横山裕、ソロ公演で本名に言及「親がつけてくれた大事な名前」…元メンバーへの思いも
SUPER EIGHTの横山裕が16日、東京・Zepp Hanedaでソロライブツアー「ROCK TO YOU LIVE TOUR」最終公演初日を開催した。44歳で自身15年ぶりとなった今回のソロツアーは、“武者修行”を掲げた1年間限定プロジェクトで、初のソロアルバム『ROCK TO YOU』(6月9日リリース)を携えての全国11都市、21公演。その間に日本テレビ系『24時間テレビ 48』のチャリティーマラソン(8月30、31日)で105キロを完走している。そして、本日17日がラストステージになる。

「ROCK TO YOU LIVE TOUR」 全国11都市、21公演
SUPER EIGHTの横山裕が16日、東京・Zepp Hanedaでソロライブツアー「ROCK TO YOU LIVE TOUR」最終公演初日を開催した。44歳で自身15年ぶりとなった今回のソロツアーは、“武者修行”を掲げた1年間限定プロジェクトで、初のソロアルバム『ROCK TO YOU』(6月9日リリース)を携えての全国11都市、21公演。その間に日本テレビ系『24時間テレビ 48』のチャリティーマラソン(8月30、31日)で105キロを完走している。そして、本日17日がラストステージになる。(取材・文=幸田彩華)
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白幕に映像が流れ、ギターが鋭く鳴り響くと、シルエットの横山が登場した。そして、叫んだ。
「今日、俺達ロックしにきました! ただ、ロックの定義は何か分かりません! 俺さ、まじで今日が最高やったっていうライブやりたいんよ。俺がやるって言ったらやるからさ! だから全力でかかってこいよ! 行くぞー!」
会場のボルテージは一気に急上昇。1曲目は、アルバムのリード曲『ロックスター』だ。「自分にとっての“ロック”とは?」を追求し、等身大の思いをぶつけた楽曲だ。豪快なバンドサウンドに観客は一瞬でのみ込まれた。
曲を終えるや、横山は「まだまだこんなもんじゃないっすよね」と挑発し、2曲目『HERO』へ。観客の手拍子が響き渡り、ノリの良いヒップホップ・チューンがフロアを一気に躍動させた。
バンドメンバーを紹介し終えると、横山は「大事なこと忘れてました。まだ自己紹介していないんです。横山裕です!」とボケて、笑いを誘った。そして、今回のツアーでは初のライブハウス公演となったステージで、芸名の「横山“裕(読み:ゆう)の“YOU”」、本名の「横山“侯”隆(読み:キミタカ)の“キミ”」。どちららも「あなた」という意味だと伝えた。
「40超えてギター始めました。ロック目指します! 本名は侯隆って言います。親が付けてくれた大事な名前。大事なことに気づけたんですが、(芸名も)どっちも『あなた』なんです。あなたにロック届けに来ました。本気で感情ぶつけにきました。あなたたちも本気で感情ぶつけてください! それがおれの“存在意義”」
続いては、観客との“水分補給”タイムと称した乾杯へ。横山は、『ROCK TO YOU』ツアー完走、日本テレビ系『24時間テレビ 48』のチャリティーマラソン105キロ完走、そして、「あなたの幸せに」と声を上げると、会場には大きな歓声「フー!」が響き渡り、ファンも一斉に「乾杯~!」。笑顔でその瞬間を共有した。
その後、今週末に控える渋谷すばるとの対バンイベントや、10月6日スタートのフジテレビ系連続ドラマ『絶対零度~情報犯罪緊急捜査~』(月曜午後9時)への出演を告知。「昨日も撮影していました。朝8時からアクションシーンやってましたけど、体が動きません」とジョークを飛ばし、客席を和ませた。
今回のセットリストは、全てソロアルバム『ROCK TO YOU』から構成。そのため、横山は「SUPER EIGHTの曲はやりません。それは僕の信念であり、美学です。“武者修行”って言っているので、SUPER EIGHTの曲をやるのは違うなと」と覚悟を伝えた。そして、「アルバム1本でやったら総尺が49分しかないんです。だから、残りはしゃべります(笑)。調子がいいときは2時間超えてます」とユーモアで会場を沸かせた。
続けて、横山作詞で安田章大(SUPER EIGHT)と合作したユニット曲『Kicyu』や『cHoco レート』を愛らしく歌い上げた。また、大雨による交通機関の乱れで、STARTO ENTERTAINMENT関西出身アーティストで構成された“横山会”メンバーによるスペシャルイベント『横山万博』のステージに立てなかったことを謝罪。すると、観客からは「またやってー!」と温かい声援が飛んだ。
