『アバター』再上映決定、スクリーンでこそ味わえる没入感…J・キャメロン監督が強調する劇場で体感すべき真価

ジェームズ・キャメロン氏が監督を務める2009年公開の映画『アバター』が26日から、22年公開の『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』が10月3日から、それぞれ1週間限定で3Dスクリーンにて劇場で再上映されることが決定した。さらに、シリーズ最新作『アバター:ファイヤー・アンド・アッシュ』が12月19日に日米同時公開となる。

『アバター』の1週間限定再上映ポスター【写真:(C)2025 20th Century Studios. All Rights Reserved.】
『アバター』の1週間限定再上映ポスター【写真:(C)2025 20th Century Studios. All Rights Reserved.】

最新作『アバター:ファイヤー・アンド・アッシュ』12月19日公開

 ジェームズ・キャメロン氏が監督を務める2009年公開の映画『アバター』が26日から、22年公開の『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』が10月3日から、それぞれ1週間限定で3Dスクリーンにて劇場で再上映されることが決定した。さらに、シリーズ最新作『アバター:ファイヤー・アンド・アッシュ』が12月19日に日米同時公開となる。

『アバター』は全世界歴代興行収入ランキングで第1位を獲得した史上最大のヒット作であり、続編『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』も『タイタニック』(1997年)を超え第3位にランクインする偉業を達成した。

 キャメロン監督は、作品を映画館で体感することの意義について強いこだわりを示しており、「進化した技術だけでは観客がいいと思える映画は作れません。ほとんどの観客が気にかけているのは、ストーリーであり、キャラクターであり、その映画を見て自分がどういう気持ちになるか。私はそのことを何よりも大切にしています」と語っている。単なる視覚体験を超えて、観客の感情を揺さぶることを重視してきた。

 SNSなどでは「先日初めてアバターを観て、早く観とけばよかったと後悔した」、「めちゃくちゃ綺麗だし迫力あるし泣けるし、映画館で観たかった」など、劇場体験を逃したことを悔やむ声が多く寄せられている。監督自身も「私たちはこの映画を大スクリーンでの上映のために制作した」と語っており、劇場での上映を前提にシリーズを制作してきたことがうかがえる。

 そのこだわりについてキャメロン監督は「人は映画館に行き、想像上の世界へと心を運び込まれます。いわゆる“不信の一時停止”がうまくできればできるほど、その体験はより楽しいものになるんです」と説明する。そのために、映像表現だけでなく普遍的なテーマやキャラクターを通じて感情移入できる物語を紡いできた。

 シリーズの舞台は、美しい海や森が広がる神秘の星・パンドラ。地球が滅亡の危機に瀕する2154年を背景に、資源を巡って人間と先住民ナヴィ族が衝突する。ジェイク・サリー(演:サム・ワーシントン)とネイティリ(演:ゾーイ・サルダナ)による種族を超えた愛と家族の絆、自然との共生が軸となり、観客の深い共感を呼んできた。

 ネイティリ役のゾーイ・サルダナは劇場で作品を鑑賞した際、「私は体外離脱のような体験をしていて、自分が感じていることに完全に魅了されていました。今まで感じたこともないような没入感だったんです」と振り返る。最新技術を駆使した圧倒的な映像美で没入への入り口を開きながらも、それ以上に物語やキャラクターを大切にしているからこそ、観客は心を投じ、映画館での没入体験をより深く味わうことができる。

 2023年に日本で行われた『タイタニック』リバイバル上映では、わずか2週間の公開で興行収入10億円を突破する大ヒットを記録。世代を超えて“劇場で見るべき映画”であることを証明したキャメロン作品だが、『アバター』シリーズもまたスクリーンでこそ真価を発揮する作品だといえよう。今回の再上映は、最新作『アバター:ファイヤー・アンド・アッシュ』に向けて物語へ没入できる絶好の機会となりそうだ。

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