森田望智、朝ドラ『虎に翼』で得た財産 今も続く共演者との絆「月1回は必ず集まります」

『全裸監督』や『虎に翼』で知られる俳優の森田望智が、映画『火喰鳥を、喰う』(10月3日公開、本木克英監督)で新聞記者役に初挑戦した。本作は、不可解な現象に翻弄される家族と、それに巻き込まれる人々を描いたミステリー。NHK連続テレビ小説『虎に翼』(2024年)ではヒロインの親友役を演じた森田が、本作と今も続く朝ドラの交友についても語ってくれた。

インタビューに応じた森田望智【写真:増田美咲】
インタビューに応じた森田望智【写真:増田美咲】

映画『火喰鳥を、喰う』で新聞記者役に初挑戦

『全裸監督』や『虎に翼』で知られる俳優の森田望智が、映画『火喰鳥を、喰う』(10月3日公開、本木克英監督)で新聞記者役に初挑戦した。本作は、不可解な現象に翻弄される家族と、それに巻き込まれる人々を描いたミステリー。NHK連続テレビ小説『虎に翼』(2024年)ではヒロインの親友役を演じた森田が、本作と今も続く朝ドラの交友についても語ってくれた。(取材・文=平辻哲也)

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 森田はNetflixドラマ『全裸監督』(2019、2021年)ではセクシー女優「黒木香」を演じ、NHK連続テレビ小説『おかえりモネ』ではヒロインの先輩気象予報士、『虎に翼』(2024年)ではヒロインの親友役と幅広い役柄をこなしてきた実力派。清純さと強さをあわせ持つ存在感で注目を集め、近年は映画やドラマのほかに舞台へ活動の場を広げている。

 本作は、「第40回横溝正史ミステリ&ホラー大賞」の大賞を受賞した原浩氏の同名小説が原作。信州で暮らす久喜雄司(水上恒司)と妻の夕里子(山下美月)のもとに、戦死した先祖の日記が届き、そこに記された「ヒクイドリ、クイタイ」の言葉をきっかけに祖父の失踪や墓石の損壊といった異変が続発。夫婦は超常現象の専門家・北斗総一郎(Snow Man・宮舘涼太)や地元記者の与沢(森田)の協力を得て、次第に真相に迫っていく。

 森田は脚本を読んだ当初から「ただ怖いだけではなく、言葉にできない魅力や念のようなものを感じました」と不思議な印象を抱いたという。

 演じたのは、主人公夫婦とともに怪奇現象の謎に立ち向かう地方新聞の記者・与沢。「個性的というより普通の人。観客が感情移入しやすい存在」と説明し、異常な出来事に遭遇してもあきらめず真相を突き止めようとする姿に記者としての魂を感じたという。

 監督からはセリフを一つひとつ丁寧に言うよう求められ、「自然な会話のように“あの”や“その”を多用しないことで、異常現象をより恐ろしく伝える映像になると学びましたし、ホラーならではの芝居の難しさを実感しました」と振り返る。

 役作りのため地方紙を読み込み、記者の1日を紹介する動画などを研究した。「地元の新聞は人とのつながりを大切にしていて温かさを感じました。大都市の新聞とは違う視点に学ぶことが多かったです」と役柄へのアプローチを明かす。

朝ドラ『虎に翼』出演について「大きな財産になりました」と語った【写真:増田美咲】
朝ドラ『虎に翼』出演について「大きな財産になりました」と語った【写真:増田美咲】

“諦めた夢”も「今につながっている」

 近年はNHK連続テレビ小説『虎に翼』でヒロイン伊藤沙莉の親友役を演じ、話題を集めた。

『さよならモネ』に続く2度目の朝ドラ出演となったが、「全く別物でした。高校生からおばあさんまで演じることができ、まるで“人生を早送りで生きる”ような不思議な体験でした」と述懐する。

 1年間にわたる撮影ではキャストやスタッフと深く関わり、「地方に行くと役名で声をかけてもらえました。こんな経験は初めてです。こんなにも多くの方に見てもらっているのだと実感し、大きな財産になりました」と感謝を口にした。

 放送から1年たった今でも、伊藤を始め、共演者との交流も続いているという。

「8月だけで4回会いました。こんなに多いのはたまたまですが月1回は必ず集まります。ホームパーティーをやったり、舞台を一緒に見に行ったりしています。役を超えて本当に仲が良いんです。女子だけの集まりがあったり、男性陣の法曹会があって、LINEグループでつながっているんです」と笑顔を見せた。

 さらに、子どもの頃から続けていたフィギュアスケートの経験にも触れた。長らく遠い存在に感じていたが、舞台『氷艶 hyoen 2025 -鏡紋の夜叉-』(2025年7月)では華麗なスケーティングを披露したことも。「このためにやってきたんだと強く思えました。あきらめた夢も巡り巡って今につながっている。全部が役者としての自分を形作っている」と振り返った。

 キャリアは14年目も、芝居はどんどん面白さを感じている。「普段の生活では味わえない大きな感情の振れ幅を体験できるのが楽しいです。怒ったり泣いたり、喜びも悲しみも濃く体験することで“生きている”という実感を得られます」と森田。朝ドラでの経験、舞台での挑戦、そして『火喰鳥を、喰う』。多彩な役を通して成長を重ねてきた森田は、いま大きな飛躍の入り口に立っている。

□森田望智(もりた・みさと)1996年9月13日生まれ、神奈川県出身。2011年テレビCMで俳優デビュー。19年Netflixオリジナルドラマシリーズ『全裸監督』で高く評価され、第24回釜山国際映画祭アジアンフィルムマーケットのアジアコンテンツアワード最優秀新人賞を受賞。主な出演作に映画『一週間フレンズ。』(17年)、『世界でいちばん長い写真』(18年)、『さがす』(22年)、ドラマ『おかえりモネ』(21年)、『妻、小学生になる。』(22年)、『バイバイ、マイフレンド』(23年)、『虎に翼』(24年)、『シティーハンター』(24年)。今年は『恋は闇』『いつか、無重力の宙で』などに出演し、11月28日には『ナイトフラワー』の公開を控えている。

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