WWE退団→4年3か月ぶりに帰還した“最強外国人”が感じた今のスターダム 対戦したい相手も明言【インタビュー後編】
2017年にスターダムに初来日し「最強外国人」として活躍したビー・プレストリーは2021年4月にWWEへ転出。しかし、4年3か月の月日を経てスターダムのリングに帰還を果たした。9.6横浜大会では上谷沙弥の持つワールド・オブ・スターダム王座に挑戦し存在感を示したビーに、今のスターダムについて感じたことを聞いた。

日本に戻れて嬉しいし前とは違った気持ちで臨んでいる
2017年にスターダムに初来日し「最強外国人」として活躍したビー・プレストリーは2021年4月にWWEへ転出。しかし、4年3か月の月日を経てスターダムのリングに帰還を果たした。9.6横浜大会では上谷沙弥の持つワールド・オブ・スターダム王座に挑戦し存在感を示したビーに、今のスターダムについて感じたことを聞いた。(取材・文=橋場了吾)
ビー・プレストリーは2021年7月にWWE入り。NXT UKからSmack Downに移籍して活躍した。ビーにとって、WWEでのキャリアはどのようなものだったのか。
「NXTはすごく楽しかったですが、トレーニングはとてもハードなスケジュールでした。ある週は6日間ずっとレスリング、トレーニング、テレビの撮影で、日曜日だけ休み、ということもあったので、体はとても疲れていました。私はNXTの中でも経験豊富な女子レスラーの一人だったので、コーチは私を使って他の人を教えることが多かったこともあって、コーチングが自分にとって少しハードに感じることもあって。体はボロボロで、今も当時からの首の痛みがあります。その後、SmackDownに移ったんですが、トレーニングはやりたい人だけやればいいスタイルで、私の場合は木曜日に飛行機で移動、金曜日にSmackDown、土曜日に帰宅という感じでした。それ以外の日、日曜から木曜までは、トレーニングをするもしないも自由です。NXTは育成の場なのでトレーニングが必須ですが、RawやSmackDownはやりたい人だけやればいい、という考え方なんです」
2025年2月にWWEを退団したビーの去就は注目されていたが、7月にスターダムが『5★STAR GP 2025』にビーが出場することを発表。最強外国人が、4年3か月ぶりにスターダムのリングに帰ってきた。
「スターダムに戻ると決まったときには、選手たちが大きく変わっていたので色々な選手を見てみたいと思いました。日本に戻れて嬉しいですし、前に去ったときとは違う気持ちで臨んでいます。赤いベルト(ワールド王座)も取り戻したいですね。4年前のスターダムは人気が出始めた頃で、スターダムはもっと大きくなるだろうと思っていましたが、今の人気には驚きました」
ビーは『5★STAR GP 2025』後にスターダム所属選手になった。その『5★STAR GP 2025』ではワールド王者の上谷沙弥を破るも、9.6横浜武道館大会で同王座に挑戦し惜敗。上谷はビーが去った後QQに加入したのだが、当時はまだ「期待の新人」と言われていた。
「私と上谷は以前シングルマッチを3回くらいやっているのですが、全部私が勝ちました。浜松のリーグ戦はタイトルマッチではなかったので、(上谷にとっては)負けても大きな問題ではなかったのかもしれませんが、横浜は違いましたね。私のフィニッシャーであるクイーンズ・ランディングも出しましたがキックアウトされて、本当に驚きました。これまで詩美だけでしたから、キックアウトしたのは。上谷は以前は華やかで華麗なファイトスタイルでしたが、今はアグレッシブで怒りを感じます。また赤いベルトに挑戦したいですが、少し違うスタイルでやりたいなと……上谷の知らない技もいくつかあるので。スターダムは、いつでも私のお気に入りのプロレス団体なので、将来的にAEWも考える可能性はあるかもしれませんが、今はスターダムで戦うことに集中していますよ」

少し時間がかかるかもしれないが、また赤いベルトに挑戦したい
インタビューは9.10後楽園大会の前々日に行われたのだが、後楽園でビーは、かつてのユニットのリーダーであり、裏切った過去もある渡辺桃と8人タッグで対峙することになっていた。
「桃や小波と戦うのは楽しみですが、桃は本当に打撃が強いので、(9.6横浜の)脇腹近くのダメージも少し悪化しているのでちょっと怖い気持ちもあります。桃は感情を揺さぶる試合をしますし、非常にパワフルなので勝てたら特別な意味があると思いますね。桃とは彼女が17歳のときに会って以来成長を見てきたので、余計に楽しみです。でもH.A.T.E.は消えてほしいですね。(稲葉)あずさはめちゃくちゃかわいいですが(笑)。以前私は大江戸隊にいましたが、今は考え方が変わりました。騙したり、セコンドに頼ったりする試合ではなく、自分の力だけで試合ができます。椅子を投げつける必要もありません。H.A.T.E.のメンバーと試合すると、全員が攻撃してくるのでそれは好きじゃないです」
9.10後楽園の試合後、ビーはSTARSとの共闘を示唆(9.14金沢で正式加入を表明)。渡辺にビーについて聴くと……。
「ビーはタイトルマッチの後で体がだいぶ痛いのか、あんまり出てこなかったね。(4年前と)良くも悪くも変わってない印象だよ。体格も大きいまま、あの迫力のまま帰ってきたし、日本語も覚えていたしね。あんな感動的なお別れをした後だから、そのまま仲間になるのかなと思ったけど『ショッパイ』って言葉を出した時点で私も(敵の中に)入っているなと思ったから、深くは関わらないようにしたんだよ。でも、タイトルマッチの後で『自分が一番ショッパかった』みたいなことを言っていて、少しは成長したのかなと思ったね(笑)。STARSに入るのなら戦うことしかないだろうけど、ちょっとだけ一緒にやってみたかったというのはあったかな。でもSTARSに行くなら、もう知らないって感じ(笑)」
今後、ビーはスターダムでどのような戦いをしていこうと思っているのだろうか。
「戦いたい選手はたくさんいますが、Sareeeとは試合をしてみたいですね。少し怖さもありますが。あとは、ゴッデス・オブ・スターダム王座を狙いたいです。過去にジェイミー・ヘイスター、小波と獲っていますが、どちらのパートナーとの試合も本当に楽しかったです。もしパートナーを選べるなら、羽南と組んでみたいですね。スピーディーだけどパワーもあって、よい化学反応が起きそうです。そしてやっぱり、少し時間がかかるかもしれませんが、もう一度挑戦して上谷沙弥から赤いベルトを獲りたいですね」
