森田剛、愛してやまないものは植物と空 日本初上演舞台で過ごした日々は「宝物になりました」
俳優の森田剛が21日、舞台『ヴォイツェック』の開幕前会見に出席。日本で初めて上演される舞台で主演を務める心境を語った。

舞台『ヴォイツェック』で主人公・ヴォイツェック役に挑む
俳優の森田剛が21日、舞台『ヴォイツェック』の開幕前会見に出席。日本で初めて上演される舞台で主演を務める心境を語った。
今回の脚本は、2017年にロンドンで上演され高い評価を集めた、ジャック・ソーンのアダプテーション版。ドイツの劇作家ゲオルク・ビューヒナーの原作を現代的に解釈し、冷戦下の1981年ベルリンを舞台に、政治的緊張感と心理的・感情的な深みを強調したドラマを描く。
暗い過去に苦しみながらも愛を求める主人公・ヴォイツェック役に挑む森田は、上演が直前に迫り「あっという間に約1か月の稽古を終えて、ワクワクしています」とコメント。役と共感できた点については、「人間で生まれたら愛したいし、愛されたいし、認められたい。自分の居場所を探す、諦めないという強い気持ちは共感と言いますか、憧れを持っています」と明かした。
本作の演出は、米国アクターズスタジオ大学院演出学科を日本人で初めて卒業し、小田島雄志・翻訳戯曲賞、紀伊國屋個人賞など受賞し、2018年から新国立劇場の芸術監督を務める小川絵梨子氏が手掛ける。初めて小川氏演出作品への参加となり、小川氏からのアドバイスを聞くと「たくさんの言葉をいただきまして、中でも素敵だと思ったのは、『一緒にやっている仲間を信じる。自分では何もしない。相手に委ねる』、そんなことを言われました。だから、100%信じて、自分も信じてもらって、役として生きられたらいいなと思っています」と意気込みを語った。
愛を求めて生きる主人公にちなんで、「愛してやまないものは?」という質問には、しばし考えてから「植物は好きです。言ったところで伝わらないんですけどね。あとは空とか見ています。こういう暗い話だから、朝起きたら空を見ていました」と回答して苦笑。「皆さんと(過ごした)稽古も含めて、この時間が愛おしい時間でした。まだ始まっていないんですけど宝物になりました。だから、皆さんとの時間を、愛情を込めて全力で最後まで駆け抜けたいと思うし、それを見てくださった皆さんに何か感じてもらえたらいいなと思っています」と思いを伝えた。
最後に初日へ向け、「とにかくやるだけという感じです。本気でやります。だから見に来てください。見に来てくださった方は、その場で起こっていることを素直に感じていただけたらいいなと思います。楽しみにしていてください」とメッセージを送った。
東京公演は今月の23日から28日まで、さらに11月7日から16日までリターン公演を上演。10月に岡山、広島、福岡、兵庫、愛知でも上演される。会見には、伊原六花、伊勢佳世、浜田信也、冨家ノリマサ、栗原英雄も出席した。
