【電波生活】『家呑み華大』の舞台裏 台本なし1日3回分収録も…話が途絶えない“華大”のすごさ

お笑いコンビの博多華丸・大吉が都内のとある“家”で揃いのパジャマ姿でうまい肴と酒を楽しみながら、仕事や健康などさまざまな話題でボヤキつつ、トークを展開するBS朝日『家呑み華大』(木曜午後10時)。2人の会話に笑いながら共感し、仲の良さと優しさ、癒やしも感じる。毎回テーマは決まっておらずフリートークのように思えるが……。またロケ場所の“家”も気になる。プロデューサーの竹内絵梨子さんに気になる舞台裏を取材した。

博多華丸・大吉の華丸(左)と大吉【写真:(C)BS朝日】
博多華丸・大吉の華丸(左)と大吉【写真:(C)BS朝日】

都内の長期滞在型宿泊施設で3週間に1度、午前中から収録

 お笑いコンビの博多華丸・大吉が都内のとある“家”で揃いのパジャマ姿でうまい肴と酒を楽しみながら、仕事や健康などさまざまな話題でボヤキつつ、トークを展開するBS朝日『家呑み華大』(木曜午後10時)。2人の会話に笑いながら共感し、仲の良さと優しさ、癒やしも感じる。毎回テーマは決まっておらずフリートークのように思えるが……。またロケ場所の“家”も気になる。プロデューサーの竹内絵梨子さんに気になる舞台裏を取材した。(取材・文=中野由喜)

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 2024年1月に特番として放送され、同年4月にはレギュラー放送となった。まずは企画誕生の背景を聞いた。すると意外な話が飛び出した。

「当初は『大吉小鉢』という番組名の企画として考えられたんです」

 華丸の名前がないが……。

「そうなんです。大吉さんが他の番組で1度話したことがありますが、実は発案当初は大吉さんお一人で出演する企画でした。BSなので地上波のように2人そろってご出演していただくのはハードルが高い、無理だろうと考えたからです。ところが大吉さんにオファーすると、大吉さんが『小鉢だけ前に置いて一人で番組を背負えるかな。華丸さんと一緒にできないかな』という提案があったんです。私たちにはまさかのうれしい話でした」

 番組誕生の経緯に華丸と大吉の仲の良さを感じるが、番組でも仲良しぶりはしっかり伝わってくる。それを象徴するようなエピソードを尋ねてみた。

「実はこの番組は台本が一切ないんです。台本がなくても華丸さんが面白いことを言い、大吉さんがたしなめ、時にツッコんだりします。そのバランスの良さと2人の関係は本当に素晴らしい。それが華大さんの普段の姿。素の仲良しぶりが番組で見えていますし番組の魅力だと思います」

 ここで撮影現場の“家”について聞いてみた。番組内で文京区湯島という言葉が登場したこともある。室内のソファーの色が違ったりするのだが……。

「都内のある長期滞在型の宿泊施設を利用しており、実はその施設内の複数の部屋を利用して撮影しています。放送で映るのは台所とリビングですが奥にも部屋がありスタッフがいます」

 決してモダンな部屋とは言えず年季の入った味わいのある雰囲気。50代半ばの華大に合わせた部屋か。この“家”が選ばれた事情を聞いてみた。

「転勤で上京してきたスタッフが昔、利用していた所なんです。大家さんに相談したら撮影がOKになったという経緯です」

 冷蔵庫の中やおいしそうなつまみも気になる。

「全国から取り寄せたおつまみ類もスタッフが選んでいます。その時の旬の物などスタッフが厳選、吟味した物が冷蔵庫に入っています。当初はちょっと高級な肉なども入れていましたが、作る手間もあったのか、カメラに映るところに飾って食べないこともありました。結局2人はこってりしたボリュームのある物よりさっぱりした物が好み。調味料も博多ご出身のため、関東とは使用するしょうゆも違います。『これじゃないんだな』と言って番組内で具体的な商品名を言われることもあり、次の収録で用意します。台所に立つ姿から2人は普段からおつまみはご自分たちで用意していると思われます」

10月2日放送の『家呑み華大』に出演する大吉(左)と華丸。週タイトルは「正々堂々と芋焼酎を炭酸で割ることを誓う夜」【写真:(C)BS朝日】
10月2日放送の『家呑み華大』に出演する大吉(左)と華丸。週タイトルは「正々堂々と芋焼酎を炭酸で割ることを誓う夜」【写真:(C)BS朝日】

今後「双方向的な企画をできたら」

 撮影スケジュールも気になる。酒を飲むのだから夜の収録か。

「撮影は3週間に1度行い、1日に3回分の撮影を行います。2人のスケジュール次第ですが、ほぼ午前中から撮影をスタートします」

 驚いたのは30分の放送枠の収録に要する時間。

「3回分の収録時間はトータル3時間ほどです。1回分の収録は約45分ぐらいでしょうか。ですから未公開トークはほとんどありません」

 午前中に他局で朝の生番組を終えた日は“仕事終わりの1杯”という感じか。番組では時折、焼酎ソーダ割5杯目という字幕を目にすることも。3本撮りとなると飲酒の量も積み重なっていくはず。

「3回分の撮影の飲酒の量はトータル5杯前後でしょうか。5杯目という字幕は3本目の撮影ということになります。日ごろよくお酒を飲む人としては飲み過ぎというほどではないかと思います」

 お酒の影響で放送できない危険な話が飛び出し編集でカットすることもあるのだろうか。

「そういう話はないですが、たまに同じ話が登場することがあります(笑)。収録中は楽しく聞いていますが、放送ではカットとなることもあります」

 ここであらためて舞台裏の華大の魅力を聞いてみた。

「お互いの習慣などにたまに物申す的なこともありますが、コンビである前に仲のいい友だちなんだと感じます。『この話、華丸さんに言おうと思って取っておいたんだ』と言ったりするのは、ほっこりします。すごいと思うのは他の仕事の現場でも一緒にいるのに、台本なしの撮影に臨んでも話が途絶えないところ。日常のいろんなところ、たとえば仕事相手とか、それぞれの家のこととかに常にアンテナをはって見ている方たちなんだと思います。1日で番組3回分のトークを台本なしで行うのは本当にすごい。大吉さんは幅広い知識と話しの引き出しが本当にたくさんある方。華丸さんはどんなことも面白く話すすてきな方です」

 最後に番組作りのこだわりや今後の抱負を聞いてみた。

「今後は誰かが訪ねてきてくれるのも面白いと思いますし、今も視聴者のお悩み相談企画がありますが、何か双方向的な企画をできたらと考えています。お2人のトークを大切にしながら少しずつ新しいエッセンスを加えていけたら。ただし、テレビを見ながら晩酌している人が、華大さんも一緒に飲んでいる感覚になれるスタイルは今後も変えずに続けていきたいと思います」

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