「正気の沙汰じゃない」民泊に“最悪ゲスト” 備品破壊、荒らし放題に批判殺到 運営会社の怒り「然るべき対応」
「最悪のゲストに遭遇しました」――。団体旅行客が泊まった後の部屋は、備品が一部壊れ、生ごみなど大量のごみが放置されたうえに、悪臭が漂っていた。民泊の運営業者がSNSで悲惨な状況を報告すると、「これひどい」「正気の沙汰じゃないです」と批判が殺到した。沖縄にある一戸建て貸切タイプの民泊物件で発生した今回の被害。客側から謝罪の連絡を受けたが、業者側は毅然(きぜん)とした対応を取るつもりだという。詳細について聞いた。

警察は現地確認「器物損壊・業務妨害等に該当する可能性」
「最悪のゲストに遭遇しました」――。団体旅行客が泊まった後の部屋は、備品が一部壊れ、生ごみなど大量のごみが放置されたうえに、悪臭が漂っていた。民泊の運営業者がSNSで悲惨な状況を報告すると、「これひどい」「正気の沙汰じゃないです」と批判が殺到した。沖縄にある一戸建て貸切タイプの民泊物件で発生した今回の被害。客側から謝罪の連絡を受けたが、業者側は毅然(きぜん)とした対応を取るつもりだという。詳細について聞いた。
「日本人6人組のゲストがチェックアウト後も5時間以上不法滞在。室内外の備品を破損し、禁煙ルールを無視して喫煙。大量のゴミを放置し、部屋には強烈な臭いまで残りました…。
Airbnbを通じて損害賠償請求中ですが、正直ダメージは大きいです」
Xの投稿者は、株式会社MOSVA(モスバ)代表の山田直人さん。自社ブランドで、無人の民泊運営を行っている。沖縄で展開する無人の民泊施設で、今回の宿泊客によるやりたい放題の事案が発生した。
室内には缶・ペットボトルやごみなどがあふれ、散らかっている。木製の備品は破壊されており、異様な光景だ。
日本人の6人グループは、3泊で9月16日にチェックアウト予定だった。「チェックアウトは午前10時で、午前11時に清掃スタッフが訪問した際、敷地内に止められたレンタカー内で2人が就寝中で、部屋の中にも人がいる気配がしたため清掃に入れませんでした。Airbnb上のメッセージや電話で連絡を試みましたが応答なし。午後3時の再訪時も人の気配があり清掃見送り。深夜(午前0時頃)に再確認したところ、極端に荒れた状態が確認されました。スタッフの身の安全を考えて、私の判断で直接接触はさせませんでした」。リスクを感じ、スタッフの安全を優先させたという。
確認できた被害は多数に及ぶ。
「概要ですが、強い異臭:生ゴミ(魚を含む)、吸い殻等が屋内に放置、破損:屏風(びょうぶ)の倒壊破損、その他備品(プール清掃の網)の破損、スリッパやタオルの汚損、ウッドデッキに嘔吐(おうと)物も確認されました。ごみ:卓上・床面に大量の混在廃棄物が散乱です」。通常清掃では対応困難なレベルのため、特別清掃・消臭(複数回)が必要という状況だ。また、営業への影響として「次予約への影響回避のため3日間のクローズ」になっているという。
原状復帰への費用。確定前の概算として、「特別清掃・消臭費:6万円、破損備品の修理・交換:現在計算中、リネン・消耗品の廃棄・再購入:1万258円、稼働停止に伴う機会損失:5万7000円相当(3泊分)」。現地を確認し、今後に見積額を確定させていくとのことだ。
山田さんはスタッフから報告を受けて絶句した。「写真を見た瞬間は言葉を失うほどのショックでした。大切に手入れしてきた空間が一晩でここまで荒れるのかという悔しさと悲しさ、そして次に泊まるお客様への責任感で胸がいっぱいになりました」。一方で、経営者として「同時に、現実を可視化して同種トラブルの抑止につなげたいという思いも強く、事実を丁寧に整理しつつ、必要な手続を進めています」と覚悟を決めている。
SNS上でも問題視され、宿泊者側から17日に、「深く反省しております」などとする謝罪のDMが届いた。
今後の対応について、山田さんはENCOUNT編集部の取材に対し、「先方からは謝罪の連絡を受け取りました。一方で、破損・汚損の範囲と費用負担を明確化する必要があるため、被害箇所の確定(写真・記録による証拠化)、修理・清掃等の見積確定、損害額の提示と賠償請求(実費+必要に応じ機会損失相当)を、民事の手続(任意交渉→不調なら法的措置も検討)の流れで進めます」と答えた。
また、すでに警察にも相談。「現地確認(9月18日)を実施いただき、器物損壊・業務妨害等に該当する可能性についても見解をうかがっています。謝罪を受けたから『不問に付す』わけではなく、被害実態に即した適正な補償を求めるのが妥当との考えです抑止力の観点からも、ルール違反に対しては然るべき対応を取ります」と強調する。
「“無人”だからといって“人がいない”わけではないのです」
一連の投稿は7000件を超えるリポストを集めており、物議を醸している。「ここまで汚くするなんてありえないです」「よくここまでめちゃくちゃに出来ますね、、、」「謝って済むレベルじゃないよこれ」「これまじすか?絶対に許せないですね」「しっかりと賠償してもらいましょう」「民泊も各サイトでトラブル情報共有するか、保証会社みたい制度あった方がいいと思う」など怒りの声が相次いでいる。
マナー崩壊に心を痛める山田さんは「皆様には、宿泊施設では最低限のモラルを守ってほしいと心からお願いします。当人たちはその場で盛り上がって楽しかったのかもしれません。しかし、やられた側にとっては本当に地獄です。通常清掃を超える汚れや破損は簡単に原状回復できず、壊れたものがすぐ買い直せるとは限りません。補填の手続きにも時間と労力がかかり、その間は予約を止めざるを得ないため、次に楽しみにしていたゲストへも迷惑が及びます。私たちの宿は無人運営ですが、決して『誰のものでもない空間』ではありません。宿に愛着を持つ運営者がいて、現場で汗を流す清掃スタッフがいます。“無人”だからといって“人がいない”わけではないのです」とメッセージを寄せた。
そのうえで、「最後に、ここまで進められたのは、Xで拡散してくださった皆様のおかげです。もし広がっていなければ、謝罪のご連絡すら届かなかったと思います。心より感謝いたします」と話している。
