森山未來、ソロパフォーマンス初全国ツアーに決意「生で出会えればそれだけでいい」
俳優の森山未來が演出・出演するリーディングパフォーマンス「『見えない/見える』ことについての考察」(10月14日~11月6日、横浜赤レンガ倉庫1号館3Fホールほか)の合同取材会が16日、東京・恵比寿のウエスティンホテル東京で行われた。
作品が誕生した17年には「こんな状況にはなるとは思いもよらなかった」
俳優の森山未來が演出・出演するリーディングパフォーマンス「『見えない/見える』ことについての考察」(10月14日~11月6日、横浜赤レンガ倉庫1号館3Fホールほか)の合同取材会が16日、東京・恵比寿のウエスティンホテル東京で行われた。
公演は2017年に東京藝術大学で行ったものの再演。「ブラインドネス」(08年)として映画化された、ポルトガルのノーベル文学賞受賞作家ジョゼ・サラマーゴ氏の小説「白の闇」(翻訳・雨沢泰、河出書房新社刊)などを朗読し、ダンスパフォーマンスも披露。「白の闇」は突然、まん延した伝染病によって、1人以外を除き、すべての人々から視力を奪われた世界を描くもの。コロナ禍で新しい日常を築くことになった現代人に、「見える」とはどういうことかを問いかける。
森山は「(初演は)東京藝術大学のキュレーター、長谷川祐子さんにお声がけをいただいたのがきっかけ。『白の闇』は世界中が盲目になってしまったという物語。もう1つ読む『白日の狂気』は内面的な盲目性を描いている。この2つの話を交錯させたら、面白いと思った。去年、UAEでもやらせていただいたが、作品を継続できるのは素晴らしいこと。17年には、こんな状況にはなるとは思いもよらなかった。価値観が変動する中、どうやって生きていくのか。この作品をやる意味が皮肉にも出てしまった」と話す。
森山にとって、ソロパフォーマンスとしては初となる全国ツアー(7か所38公演)。「舞台芸術は厳しい立ち位置にあるが、見たい欲求は変わらないと信じて、最善の対策を立てて、無事にツアーを成功させたい。舞台芸術は実際にその場所で共有する強さはあり、やるしかない。ふれあいでしか体感できない。生で出会えれば、それだけでいいくらい。一緒に時間を体感できれば、と思っています」と思いを語った。
コロナ禍ではオンライン上でもパフォーマンスを表現。「5、6個パフォーマンスはやりました。オンラインでも、クリエーションが成立するのかという実験はやってきた。(外出自粛期間は)家で淡々と生活していた。家では仕事をしないので、もどかしい日を過ごしていました」と振り返っていた。
公演では横浜を始め、サントミューゼ上田 大スタジオ(長野県)、愛知県芸術劇場 小ホール(愛知県)、あましんアルカイックホール・オクト(兵庫県)、フェニーチェ堺 大スタジオ(大阪府)、スカラエスパシオ(福岡県)、長崎市チトセピアホール(長崎県)をめぐる。