AmazonのCM出演で思わぬ反響 親に反対された単身上京、いきなりの海外ドラマ「運があったのかな」
昨年よりAmazonプライムのCMで“ラーメンを作る女の子”として話題になった、俳優・奥山葵が10月7日スタートのTBS系連続ドラマ『スクープのたまご』(火曜深夜0時58分)で初のドラマ主演を務める。週刊誌を舞台にした“お仕事ドラマ”で、奥山は新人記者役に挑む。2019年に英国放送協会(BBC)/Netflix制作のドラマ『Giri / Haji』でデビューし、6年。大役をつかんだ26歳が、このほどENCOUNTの取材に応じた。

『スクープのたまご』で主演
昨年よりAmazonプライムのCMで“ラーメンを作る女の子”として話題になった、俳優・奥山葵が10月7日スタートのTBS系連続ドラマ『スクープのたまご』(火曜深夜0時58分)で初のドラマ主演を務める。週刊誌を舞台にした“お仕事ドラマ”で、奥山は新人記者役に挑む。2019年に英国放送協会(BBC)/Netflix制作のドラマ『Giri / Haji』でデビューし、6年。大役をつかんだ26歳が、このほどENCOUNTの取材に応じた。(取材・文=水谷賀奈子)
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本作は、大崎梢氏による同名小説をドラマ実写化。大手出版社・千石社の週刊誌「週刊千石」が舞台で、週刊誌の裏側にも迫る。奥山演じる、入社2年目の新人記者・信田日向子は「週刊千石」編集部に異動となり、芸能ネタや横領、不審死事件など、さまざまなスクープと向き合っていく。
ドラマ初主演が決まった時の気持ちを聞くと「驚きました。大きな役でたくさんお芝居ができるということが、うれしかったです。台本はすごくせりふが多いと思いました」と声を弾ませ、率直な気持ちを明かした。
また、週刊誌記者の役作りのために実際に記者の話を聞いたそうで、「それまでは(週刊誌に)あまり良い印象はなかったのですが、記者の方の話を聞き、『一生懸命にネタと向き合って、真実を世に発信しようと思っている』と学びました」と刺激を受けたようだ。
そして、自身と比較しながら、演じる日向子についても語った。
「日向子は、すごく一生懸命な女の子。駄目だと思っても、それでもやる。自分で越えていく強さがある。いろいろなものに『なんでだろう』と興味を持つ部分は私と似ているのですが、その後に行動に移すのが日向子で、面倒くさがるのが私です。日向子を尊敬します!」

英・ロンドンでの撮影も経験
自身を“消極的な性格”と分析したが、俳優になるために北海道から東京の演劇学校に入学することは自分一人で決断したことだった。
「高校3年生の時に進路を考える中で、小学生の時に見た映画『ハリー・ポッター』に憧れて、魔法使いにはなれなくても俳優になれば作品の世界に入れると気付きました。『「ハリー・ポッター」に出られないまま、たとえ出られないとしても行動に移さないまま生きていくのは寂しい』と考えて、思い切って決めました」
だが、当初はスムーズにはいかず、家族からの反対にあったという。
「両親は『そんな大事なことどうして言わないの』と、ちょっと怒っていました。それでも私は『お年玉を使えば、飛行機代はあるから』と押し切って、入学オーディションのために東京に向かいました。入学してからも『辞めて戻って来る? 専門学校か大学に入る?』と言われていました」
強気な姿勢で上京したものの、東京での一人暮らしによるつらさもあって、当時は演劇学校を辞めることも考えた。だが、そこに“運命”が待っていた。
「それまでずっと北海道で家族と暮らしていたので、ホームシックで外に出るのも怖くて、休みの度に実家に帰っていました。お芝居の基本も知らず、18~19歳で新しいことを始めるということが想像以上にしんどくて、辞めようと思ったこともありました。それでも続けられたのは、運があったのかなって。人や作品に巡り会えたおかげです」
そう打ち明け、話を続けた。
「演劇学校は2年間通うのですが、1年目が終わる時に『Giri / Haji』(2019年、NetflixとBBC制作のドラマ)のオーディションに受かりました。そこで事務所に所属することが決まって『もう(演劇学校を)辞められないな』と。2年目の半分以上は撮影で英ロンドンにいたので、東京に慣れたというよりも、知らない場所だからこそ挑戦できる環境に慣れたのかなと思います」
まさに、“運”が開けた瞬間だった。もっとも、「人に負けるのはいいけれど、自分に負けるのが一番悔しいです。ずっと言い訳をしないといけないのが嫌ですし、恥ずかしい」と持ち前の“負けず嫌い”な性格で、運を手繰り寄せたといっても過言ではなさそうだ。
ドラマの撮影では、現場における海外と日本との違いに気付きもあった。一番の相違は「スケジュール」とし、「1日に撮影するシーンが少ないです。『すべての部門があってこそ作品ができあがる』という考えが強く、休憩も全員が1時間とります。とれなければ補償が出たり、その日の労働時間が短くなるという印象です」と説明した。
さまざまな経験が糧になり、最近は国内でも躍進する。フジテレビ系連続ドラマ『パリピ孔明』(2023年)やNHK連続ドラマ『しあわせは食べて寝て待て』(25年)、そして、昨年はAmazonプライムのCM「ラーメンプログラマー篇」にも出演し、話題に。CMの反響は大きかったようで「友達から連絡が来ました。家にテレビがないので、私は全然見られていないんですけど(笑)。CMを見た方から、SNSでダイレクトメッセージをいただくこともあってうれしかったです!」と笑顔を見せた。
最後に、今後の目標を聞くと、前向きな言葉で回答した。
「俳優として、いろんな人の人生を生きてみたいです。どこの国で、というこだわりはないですね。楽しいからお芝居をやるというスタンスなので、どこの国でも楽しくお芝居をやりたいです」
□奥山葵(おくやま・あおい)1999年2月23日、北海道出身。高校卒業後に上京し、演劇学校「アップスアカデミー」に入学。在学中の2019年にに英国放送協会(BBC)とNetflixが制作するオリジナルドラマシリーズ『Giri / Haji』に出演し、俳優デビューした。その後もドラマやCMなどに登場。主な出演作は、フジテレビ系連続ドラマ『パリピ孔明』(23年)やNHK連続ドラマ『しあわせは食べて寝て待て』、24年にAmazonプライムのCMなど。25年10月期のTBS系連続ドラマ『スクープのたまご』でドラマ初主演を果たす。
『スクープのたまご』
出演:奥山葵、前原滉、大倉空人(原因は自分にある。)、佐藤友祐、本島純政、黒瀬ひな、古屋呂敏、相馬理、永岡佑、夙川アトム、赤ペン瀧川
10月7日(火)深夜0時58分~スタート(一部地域を除く)
地上波終了後、「TVer」「TBS FREE」にて一週間見逃し配信。日本国内では地上波放送開始に先行して9月30日から「Netflix」にて配信。その後、海外にて順次配信を予定。
