひと言に尽きます。『夢やぶれて』は、今回、廣津留さんとご一緒する機会をいただいたのでぜひ文音と3人でやってみたいと思いました。歌ってみると久しぶりに『レ・ミゼラブル』に初めて出合った時のことを思い出しました。当時、演出家に教わりながら涙して歌えなくなるようなこともありましたが、そんな過去を思い出すような不思議な感覚を味わうことができました。廣津留さんのバイオリンのおかげでこのようなありがたい経験をさせていただきました。ありがとうございました」

廣津留「とんでもないです。こちらこそ貴重な機会をいただきました。五郎さんの歌が本当に素晴らしくて、私は必死に付いていくことで精一杯でした(笑)。でも、本当に楽しい空間でしたね」

文音「実はリハーサルまでは『どうしよう』ってずっと緊張していました。でも本番の演奏が始まると、ここでしか味わえない廣津留さんのバイオリンと父の歌声を間近で感じながら、初めて経験させていただく特別な感覚で演奏することができました」

――『私鉄沿線』は文音さんがアレンジしたスペシャルバージョンでした。

文音「3人の演奏と歌という編成なのでバンド演奏とは違う、歌とバイオリンが引き立つような、そんなアレンジを考えてみました。実際に演奏してみると廣津留さんの演奏にしびれました」

廣津留「文音さんは緊張したって仰っていましたけど、演奏中の文音さんは、笑顔で楽しそうにしているのが伝わってきました。私にもアイコンタクトを送ってくれて、ピアノとバイオリンのユニゾンのところは楽しかったですね。五郎さんの歌を引き立てている本当にすてきなアレンジになっているのでぜひ番組でチェックしてほしいです」

現在は全国ツアーの真っ最中【写真:(C)NHK】
現在は全国ツアーの真っ最中【写真:(C)NHK】

野口「僕は趣味も仕事も全部が音楽」

――文音さんと廣津留さんの演奏に導かれて、69歳とは思えない野口さんのパワフルで美しい歌声に涙を浮かべるお客さんもいました。

野口「つくづく思うのは、子どもたちはもちろんですが、僕の声も本当に神様からいただいた大切なギフトなんだなって。この年齢になってできることもあると思いますし、やっぱり感謝を忘れてはいけないなって思っています。今回もそんな気持ちで歌わせていただきました」

――そんなお父様を文音さんはどんな風に見ていますか。

文音「とても尊敬しています。こんなに長い間、歌でたくさんの方を幸せにしてきた人なのに、今でも歌えることをギフトだと言って、家でも感謝の言葉を忘れない父親です。そんな父の背中を見ながら私も努力を怠らない大切さや謙虚でいる大切さをいつも学ばせていただいています」

――では最後に今後の活動についてお聞きします。野口さんは来年芸能デビュー55周年を迎えます。そして廣津留さんはニューアルバムをリリースしましたね。

野口「そうですね。全国ツアーの真っ最中で、その合間に僕が長い間、ずっと探求している『良い音』の技術について、いろんな大学と一緒に研究を続けています。僕は趣味も仕事も全部が音楽なのでこれからも歌える間は歌っていきたいですし、音楽で好きなことを追求していきたいと思います」

廣津留「私は9月24日にソロアルバム『11 Stories(イレブンストーリーズ)』をリリースしました。クライスラーを始め、私が幼いころから影響を受けた楽曲を演奏しています。今回のようにジャンルの違う方たちとのコラボレーションは、私自身の演奏にもとても良い影響を与えていただいています。全国ツアーもあるのでよかったら遊びにいらしてください」

文音「私はこれからもピアノとアレンジの両方で頑張っていきたいと思います」

 NHK-BS/BSP4K『歌える!青春のベストソング~ザ・ヒットパレード~#14』は、10月18日午後9時、BSP4Kは11日午後7時30分から放送。出演は小椋佳、甲斐バンド、狩人、キマグレン、coba、近藤真彦、SARD UNDERGROUND、シシド・カフカ、島津亜矢、ジュディ・オング、Taiyo、新浜レオン、野口五郎、文音、ハラミちゃん、廣津留すみれ、藤井空、司会は、DJ KOO、平野ノラ、廣瀬智美アナウンサー。

□野口五郎(のぐち・ごろう、本名:佐藤靖)。1956年2月23日、岐阜・美濃市生まれ。1971年、15歳で演歌『博多みれん』でデビュー。同年、『青いリンゴ』でポップスに転向。西城秀樹、郷ひろみとともにトップアイドルの“新御三家”と呼ばれた。NHK紅白歌合戦は当時の最年少出場記録(16歳10か月)を樹立。代表曲は『甘い生活』『私鉄沿線』など多数。俳優としても舞台やドラマなどで活躍。ミュージカル『レ・ミゼラブル』(1987年に日本初演)日本版初代マリウス、NHK連続テレビ小説『さくら』(2002年)、NHK大河ドラマ『功名が辻』(06年)などに出演した。

□廣津留すみれ(ひろつる・すみれ)大分市出身のバイオリニスト。12歳で九州交響楽団と共演、高校在学中にニューヨーク・カーネギーホールにてソロデビュー。ハーバード大学(学士課程)卒業、ジュリアード音楽院(修士課程)修了後、ニューヨークで音楽コンサルティング会社を起業。現在は日本を拠点に世界各地で演奏活動を行う。国際教養大学特任准教授・成蹊大学客員准教授。大分市教育委員。テレビ朝日系『羽鳥慎一モーニングショー』の金曜レギュラー(21年1月〜25年9月)。『超・独学術』(KADOKAWA)など著書・訳書も多数。

□文音(あやね)ピアニスト、アレンジャー。父は歌手・野口五郎、母はタレント・三井ゆりで、2002年に長女として生まれる。2021年、音楽コンクール「SAKURA JAPAN MUSIC COMPETITION 2021」東京大会にて「奨励賞」を受賞。東京音楽大学ピアノ演奏家コースを卒業し、ピアニスト、編曲家として活動中。父の野口とコンサートなどでたびたび共演している。

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