今は「繊細なワイプ時代」 霜降り明星せいやが見たバラエティー界…差をつける個性
お笑いコンビ・霜降り明星のせいやが、10月7日からスタートする日本テレビ系『X秒後の新世界』(火曜午後10時。初回は午後9時から2時間スペシャル)でレギュラーを務める。世の中のちょっとした疑問や謎を勝手に検証する新型バラエティー。ゴールデン・プライム(GP)帯レギュラーのMCに意欲を燃やすせいやを直撃した。

『X秒後の新世界』が7日からスタート
お笑いコンビ・霜降り明星のせいやが、10月7日からスタートする日本テレビ系『X秒後の新世界』(火曜午後10時。初回は午後9時から2時間スペシャル)でレギュラーを務める。世の中のちょっとした疑問や謎を勝手に検証する新型バラエティー。ゴールデン・プライム(GP)帯レギュラーのMCに意欲を燃やすせいやを直撃した。(取材・文=小田智史)
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インターネット上の動画をよく視聴する現代人の多くは「サムネイルのように結果を先に知った上でその確認のためにコンテンツを視聴する」と言われている。『X秒後の新世界』は、何秒後かに視聴者の価値観や感情をガラッと変えてしまうVTRを見せ、観た後に新たな世界へといざなう“価値観チェンジバラエティー”だ。
これまで今年1月、5月、8月にパイロット版が放送され、レギュラー化が決定。せいやはフリーアナウンサーの藤井貴彦、お笑い芸人のヒコロヒーと共にMCを務める。霜降り明星として2018年に『M-1グランプリ』にて史上最年少、史上初の平成生まれで王者に輝き、レギュラーも多く持つせいやだが、「GP帯レギュラーはやっぱり違いますよ」とうれしそうに話す。
「年々、(GP帯レギュラーは)重い扉になっている気がします。世の中、意味があることしか許されへん、みたいな。だから、この番組は時代のすき間に滑り込む形でよく通ったなと(笑)。奇跡な感じがしますね。ポンポンポンと軽快にレギュラーになったので、こんなことあるんだという感じです」
現在、33歳のせいや。「先輩の層が厚すぎて、年功序列というか、40代にならないと回ってこないんだろうなと、諦めていたところがあった」という。だからこそ、「バラエティー界は夢があるなと思いました」という言葉には思いがにじむ。
日常の中に潜む見逃しがちな謎や不思議な現象を新しい視点で解明・検証するのが、『X秒後の新世界』の特徴。せいやは「今はVTRを見るバラエティーが多いと思います。おそらく、VTRが流れている方が(視聴率の)数字がいいんでしょうね」と見解を述べつつ、目の前の仕事に常に全力で取り組んできた姿勢が今回のレギュラーにつながったと頬をほころばせる。
「今、すごく繊細なワイプの時代だと思います。ワイプはバカにできないんです。ぼーっとVTRを見ていたら、仕事が終わってしまう。『お疲れさまでした』とギャラをもらえますけど、それやったら仕事が減っていくと思います。いかにVTRを邪魔せえへん、でも個性のある、『この人にスタジオにいて欲しい』と思わせるコメントができるか。大ひな壇でわーっとトークだけは平成のバラエティー。今は作り込んだVTRとかが必要です。考えようによっては『VTR見てるだけやん』と言う人もいるし、『VTRを見る仕事は断る』という方もいますけど、僕は逆にVTRを見る仕事は難しいと思います。そこで差をつけなあかんので。サボれてしまうところで、コメントを意識する。そこで前傾姿勢で、『俺のコメントがテロップの中で一番になれ!』と何年かやっていたら、『X秒後の新世界』の仕事が来てくれたので、意識って大事やなと思います」
何でも「1回興味を持ってみるのが大事」
『X秒後の新世界』は、笑いあり、地方ネタあり、雑学あり、感動あり、多岐にわたるジャンルのネタを紹介してきた。数多のバラエティー番組があるなかで、切り口次第でさらに楽しめる可能性があることを証明している。
最後に、せいやにイメージや想像を膨らませるコツと共に、『X秒後の新世界』をどんな番組にしていきたいか聞いた。
「ヒャダインさんがミュージックビデオで『なんで降りてん!』って言うだけのVTRがあったんです。台から1回降りて、昇るだけ(笑)。でも、誰かがポロっと言って、盛り上がったんでしょうね。結構しょうもないと思うことでも、言ってみることが大事かもしれないですね。レギュラーになるので、全部が100点なんて出ないじゃないですか。スタッフさんには、しょうもなくても検証してみてほしいですね。そこから新しい番組とか、新しいファンの方が付きそうな気がしていて。特番時代も、銅像がボールを持っていて、その方向にボウリング場のでっかいピンがあって、『ボウリングしている』みたいな(笑)。あれ、めっちゃ好きやったんすよね。ああいう、『しょうもなっ!』と言わせてほしい。割と、いいアイデアというよりは、何でも1回興味を持ってみるのが大事なんちゃうかなと。別にスタジオで膨らませられますし。『今日ネタなかったんやな』というイジリもできる。外れもないとね。当たりだけだと疲れると思います。外れと当たりの緩急が面白い番組にしたいですね」