その上で、横山は観客に語りかけた。
「あなた今楽しいですか? 生きてるといろんなことあるよね。人間関係とか難しいよね、最近、思うんやけど何が正解か分からない世の中になってきてるなって。SNSとか、そんなせいにしたくないけど、でも、それって当然のこと。人って100点の人間おらんから。だから、俺はまずは自分を信じる。自分を信じないと人を信じれない。人を信じなかったら人が優しくしてくれへん。だから、自分を信じるようにした。だから、あなたもまずは自分を信じて。自分を信じたら人を信じれるようになるから。そうしたら。人が助けてくれたり、人が寄ってくる。俺とあなたでかっこいい人生にしていこう」
まっすぐに届けられたその言葉に、会場は静かに耳を傾けた。続く「ど直球」な横山の生き方を詰め込んだ『ど真ん中』では、ギターをかき鳴らす姿が印象的だった。
関ジャニ∞の元メンバー・渋谷すばるへの思いも
関ジャニ∞時代の元メンバー・渋谷すばるが作曲を手掛けた『繋がる』を披露する前には、渋谷について語り始めた。
「彼が脱退して8年たつ。記者会見の残像は忘れられへん。『何であいつ、辞めんねん』とか、『俺がもっと説得したらあんな結末になってなかったのかな』とか、自分に問いかけたこともあった。いざ記者会見を迎えて、『ほんまにこの日が来んねや』ってめちゃめちゃ悲しかった。あいつの門出やのに、俺、真っ先に泣いてしもうて……」
そして、「今日という日が来ないでほしいです」と当時のように語ると、会場からは思わず笑いが起きた。
横山はその反応を受けて、さらに渋谷への思いを語った。
「でも、これ笑えてるのが最高なんですよ。8年前だったら笑えてない。でも今、あなた笑えてますよ。それって俺達が今生きている未来が最高だから。あいつが覚悟を持って脱退という道を選んで、今、すごいボーカリストとして輝き続けて、それってすごいこと。あいつの決断のおかげで、俺ギター持ててると思う。だから、俺とあいつはつながれてる。もちろん、俺とあなたもつながれてる」
そして、今回のツアーでも公演を開催した青森県に言及。15年前のソロツアー青森公演の当日に母親が逝去。母への思いをうたった『オニギシ』は涙で歌うことができなかったという。だからこそ、同曲を当時と同様にセットリストの最後に持ってきたと明かした。
「今と同様ソロツアーやってました。大阪城ホールを1人で立って。1万5000人、1人で入れたのをおかんが見てくれて、すごいうれしかった。でも、あまりうれしさを表現できなかったし、お互い照れくさい時間が流れてた。『おかん、見てくれてありがとう』って言うと、おもむろにおにぎりの差し入れをくれて。おかんもこの『オニギシ』という曲が大好きでした」
しかし、その1か月後、青森公演の本番1時間前に弟からの電話で母の訃報を受けた。
「信じられなくて、本番どうしたらいいのか不安でした。でも帰ったら、おかんが一番嫌がると思って、ステージに立つことを選びました」
だが、ストに用意していた『オニギシ』は涙で歌えず、号泣してしまったという。
「みんな何が起こったか分かってなくて、不安にさせて申し訳なかったなって思う。だから、今回のソロプロジェクトをやるにあたって、『オニギシ』をアルバムに収録して青森で歌い切ることを決めたんです。この前も青森で『オニギシ』を歌ったんやけど、泣いて歌われへんかった。でも、それでいいんやなって思った」
さらに、『24時間テレビ 48』でチャリティーマラソンを走った際のエピソードも披露した。
「走ること以外は全然聞いてなかったから、テレビを見直したらメンバーが『オニギシ』を歌ってくれていて、めちゃくちゃうれしかった。最高の親孝行ができているなと。本当にメンバーに感謝しています」
そして、「確かにおかんはいなくなった。でも、いてくれたことが大事。いてくれたから俺が生まれて、弟たちが生まれた。素敵なメンバー、後輩、あなた、スタッフ、たくさんの方に出会えてます。全部おかんがつなげてくれました。いてくれたことが大事なんやなって思えるようになりました」とあふれる思いを伝えた。その流れで、横山が歌詞に思いを込めて『オニギシ』を歌い切ると、会場は感動の空気に包まれた。
アンコールで『ロックスター』とともに披露した『存在意義』は、「目の前の“あなた”に届けたい」という思いを軸に、自分の存在意義を歌った楽曲だ。そして、ラストの「もっともっと届け あなたへ」の熱いフレーズで終演。文字通り、横山が全身全霊で「あなた」に届けた2時間だった。
