横山裕、元メンバーの渋谷すばると対バン 6年9か月の時をへて実現した“歌い合い”…渋谷が感謝「ヨコがきっかけを」

SUPER EIGHT・横山裕とソロアーティスト・渋谷すばるによる対バンイベント「横山裕×渋谷すばる」の最終公演が5日、東京ガーデンシアターで行われた。9月20日、21日の神戸・ワールド記念ホールでの兵庫公演、今月3日からの東京公演のチケットは即完。全5公演で、約3万5000人を動員した。渋谷は2018年をもって、関ジャニ∞(2024年2月、SUPER EIGHTに名称変更)を脱退。約6年9か月の時をへて、固い絆で結ばれた2人が歌い合った。

歌い合った横山裕と渋谷すばる【写真:冨田味我】
歌い合った横山裕と渋谷すばる【写真:冨田味我】

5公演で約3万5000人を動員

 SUPER EIGHT・横山裕とソロアーティスト・渋谷すばるによる対バンイベント「横山裕×渋谷すばる」の最終公演が5日、東京ガーデンシアターで行われた。9月20日、21日の神戸・ワールド記念ホールでの兵庫公演、今月3日からの東京公演のチケットは即完。全5公演で、約3万5000人を動員した。渋谷は2018年をもって、関ジャニ∞(2024年2月、SUPER EIGHTに名称変更)を脱退。約6年9か月の時をへて、固い絆で結ばれた2人が歌い合った。

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 ファンのコールが響く中、横山が最初にステージに姿を現した。6月にソロアルバムをリリースし、15年ぶりとなった全国11都市を巡るソロツアー『ROCK TO YOU LIVE TOUR』を9月に終えたばかり。同ツアーは「武者修行」と銘打ったソロプロジェクトだったが、その勢いで渋谷に戦いを挑んだ。そして、最終日を迎えて横山は言った。

「『今日が一番幸せ』ってライブやるからさ。全力でかかってこいよ!」

 横山のかき鳴らすギターで『ロックスター』が始まると、観客は力強く拳を突き上げ会場のボルテージが一気に高まる。「♪俺、ロックをあなたに届けたいんすよ!届けるんすよ!それが俺の存在意義」との言葉で始まった『存在意義』では、「あなたと俺でやるんすよ」と熱く会場に呼びかけた。

 MCでは、「たぶん、今日はいろんな感情がうごめくと思います。でも、それが生きてる証拠やから。今日という日を脳裏に焼きつけて、これからもやっていこうと思う。帰る時に『幸せやったな』って思わせるから大丈夫。絶対、悔いが残らんように出し切るから、あなたも本気でぶつかってきて」と語りかけ、会場から大きな歓声と拍手が巻き起こった。その後、『黄金期』や『プライド』といったストレートなロックを力の限り歌い上げた。

 ライブ終盤になると、横山は「あいつの強い覚悟がなかったら、ずっと歌い続けてくれてなかったら、俺はギターを持ってないし、今、あなたの前で歌ってないと思う」と切り出し、言葉を続けた。

「何が正解か分からないこの時代。失敗なんて絶対するから、あとはどう正解にするかだけ。だから、俺は自分を信じるようにしてんねん。自分を信じないと人を信じれないから。人を信じられへんかったら、人に優しくしてもらえへんから。だから、あなたも自分を信じて。自分を信じて、自分がいいと思うものを信じて、俺はそんなカッコいい人生を歩みたいと思ってんねん、あなたとともに」

 そう静かに語ると、9曲目でラストの『ど真ん中』を届けた。そして、「この後、俺の友達がカッコいいステージ見せてくれるから!」と渋谷にタスキを渡し、鳴りやまない拍手に包まれながらステージを後にした。

 続いて横山からタスキを受け取った渋谷が登場。ステージのど真ん中でピンスポットに照らされ、アカペラで力強く歌い出した。1曲目はトイズファクトリー契約後第1弾リリースの楽曲で、この対バンのきっかけにもなった『人間讃歌』。ありったけの思いを込めて歌い上げ、観客はその歌声を聴き入った。

 その後は一転、ダンサーたちとともに『Lov U』『アオ』のポップなナンバーを披露。会場からのクラップに合わせて渋谷も体を揺らし、時にジャンプしながら笑顔を見せた。そして、「最高のバトンを受け取ったので、自分も自分のベストを尽くそうと思います」とやわらかな表情に。さらに「毎日、誰もが一生懸命に闘って生きてる。どんな時も、ありのままのあなたで生きていてください」と語り、『さらば』を披露した。その力強くも優しい歌声に、涙を流すファンの姿もあった。

 そして、渋谷は「今日の日にピッタリな今日がニューアルバムにあるんです。ぜひ、初披露させてもらえないでしょうか」と言い、サプライズで新曲『Final Note』を歌った。バンドメンバーと楽しそうな掛け合いもみせ、客席は歓喜で満たされた。『ストライクゾーン』のイントロが始まると、渋谷は「次の曲は、全員でタオルをぶん回す曲です!準備はよろしいでしょうか~!」。アップビートな楽曲に合わせて観客がタオルを回し、ガーデンシアターは一体感に包まれた。

 後半に入ると、渋谷は「暴れちゃってよろしいでしょうか! 全部、ぶつけてこい! 俺が一つ残らず全部受け取るから」とあおり、『爆音』『ワレワレハニンゲンダ』など、ロックのメドレーで畳みかけた。

 その後、「今回の対バンができたのは、横山裕っていう1人の人間の熱い思い、覚悟…そういうヨコの思いが伝わって、心動かされた人がたくさんいたから。俺もその1人です」と言い、ゆっくりと言葉を紡いだ。

「たくさん動いてくれたスタッフのみなさん、全てのきっかけを作ってくれた横山裕に心から感謝を伝えたいです。僕と横山裕とでしかできないライブを届けられたんじゃないかと思っています。(客席に向けて)いろんな思いがあったと思うけど…今、ここにいてくれて、このライブに来てくれてありがとうございます」

 ラストの『Sing』では、「♪歌が必要だ この世界に 歌が必要だ どんな時でも」とつづった力強い歌詞を観客と一緒に歌い、心を一つに合わせた。そして、笑顔があふれる会場を渋谷は幸せそうに見渡し、何度も「ありがとう」を伝えながらステージを去った。

再会の日も「10.5」

 アンコールでは2人で登場。息の合ったトークで笑わせた後、横山がゲストボーカリストとして参加した渋谷のアルバム表題曲『Su』を披露。ここでモニターに突如、1枚の写真が映し出された。それは2人が久しぶりに会い、思いを伝え合った日の写真だった。日付はこの日と同じ「10月5日」。会場からは「え~!!」と驚きの声が上がった。最後は横山によるアルバム『ROCK TO YOU』の収録曲で、横山が作詞、渋谷が作曲した『繋がる』をともに歌い上げ、盛り上がり最高潮のままステージの幕を閉じた

 かつては考えられなかったグループのメンバーと元メンバーによるソロでの対バン。18年4月15日、メンバー全員が同席した渋谷の脱退会見では、横山が真っ先に涙した経緯もある。だが、この日の2人は純粋にアーティスト同士として対峙し、それぞれの覚悟をステージでぶつけ合っていた。

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